世帯主の年齢が65歳以上を超えるような高齢者世帯の場合、貯蓄はどのくらいあるのでしょうか。
今回は、貯蓄が2500万円を超える世帯の割合や、逆に貯蓄300万円以下の世帯の割合をご紹介します。
記事の後半では、貯蓄額に加えて貯蓄を増やす方法についても解説します。
1. 世帯主が「65歳以上」シニア世帯の貯蓄額はいくら?
2022年の家計調査報告(貯蓄・負債編)から、2人以上の世帯のうち「世帯主が65歳以上」の世帯についてチェックしていきます。
65歳以上の世帯の貯蓄額について、貯蓄2500万円以上の世帯は34.2%と約3分の1を占めています。一方で、貯蓄300万円未満の世帯は、14.4%となっています。
1.1 〈65歳以上の世帯の貯蓄額〉
- 300万円未満 :14.4%
- 300万円~2500万円:51.4%
- 2500万円以上 :34.2%
なお、世帯主が65歳未満の世帯では、貯蓄2500万円以上の世帯は、18.5%。
65歳以上の高齢者世帯は、65歳未満の世帯に比べて、貯蓄が多い世帯の割合が高いことがわかります。
2. 【65歳以上】平均貯蓄額と中央値:世代間の格差が拡大中
それでは、世帯主が65歳以上の世帯について、貯蓄の平均値と中央値を確認していきます。先に、平均値と中央値の言葉の違いについて解説します。
〈平均貯蓄額〉
全世帯の貯蓄の合計額を、世帯数で割った値
〈貯蓄の中央値〉
貯蓄「0」世帯を除いた世帯について貯蓄の低い方から順番に並べたときに、ちょうど中央に位置する値
平均貯蓄額の場合、たとえば、貯蓄額が並はずれに高い世帯が1世帯でもあれば、平均値が上がります。
一方、中央値を用いれば、全体の真ん中の値を知ることができます。
世帯主が65歳以上の世帯について、貯蓄の平均値と中央値は以下の通りとなっています。
2.1 〈65歳以上の世帯の貯蓄額〉
- 平均貯蓄額 :2414万円
- 貯蓄の中央値:1677万円
65歳以上の高齢者世帯では、貯蓄2500万円以上の世帯が約3分の1を占めており、さらに貯蓄が1億円以上あるような富裕者層もいます。
このような世帯が平均値を押し上げており、平均貯蓄額は2000万円を大きく超えていると考えられます。
一方、貯蓄がある世帯(貯蓄がゼロの世帯を除く)では、中央値が1677万円となっています。
次の章からは、世帯主が65歳以上の世帯において、貯蓄が少ない世帯に注目していきます。