2020年、「年金改正法」が成立。これによって老齢年金の受給開始年齢が60歳から75歳に拡大されました。定年後の再雇用、新しい職場に就職、はたまた起業といったかたちで仕事を続けるアクティブな熟年世代も増えています。

「60歳=リタイヤ」というこれまでの概念は、すでに古いものになりつつあるのかもしれませんね。今回は、還暦前のラストスパート中ともいえる50代以上、いわゆる「熟年世代」の貯蓄額にフォーカスしていきます。

そもそも「貯蓄」って?

総務省の家計調査報告(貯蓄・負債編)の用語の解説によると、貯蓄とは、

ゆうちょ銀行,郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構,銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金,生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式,債券,投資信託,金銭信託等の有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価,債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と,社内預金,勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいう。 なお,貯蓄は世帯全体の貯蓄であり,また,個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含める。

とあります。つまり「貯蓄額」には、預貯金以外の金融資産も含まれているわけですね。次では、「預貯金額」「預貯金以外の金融資産額」、そして「負債額」を、「50代」「60代」「70代以上」にわけてみていきます。