また、さまざまなキャンペーンや割引をきっかけに実際にキャッシュレス決済を利用してみて、その支払いのスムーズさに好感を持った人も少なくないでしょう。

一方で、反対派の理由の1つである「セキュリティに不安があるから」という意見は、現在においてもキャッシュレス決済の大きな課題の1つと言えます。今年は前述のドコモ口座の不正引き出し問題があり、今後このような事件が増えてくれば、一転して反対派が増えてくる可能性もありそうです。

「現金利用」が減っている人は48.8%

2019年度調査では、直近2~3年間について現金の利用が「増えている」と回答した人が10.7%、「減っている」と回答した人が48.8%でした。

現金の利用が減った代わりに増えた支払い手段は、やはりクレジットカードや電子マネーです。クレジットカードは45.3%、電子マネーは37.3%の人は利用が「増えている」と回答しており、どちらも「減っている」と回答した人の割合を30.0ポイント以上引き離しています。

この結果からも、実際にこの数年間に支払い手段としてのキャッシュレス化が大きく進んだということが言えそうです。

お金に関する意識の変化

2017年度調査では、現金に関する意識について、「どこでもクレジットカード・電子マネーで決済できるなら、現金は持ち歩きたくない」と回答した人が40.2%、「それでも現金は持ち歩きたい」と回答した人が59.8%でした。

一方、2019年度調査では「持ち歩きたくない」が46.3%、「持ち歩きたい」が53.7%となっており、現金なしで生活したい人が増えてはいるものの、いざというときのために現金も持ち歩きたいという意識は今も強いことがわかります。