2020年10月29日に行われた、株式会社ドリームインキュベータ2021年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。
スピーカー:株式会社ドリームインキュベータ 代表取締役CEO 原田哲郎 氏
本⽇の内容
原田哲郎氏(以下、原田):株式会社ドリームインキュベータ代表取締役CEOの原田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。2021年3月期第2四半期の決算概要についてご説明申し上げます。
当社は、6月末に経営体制を変更しました。現在、足元では新型コロナウイルスの影響への対応を行いつつ、並行して中長期の進化の方向性についても、新経営体制で検討しているところです。
本日のご説明ですが、前半は上期の決算概要を従来の枠組みに沿ってご説明させていただき、後半は現在検討中の中長期の方向性について頭出しをさせていただければと考えています。
第2四半期までの概況ですが、ベンチャー投資とビジネスプロデュースは、新型コロナウイルスのマイナス影響を受けています。複数のIPO予定銘柄でスケジュールの延期が起きたこと、また一部投資先の減損を積んでいます。加えて、大企業クライアントの新規事業マインドが一時的に冷え込んでいることによる受注減の影響も少し受けています。
一方で、ペットライフスタイル事業は、むしろペット需要が増えており、売上が計画よりも上振れています。新規契約数も過去最高を更新している状況です。
財務基盤は問題ありません。運転資金も支障なく、含み益は事業投資とベンチャー投資を合わせ100億円超あります。
今後の方向性については、ビジネスプロデュースとベンチャー投資の強みを融合して、社会課題の解決に資する事業創造の主体となるモデルへの進化を検討しています。
2021年3⽉期 第2四半期 連結P/L(保険項⽬調整後)
2021年3月期第2四半期決算の要旨についてご説明します。連結P/Lですが、当社では連結している保険事業における保険会計特有の処理を考慮して、保険項目の調整前後のP/Lを開示しています。経営の実態を表すのは調整後のP/Lのため、こちらをメインにご説明します。
連結売上高は、前年同期比で24.7パーセント増の133.4億円となっています。保険事業の新規契約増加が主な要因となります。経常利益は、前年とほぼ変わらず2.1億円です。四半期純利益は、6月の経営体制変更時に特別損失として計上したファウンダー功労金の影響もあり、1.3億円の赤字となっています。
2021年3⽉期 第2四半期 連結P/L(保険項⽬調整前)
保険項目調整前のP/Lですが、保険業法に基づく特殊な会計処理が行われた数字になっています。次のページに、保険会計の調整内容についてのご説明を入れています。
保険会計の調整項⽬及び調整額
保険業に関する調整は2点です。1つ目は、普通責任準備金の算定を、国内損保に一般的に適用される未経過保険料方式での算定に調整しています。
2つ目は、日本以外の国では用いられていない異常危険準備金への繰入影響を排除する調整を行っています。これによって、より事業の実態に近い数値をお示ししています。
2021年3⽉期 第2四半期 セグメント別P/L
セグメント別のP/Lです。ベンチャー投資ですが、新型コロナウイルスの影響を踏まえて減損を上積みした結果、経常損失が3.5億円となっています。
ビジネスプロデュースですが、売上は前期に市場調査事業から撤退したこともあって若干の減少ですが、利益は増えています。前期に含まれていた市場調査事業の赤字がなくなったことに加え、管理コストの見直しによって利益は改善して2.1億円となっています。
ペットライフスタイルは、新型コロナウイルスの影響がむしろプラスに働き、新規契約獲得が計画以上に上振れして、売上高は24.3パーセント増加しています。ただし、新規契約が増えると初年度の獲得コストが増えてしまうため、経常利益には若干マイナスの影響がありますが、中長期的にはプラスの効果が働くと考えています。
HRイノベーションは、新型コロナウイルスの影響で想定より少し下回りましたが、売上高は前年同期比では29.9パーセントの成長となっています。
2021年3⽉期 第2四半期 連結B/S
連結B/Sですが、2020年9月末時点の総資産は281億円で、前期末から17億円程度増加しています。要因の1つは、保険事業において営業キャッシュ・フローが積み上がっていることです。もう1つは、資産運用の一環で上場株を保有していますが、3月末時点で新型コロナウイルスの影響により市況が大幅に悪化していたところから、9月末には市況が回復しており、その分が、その他有価証券評価差額金に出ていることです。この2点が、特に資産の増加要因となっています。
それ以外では、オフバランスの資産としてアイペットホールディングスの株式の含み益があり、9月末時点で97億円となっています。
2021年3⽉期 NAV状況
Net Asset Value(NAV)についてです。短期的なP/Lだけでは弊社の企業価値を表しにくいため、機関投資家のみなさまからいただいているご意見も反映して、参考情報として継続的にNAVを開示しています。ドリームインキュベータの各事業の市場価値を積み上げて、株主が保有しているドリームインキュベータの直近の事業価値の合計を示しているものです。
第2四半期末時点でのポイントは3つあります。1つ目はベンチャー投資ですが、投資の一部回収があり、グラフの一番上の水色の部分からその分の簿価が減り、グラフの一番下の黄色の部分のNet Cashが増加しています。3月末ではマイナスでしたが、それがプラスになっているのはその影響になります。
2つ目はビジネスプロデュースですが、恣意的な計算にならないよう、上場している同業他社各社のPERを機械的に採用して計算しています。3月末、新型コロナウイルスの影響で株式市場が大きく冷え込んでいたときのPERをもとに算定したものと、正常化した9月末のPERとの比較で、ピンク色の部分が大きくなっています。
3つ目は事業投資です。濃い青い部分ですが、アイペットホールディングスの株価が上昇しているところがプラスの影響に働いています。
各事業におけるNAVの算定⽅法
NAVの計算方式です。恣意性が働かないようルール化して、以前からお示ししています。後ほどお話をさせていただく今後の事業の方向性や戦略を具体化していく中で、NAVの計算方法も、より実態をお示しできる調整の余地が出てくれば、あわせて検討してご説明したいと考えています。
新型コロナの各セグメント業績への影響
新型コロナウイルスが各セグメント業績に与える影響の見通しをまとめたものです。上期は先ほどご説明したとおりです。下期の見通しですが、ベンチャー投資は、下期にIPOを予定していた銘柄が来期に延期になったため、当社の想定に対してマイナスの影響を見込んでいます。
ビジネスプロデュースは、大企業のお客さまの新規事業に対するマインドが一時的に冷え込んだことで、マイナスの影響が出てくると見込んでいます。
また事業投資については、上期と同様のトレンドが続くと見込んでいます。以上が、上期の決算概況となります。
1)事業投資:投資育成先
各事業の状況について、事業投資、ビジネスプロデュース、ベンチャー投資という順番で、もう少し詳しくご説明します。事業投資についてですが、スライドは各事業投資先の一覧となり、3つの事業投資領域で構成されています。
ペットライフスタイルですが、これはアイペットホールディングスという損害保険会社が中心で、56パーセントの株式を保有して育成しています。加えて、ペッツオーライという事業を新たに取り込む予定になっています。こちらは後ほどご説明します。
ファンマーケティングは、コンサートのチケットやファンマーケティングのDX化を行うボードウォークの株式を、潜在ベースで46パーセント保有して育成しています。
HRイノベーションは、フリーのコンサルタントを企業が起用する際の調達をDX化する事業で、100パーセント出資して育成中です。
アイペットホールディングス
アイペットホールディングスの保険契約数の積み上がりはとても順調です。また、すでに開示していますが、10月から持株会社体制に移行しました。保険事業を通じて、ペットの飼い主であるお客さまの数が増え続けているため、そうしたお客さまに対して、ペットと人にまつわる社会課題を解決していく方向で、事業領域を拡大することが目的となります。
具体的な取り組みとして、ペットの健康相談プラットフォームの運営事業をリクルートから取得する予定になっています。これは、オンラインでいつでもペットの健康やしつけに関する相談ができるサービスになり、ペット保険とのシナジーも非常に高いと考えています。
一旦は、ドリームインキュベータの子会社を事業の受け皿として引き受けますが、金融庁からの承認が下り次第、アイペットホールディングスの子会社にする予定です。
ボードウォーク
ボードウォークについてですが、こちらは連結していないため、ドリームインキュベータのP/Lへの影響はありません。ボードウォークは電子チケットの会社のため、足元ではライブイベントの中止など、新型コロナウイルスの影響をかなり受けています。
スライドの左のグラフは会員数の伸びですが、新型コロナウイルスの影響で、今期は一時的に成長が頭打ちになっています。ただし、来年からはライブの再開が本格化する見込みのため、今はそこに向けてしっかりと準備を進めているところです。
足元では、ウィズコロナの対応ということで、ライブの楽しみ方の1つとして映像配信サービスの提供を開始しています。また、先日NHKにも取り上げていただきましたが、イベントの入場前に感染の疑いを検知できる健康管理アプリの提供を開始するなど、並行してウィズコロナへの対応も進めています。
ワークスタイルラボ
ワークスタイルラボについてですが、2018年8月に投資させていただき、そこからDX化の対応を含め、体制強化のための投資を実施してきました。2020年は成長トレンドに入ってきたところで、四半期粗利益は95.3パーセントの増加となっています。
新型コロナウイルスの影響による引き合いの減少で、成長が一部相殺されてしまっているところもありますが、拡大のための投資を引き続き実施して、しっかり成長させていきたいと考えています。
2)ビジネスプロデュース:概況
ビジネスプロデュースについてですが、先ほどご説明したとおり、第2四半期までの売上高は前年同期比でほぼ横ばい、利益は改善という状況です。ただし、大企業のお客さまは新型コロナウイルス対応を優先しており、将来に向けた新規事業マインドが一時的に冷え込んでいるお客さまも少しいらっしゃるため、その部分は新規プロジェクトの引き合いの減少に多少はつながっていくと見込んでいます。
また、アフターコロナレポートを公開させていただくなど、引き続きマーケティングの強化を行いつつ、あわせて大企業とのジョイントベンチャーを含めた、よりコミットの高い事業創造の関わり方にも取り組んでいきたいと考え、検討しています。
アフターコロナ関連活動強化
参考までですが、経営者向けに当社が執筆したコロナレポートを一般公開していますので、よろしければ、ぜひご一読いただければと思います。
3)ベンチャー投資:ポートフォリオと含み損益の状況
ベンチャー投資についてです。過去の比較的大きめな投資を回収したことで、簿価としては3月末から3億円ほど減っているかたちです。スライド右側に記載している未上場株のNAVですが、直近のファイナンスが行われたベンチャー投資先については、そのファイナンスの取引価格で株価を評価しています。それによる含み益を計算すると、10億円程度のプラスとなっています。
今期は新型コロナウイルスの影響でIPOがずれ込みましたが、来期以降、継続的に出てくると見込んでいます。
インド 投資先⼀覧(抜粋)
現在、ベンチャー投資はインドと日本を中心に行っていますが、スライドはインドの主な投資先を分野別にまとめたポートフォリオです。フィンテックやヘルステックなど、インドの社会的な課題解決に資する事業を中心に投資を行っています。
⽇本 投資先⼀覧(抜粋)
こちらのスライドは、日本のベンチャー投資先を分野別に区分したものとなっています。
DI = The Business Producing Company
ここからは、現在検討中の今後の方向性について、今お話しできることをお伝えできればと思います。
まず、今年度に策定したMission、Vision、Valueです。Missionの「社会を変える 事業を創る。」は、今回あらためて言語化したのですが、趣旨は創業から変わらないものになります。その目的のために、これまで戦略コンサルティングスキルをベースとした大企業の新規事業創造の支援、またベンチャーへの投資と経営支援を通じて、新しい事業や産業の育成に取り組んできました。
「遅れがち」と言われてきた社会の産業構造の変革が、新型コロナウイルスによっていよいよ加速しつつあります。その中で、このMissionをよりよく実現していくために、ドリームインキュベータはどう進化していくべきかについて、新体制で議論してきました。
⽬指すもの
これから世の中では、社会課題を乗り越え、社会を変革する事業を生み出すことがますます求められますが、それには枠を超えた大きな取り組みが不可欠になってきていると考えています。
しかし、大企業もベンチャーも、政府や自治体も、単独で主体になるのはなかなか難しいわけです。大企業は既存事業に引っ張られやすく、ベンチャーは大きな仕掛けを作るのがなかなか難しい。これが、我々がこれまでの事業創造支援を通じて持った問題意識です。
一方、ドリームインキュベータは、大企業への事業創造支援で培ったビジネスプロデュースの力と、ベンチャー支援で培った新しいビジネスへの投資、経営支援の力に加えて、事業創造という側面で、さまざまな方面との強い信頼関係を築いてきました。これらの強みを融合し、我々が事業創造の核となることで、社会課題の解決に資する事業の創造につなげていきたいと考えています。
そのためには、事業創造における「立ち上げの主体」となって、「枠を超えた事業創造」を推進し、その「拡大再生産」によってドリームインキュベータ自体の継続成長にもつなげていきたいと考えています。
⽬指す事業構造(概要)〜 今後詳細化
以上のお話を図にしたものがこちらです。大企業のアセット、ベンチャーのイノベーションを組み合わせることができれば、社会課題解決に資する事業がもっと生まれるはずだと考えています。
一方で、枠を超えて事業を創造できる主体がなかなかいないため、我々が主体となって事業を立ち上げるところをやらせていただき、いろいろなプレイヤーを巻き込んだり、大きな事業となる原型を創出していくイメージです。
我々が成長させるフェーズを終えたら売却して、さらに大きな事業創造に再投資していくという想定です。これらを仕組み化してエコシステムを構築していこうと考えています。
取組事例1:ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)
具体的な取組事例として、ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)の取り組みをご紹介します。スキームは少し複雑になるため、のちほどあらためてご説明しますが、政府や自治体、民間事業者、金融機関など、多くのプレイヤーと一緒に社会課題解決のための投資を実施していくという新しい取り組みになります。
この取り組みの中で、我々はこれまで培ってきた強みを生かし、1つ目に社会課題解決のためのモデルの構想やスキームの設計、2つ目に政府や自治体との調整、具体的な案件の創出、実行の推進、取りまとめ、そして3つ目に投資家等とのネットワークを生かした資金調達とその管理を担っていく役割を考えています。また、当事者として自らも出資します。
実際に、現在も日本政策投資銀行、豊田市、前橋市、その他の自治体とも具体的な取り組みの検討を進めているところです。
SIBの位置づけ
SIBの位置づけとスキームについてご説明します。スライド左側の四角のところですが、これまでの通常の自治体の投資は、運営主体もリスク主体も自治体でした。ここに民間を活用しようということで生まれたのが、「SIB活用事業」の下に記載している「Pay for Success(PFS)」という仕組みです。
PFSでは、事業者が最初からリスクをすべて負って、お金も全部出すのはなかなか難しいという問題がありました。そこで、銀行や投資家といった外部の資金提供者にも入ってもらい、その人たちにリスクを取ってもらうことで、事業者には事業に集中してもらうというかたちを実現するのがSIBです。
スライド右側のSIBスキームですが、行政が受益者に対して提供すべきサービスを事業者が代わりに行い、そのコストは金融機関等が出します。そして、成果が出たら行政がその成果を評価して、その報酬を、リスクを取ってくれた金融機関にお返しするかたちになります。
海外では社会課題解決に向けSIBの導⼊が進む
海外では10年くらい前から、社会課題解決に向けてSIBの導入が進んでいます。スライドの右側に、SIBがどういった社会課題に対して使われているのかを記載しています。いろいろな分野がありますが、まずは入りやすく、小規模でリスクも小さい分野が中心で、まだまだこれから広がりのある取り組みであると言えると思います。
⽇本では、より中⻑期的 × ⼤きな社会課題への適⽤が期待される
日本ではどのような分野への適用が期待されるのかを記載しています。例えば、介護予防の分野では、高齢者の社会参画を促進して健康寿命を延ばすことができれば、年間3兆円から4兆円の介護費削減の余地があると言われています。
介護予防での「企業の創意⼯夫」と「社会貢献」を結びつけるSIB活⽤案
介護予防での取り組み案をもう少し詳しい図にしています。スライド左上ですが、民間事業者の創意工夫で社会参画の促進を行います。元気高齢者に、趣味、スポーツ、ボランティア等、いろいろな取り組みの機会を提供させていただくことで、楽しく社会参画してもらいます。これを通じて社会参画履歴データを集計し、評価機関が評価して、それをもとに自治体から資金提供者に報酬が支払われる流れになります。
DIが取り組む理由
SIBを本格的に展開するためには、課題も多いのが現状です。先ほどの介護予防の例でお示ししたとおり、いろいろなタイプのプレイヤーが出てくる取り組みのため、巻き込みが必要だったり、前例がない中で「成功」の定義を事前に設計する必要があったり、自治体の中でも組織がまたがったり、持続的な仕組みに変えるためのビジネスモデルの設計が必要であったりと、かなり難しい取り組みが必要になります。
ただし、我々はこれらの課題をクリアするための力を、これまでのビジネスプロデュースで培ってきていると自負しています。その力を主体的に発揮して、この取り組みで社会を変える事業を作るべく、推進していきたいと考えています。
取組事例2:アジアインパクト投資ファンド組成検討
もう1つの取組事例として、アジアにおける新興国向けのインパクト投資ファンドの組成検討の状況をご紹介します。背景はご承知と思いますが、我々としても、より社会課題の解決に資する投資をグローバルで展開していきたいと考えています。
これまで、主にベトナム、インドでのビジネスプロデュースと投資の両方を行ってきましたが、今回の取り組みは、その両方の知見を融合して推進することになります。
具体的な取り組みについては、国際協力機構と連携して進めているところです。ビジネスプロデュースと投資の融合で、社会的成果と財務リターンの両方を追求していきたいと考えています。
新たに招聘した顧問
最後に、新たに招聘させていただいた顧問の方々のご紹介です。岡本さまの招聘については、本日リリースさせていただきました。お二人がこれまで培ってこられた知見やネットワークをドリームインキュベータで大いに発揮していただき、社会を変える事業創造のさらなる加速を目指していきたいと考えています。
以上で私からのご説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。
質疑応答:SIBにおける投資家のメリットについて
司会者:「『SIBは、投資家が資金リスクを取るスキーム』ということだと思いますが、投資家がお金を出すメリットはどこにあるのでしょうか?」というご質問をいただいています。
原田:現在の世の中では、SDGs等、社会の持続的な成長に資する投資に資金を回していくことは、この金融市場の大きな命題になっているかと思います。一方で「社会貢献だけすればよい」ということでもなく、フィナンシャルなリターンも出していくことも前提となります。
参画いただく、投資いただく投資家のみなさまは、社会課題に貢献することが大前提ですが、あわせて投資先としてフィナンシャルなリターンも追求できるようにということで、これらを両立できるようにスキームを設計しているところです。
質疑応答:ビジネスプロデュースの案件規模について
司会者:「ビジネスプロデュースが今後目指す事業構造が実現すると、この分野の案件規模は現在よりも大きくなるのでしょうか? 現在の大きな案件を数件から数十件進めることで売上が形成されるかたちになるのでしょうか?」というご質問をいただきました。
原田氏:ビジネスプロデュースは、先ほどご説明したような取り組みが実現していく中で、あまりたくさん同時に進めてしまうと分散してしまうため、最初は数を絞り、一つひとつ実現していきます。これが仕組みとして回っていくと、徐々に数が増えていくことになると思います。
そして、当社の成長戦略という観点に翻ると、徐々に成功事例が積み重なっていくことで、一つひとつの規模も徐々に大きくなっていくと考えています。あまりたくさんを同時に追求するというよりは、ある程度の数を絞り、その取り組みのスケールが徐々に大きくなるということを想定しています。
質疑応答:ワークスタイルラボの成長要因について
司会者:「ワークスタイルラボの2020年の成長要因はどういったものでしょうか? 今後も大きな成長が期待できるのでしょうか?」というご質問です。
原田:ワークスタイルラボは、2020年度は粗利が伸びています。お客さまのニーズに対してマッチングさせていくコンサルタントのスキルセットの適正化を図ったことで、適正な価格が請求できるようになり、粗利益が上がりました。お客さまのニーズをより適切に把握してマッチングを提供することで粗利益が上がっていると考えています。
原田氏よりごあいさつ
原田:以上をもちまして、2021年3月期の上期の決算概況のご説明と、今後の方向性についての現段階での検討状況のご報告を終了いたします。今後の成長の方向性については、さらに検討を進めていきますので、中身が詰まってきた際に、また株式市場のみなさまにはより詳しくご説明する機会を持たせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。