園内行事の縮小できょうだい間の格差も

6歳と3歳の子どもがいる筆者の友人Aは、コロナ禍における園内行事の縮小に頭を悩ませていました。それは、同じ保育園に通っているのに、きょうだい間で行事の有無に差が出てしまっているからです。年長組である6歳のお姉ちゃんは園内行事がありますが、3歳の弟はゼロ。夏以降はこうした状況に対して、弟がイヤイヤを発動しているというのです。

そこでAは「園内行事がない代わりに弟のためにおうち行事を作ってあげよう」と一念発起。お姉ちゃんが園内行事でAと出かける日には、弟は留守番をするのではなく父親と1日中遠くにドライブに行くようにしたのだそう。また、「この日までにこのダンスを覚えてお父さんの前で発表しよう」と、ダンスの練習とお披露目の場を作って園内行事の疑似体験をさせていました。

このような寄り添いをした結果、今では弟の「どうしてお姉ちゃんだけ!」というイヤイヤもなくなったそうです。行事の縮小によってきょうだいに差がついてしまう場合には、そのフォローも親がしてあげられることなのかもしれません。

意外と「かわいそう」だけでもない

園内行事がまったくないことで、筆者も当初は「かわいそうだ」と、とても不憫に思っていました。しかし、最近では少し考え方が変わってきたことも確かです。

筆者の子どもは遊び盛りの2歳なので、アスレチックのある公園やテーマパーク、ショッピングモールなどに連れて行きたいものの、今なお外出は避けています。そうした状況が半年以上続いていることで、子どもは保育園帰りのスーパーや最寄り駅で電車やエレベーターに乗るだけでも大はしゃぎするようになったのです。

さらにオンラインによる人とのつながりの楽しさも覚えた様子。感染拡大以降会えていない遠方に住む祖父母とは定期的にテレビ電話をしていますが、子どもはこのテレビ電話がとにかく大好き。電話が切れて祖父母の顔が見えなくなると、泣き出すほどになってしまいました。

我が家ではコロナ禍によって、スーパーに行くのもテレビ電話をするのも大きなイベントとなっています。親としては安上がりになって経済的にも助かりますが、なによりも子ども自身が遊園地やテーマパークに連れて行かなくても楽しそうなのです。