逆転現象が起こるデメリットも?収入を増やしたら損をする?

では、共働きであることのデメリットはあるのでしょうか。共働きであるからこその収入バランスにも注視したいところです。

【思ったよりも貯蓄できていない】

先ほどのデータでもみられたように、共働きだからといって貯蓄が多いわけではないのが現実です。夫婦が同じくらいの収入を得ている世帯では、お金の使い方が独身時代とさほど変わらなかったり、相手が貯めているはずだと油断していたりして、お互いの収支を把握していないケースも見受けられます。いざというとき困らないよう、夫婦で将来の貯蓄目標や家計を共有しあうことが大切です。

【収入バランスによっては逆転現象も】

これは共働きだからこそ起こる現象ですが、扶養の境界線上では手取り収入の逆転現象がみられる場合があります。例えば、「夫900万円・妻100万円の世帯」と、「夫800万円・妻200万円」の世帯では、200万円稼いでいる妻が配偶者控除等の境界にかかるため、「夫800万円・妻200万円」の世帯の方が全体の手取り額が少なくなることがあります。

しかし、だからといって「働いたら損をする」というわけではありません。収入を増やせばもちろん段階的に控除額が減りますが、そのぶん世帯年収は確実に上がります。社会保険料の負担額によって目先の手取り額がマイナスになることもありますが、厚生年金に加入することで年金額が増えるといったメリットも忘れてはいけません。