シンガポール航空では、2階建てエアバスA380型機内で機内食を提供するレストランを、シンガポールのチャンギ国際空港で10月24、25、31、11月1日の2週末のみの限定で始めたということです。

メニューや料金は4つのクラスによって異なります。スイートが642シンガポールドル(約5万円)、ビジネスが321シンガポールドル(約2万5,000円)、プレミアムエコノミーが96.3シンガポールドル(約7,500円)、エコノミーが53.5シンガポールドル(約4,000円)と、どちらかというと高級感を売りにしているようです。

実は、シンガポール航空では“Discover Your Singapore Airlines”という一連の体験プログラム(※5)を催し、これはその中の1つ、“Restaurant A380 @Changi”というイベントです。その他にも、ファーストクラス、ビジネスクラスの機内食を機内のみで使われる特別な豪華食器やアメニティととも宅配する“SIA@Home”も提供しているようです。

機内食だけでなく、同社のトレーニングセンターを見学したり、アクティビティに参加できる全年齢を対象としたイベント“Inside Singapore Airlines”も11月に予定。航空会社ならではの特権で、空港や機体をエンターテインメントの場として積極的に活用していこうという姿勢です。

JALやANA、台湾のスターラックス(星宇)航空などでは、同じ空港を発着する遊覧飛行イベントも人気を集めているようです。

今後、航空会社は飛行機を移動手段だけではなくエンターテインメントの場として様々な形で活躍させていくのではないでしょうか。また、機内食のオンライン販売も工夫次第では世界中の人が自宅にいながら世界の味を楽しめる、なんていうことも可能になるかもしれません。航空会社が苦境の中で見つけた活路は今後さらに展開が広がりそうです。

参考

(※1)The Economist “Asian airlines are selling in-flight meals directly to the public”
(※2)「JAL通販サイト、ビジネスクラスのチキンカレー販売 フードロス削減」Aviation Wire
(※3)「おうちで楽しむ、旅行気分!ANAの機内食レシピ紹介」ANA
(※4)「豪華機内食をスーパーで販売 フィンエアーのコロナ対策」Forbes JAPAN
(※5)SINGAPORE AIRLINES “Discover Your Singapore Airlines”

美紀 ブライト