収入とともに増える支出
それでは、1000万円家庭が「苦しい」と感じているのはどの部分なのでしょうか。今回、多くの方が口をそろえていたのが「教育に関するお金」でした。
「私の住む地区では、ある程度の年収が予想できるおうちのお子さんはみなさん中学から私立に通われる傾向にあるんです。私は田舎で育ったので、中学から私立に通うのは一部の勉強のできる子だけでした。
でも、都心に住んでいるとそうとばかりは限らないんだということを知りました。勉強のできる子は進学校、個性を伸ばしたい子は面倒見がいいと評判の学校を目指す。皆さんお子さんの特性に合った教育を早くから取り入れてあげようという姿勢があるんです。そんな話を聞いてしまうと『我が家も…』なんて気持ちになりますよね。だから我が家も子供と話し合って、息子の行きたい学校を目指すことにしたんです。
まずびっくりしたのが塾の費用です。『4年生からこんなにかかるの⁈』という驚き。うちは収入的に6年間私立の中高に通わせるだけの年収はあるだろうと思っていましたが、まさか入る以前からこんなにお金がかかるなんて。正直打撃だと思うこともありましたが『よりよい体験ができる機会があるのであれば経験させてあげたい』という気持ちが強く、通わせることにしました。
息子は運よく希望の私立の中学校に合格することができたのですが、学校に入ってまたビックリ。入学後も皆さん塾に通い続けていたり『ちょっとリッチな習い事』を当たり前にしているお子さんばかりだったんです」
「お金持ち」の多い環境に身を置いたことで「当たり前のようにもっとお金がかかった」。そういった循環が生まれることは確かに自然なことといえます。
知らなかった世界を知れたり、貴重な体験ができるのはとてもプラスなことですが、お金持ちと一言にいっても、中には桁が違う人がいる場合も。そういう人に合わせてすべてを得ようとするとお金は青天井ということを頭に入れておかないと、比較して苦しい気持ちになってしまうのかもしれません。