副業しやすい環境が広まりつつある中、感染リスクの少ない在宅の副業は魅力的です。PCを使ったタスクの仲介を中心とする同社のマッチング事業は、ウィズコロナの環境下でよりニーズが高まることが期待されます。

近年の業績と株価

同社の売上高は2017年9月期から2019年9月期にかけて29.3億円⇒66.3億円⇒87.5億円と推移し、20年9月期は第3四半期までが70.7億円で通期予想が85.5億円と成長が続いています。背景にはクラウドソーシング自体の認知度上昇に加え、クラウドワークスが展開したテレビCMの効果により同社サービスの利用者数が増えたことがあります。

営業利益の推移は2017年9月期から2019年9月期にかけて▲3億3,500万円⇒2,300万円⇒4,800万円で、20年9月期は第3四半期までが▲9,800万円に対し通期予想は▲5億円~▲6億円という範囲で公表されています。

同様に当期純利益は▲3億5,400万円⇒▲8,100万円⇒▲1億2,700万円と推移しており、20年9月期は第3四半期までが▲1億7,500万円で通期予想は公表されていません。このように、売上高は順調に伸びているものの利益面は芳しくありません。

同社はここ3年間、規模の拡大を狙って社員数を伸ばしながら積極的に広告宣伝を行った結果、人件費と広告費が増え続けています。2019年9月期は予想以上に売上高が伸びたため営業利益が黒字となりましたが、2020年9月期では中止したテレビCMに代わって展開したウェブ広告の費用がかさみ、赤字が見込まれています。

利益の赤字はシェア拡大を狙ったもので、当初の計画通りでしょう。自己資本比率も伸び続けてはいますが、株価の動きはシビアです。黒字が好材料となり2019年2月末に2,500円台を突破しましたが、その後は赤字の拡大と共に下落し続け、コロナショックでは1,000円を下回りました。やはり投資家は利益に注目するようです。