大手人材サービス会社エン・ジャパン株式会社が2019年9月に発表した「1万人が回答!『退職のきっかけ』実態調査」によると、「転職を考えたことがある」という人は96%。理由として「人間関係が悪かった」と回答した人が35%いました。
では、会社の人間関係のこじれはどのように生まれるのでしょうか。今回は職場で迷惑に感じている行為について、働くアラサー世代の男女4人に話を聞いてみました。
悪いことは皆に触れ回り、いいことは横取りする先輩社員
「同じ部署の先輩には本当にコリゴリ。彼がいない環境で働きたいがために上司に異動希望を申し出た」と話すのは、金融機関で働く28歳のAさんです。
「他人のちょっとしたミスにはものすごく食いついて、『それ間違ってるよ』とか『そんなこともできないの?』とみんなの前で大きな声で言う。『オレ、がっかりだよ。いっぱい教えてあげたじゃん』と上司の前でわざわざ自分の失望を伝えたり…。その先輩は自分の同期のメンターだけど、同期が毎回泣きそうな顔をしているのは辛いし、聞いているだけでイライラしてしまう」と話します。
「他の部署にも言いふらしているみたいで、各所から『同期のあの子、ヤバいんだって?』と聞かれる始末。外面がいいから他部署の人は先輩のことをいい人だと思っているのが腹立たしい。『同期なんだからサポートしてあげなよ。先輩も相当悩んでいるみたいだよ、自分の教え方が悪いのかもって』と人事に言われたときには、怒りで体が沸騰するかと思った」のだそう。
「自責の念なんて感じる人ではないし、いつも人のせい。同期が頑張って作った資料の作成者がいつの間にかその先輩の名前に変わっていることもあるらしく、『オレたちはペアだから』と同期には言い訳しているらしい」と、強い怒りを感じている様子のAさん。
たしかにこういうタイプには、外面がよくて味方を増やすのがうまい人がいます。上司や他部署の人がそれに騙されてしまうのが何ともむなしいところです。
他人のアラ探しに夢中で仕事が手につかない上司
「うちの上司は他人のアラ探しに夢中で、ほとんど仕事をしていない」と話すのはメーカー勤務の30歳、Bさんです。
「人のメールを読み漁って、自分に関係ないメールでもよく首を突っ込んでいる。どうでもいいようなことも偉そうに指摘しているが、逆に『そんなこと、どうでもいいでしょ』と周囲から思われていることに気付いていないみたい。一斉送信メールでやりとりしているので、他部署からは『面倒くさい部長がいる部署』と思われている」と話します。
「資料の誤字脱字にもとてもうるさい。もちろんミスはダメだけれど、もっと本質的なアドバイスや指摘が欲しいと思って質問したり、助言を求めたりしても『そういうのは自分で考えてよ』『人に聞かなきゃわからないの?』とはぐらかす。なぜこの人が部長になれたのか謎すぎる…」とため息をついていました。
悪評を流して他人の評価を落とすことに必死な先輩社員
「ちょっとしたミスを100倍くらいに膨らませて話して、他人の評価を落とそうとする先輩と一緒に仕事をしている。もうメンタル的にキツい」と話すのは、ソフトウェア会社で働く28歳のCさんです。
「人の悪口ばかり言うので一緒に仕事をしていて疲れるし、他人の評判を落として相対的に自分をよく見せようとしているのか、同じ部署のほかの先輩の悪評を流す。一番怖いのが、それが意外と社内でもまかり通っていること。その先輩が流した悪評に影響される人もけっこういて、びっくりしてしまう」と話します。
「ミスをしたこっちも悪いけれど、ほかの先輩は小さなミスは後からこっそり指摘してくれるし、大きなミスは一緒に謝りに行ったり、上司への説明も一緒に来てくれる。でもその先輩は、後輩のミスには一切かかわらないというスタンスを貫いているばかりか、自分のミスをフォローしようとしている人たちのことまで悪く言い触らす。まさに恩をあだで返すという感じ」と憤りを隠せない様子でした。
他人の悪評を流して相対的に自分の評価を上げるという卑怯な手を使うタイプは、いつまで経っても実力が伴わないものですし、誰も近寄らなくなってしまうでしょう。それは自業自得ですが、そんな人と一緒に働く身にもなってほしいものです。
泣き落としで他人を貶めようとする同僚も
「令和になっても泣き落としをする女性社員っているんだと愕然としたし、それで態度を急変させる男性上司がいることにも驚きと嫌悪感を隠せない」と話すのは、IT企業で働く29歳のDさんです。
「顧客に迷惑をかけるミスをした女性社員。こちらもサポートしたり、顧客のフォローをしたりして結構迷惑を被ったのに、一切謝りもせず、ふてくされたように沈黙。取り返そうというそぶりも見せず、周囲のフォローでなんとか顧客が離れるの防ぐことができた」のだそう。
「それなのに本人はだんまり。上司に呼び出されていたので、同僚や先輩たちと『けっこう怒られたかな』と話していた。でも、その翌日から上司の態度が一変。『彼女も頑張っているから』とか『チームワークが大事』『お互い、持ちつ持たれつ』みたいなことを言い出してあ然とした」と話します。
上司と彼女が打ち合わせスペースで話しているのを偶然見かけた他部署の同期の話によると、彼女が泣きながら上司に何かを訴えかけていたのだそう。
「仕事のミスで泣くなとは言わないけれど、フォローに回った先輩や自分たちも上司から個別に呼び出されて『彼女にひどいことを言ったらしいじゃないか』と怒られた。ひどいことを言う暇なんてなく、それどころかサポートまでしたのに…。泣き落としのあげくに他人を貶めようとするなんてひどすぎる」と嘆いていました。
おわりに
仕事をしている中では、ときどき信じられないようなことが起こります。「そんなことをする人がいるんだ!」と、他人の行動に呆然とするケースもあるでしょう。こういう人たちとうまくやるのが難しいときには、距離を取るのも一つの方法です。人間性を疑ってしまうような人が巻き起こす悪い空気には巻き込まれないようにしたいものですね。
大塚 ちえ