ソフトバンク、1Qは増収増益 テレワーク需要を受けて法人事業の営業利益は前年比11%増

2020年8月4日に行われた、ソフトバンク株式会社2021年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:ソフトバンク株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮内謙 氏

コンシューマ事業のデジタル化①

宮内謙氏:最初にお話ししようと思っているのが、ソフトバンクのデジタルシフトについてです。実は、私自身もこの3ヶ月間、7月まで含めると4ヶ月間、8割から9割はリモートワークをしていました。

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もともとソフトバンクは、デジタルシフトのことを常に語ってきた三十数年間で、「紙をなくす」ということに十数年前に取り組み始めましたが、そういった状況から考えても、この第1四半期というのは、本格的にデジタルシフトが進んだ3ヶ月でした。

この3ヶ月は、非常に重要な3ヶ月間だったと思っております。少しそのお話をさせていただいて、その後決算発表とにさせていただければと思います。

まず、コンシューマ事業は、営業のたくさんいる部隊です。量販店であったり、ショップであったりです。特に4月に緊急事態宣言が発令されてからは、約2ヶ月近く、やはり販売員の人命尊重ということもありまして、お店(の営業時間)は11時から16時(になりました)。本当は17時から19時頃が一番の繁忙時間なのですが、このようなかたちになりました。

なおかつコールセンターも半分にさせていただいて、お客さまにも大変ご迷惑おかけしたかもしれません。でも、その間に社内で一生懸命、いろいろなテストトライアルをしました。その結果として、従来の「対面・集合型」から「非対面・リモート型」への移行が、コンシューマの営業でもけっこうできるということがわかってきました。

コンシューマ事業のデジタル化②

ソフトバンクのコンシューマの営業部隊というのは、けっこう強くて、量販店のシェアなども非常に高いです。なぜかというと、いろいろなイベントをはじめ、販売に対するプロモーション力があるのです。

でも、残念ながら、4月から5月頭頃までは量販店の一部が閉鎖されたりしました。イベントは、6月に入ってから一気に数字が戻ってきています。それはなぜかというと、かたちを変えて、ここにありますように、メイン店舗でイベントをして、それをZoom等いろいろなものを使って配信しています。

コンシューマ事業のデジタル化③

旧来のイベントに加えて配信型のイベントを行うということで、お客さまとのコンタクト数が、むしろ6月、7月と増えてきているという実態があります。

法人事業のデジタル化①

次に、法人事業です。みなさんご存知のように、(従来は)まさに左側に書いてあるとおり、訪問して、面談して、そしていろいろな技術者も連れて行って、というような営業形態でした。

新しい形態は、ウェビナーやメールマーケティングでコンタクトして、オンライン商談して、そしていろいろな設定もリモートでできるものはどんどんリモートで進めていくというかたちになっています。

法人事業のデジタル化②

実は、これも4月頃の段階では、社内の会議で、既存のカスタマーについては「Webでもできるね」ということでしたが、新規のお客さんについては「改革が難しいんじゃないか?」と思っていました。

6月頃から、いよいよ本格的に我々のデジタルシフトのやり方がこなれてきまして、実は、6月から7月は商談の84パーセントがオンラインです。

コンタクトについても、従来は、新規改革というのはトントンと(扉を)叩いたり、電話をしていかなければならないと思っていたのですが、例えばマイクロソフトさんとうちの法人部隊で一緒にウェビナーを開催したところ、100人集めるところが1,000人くらい集まって、そこで新規顧客が見つかったりということになりました。

法人事業のデジタル化③

法人事業は営業が3,000万人くらいいるのですが、昨年は何件コンタクトしたかというと26万コンタクトです。それが、デジタル化によって今年は73万コンタクトになりました。まだまだ課題はありますが、デジタルシフトでやっていけるということがだいぶわかってきました。

デジタルワーカー4000プロジェクト

前々から「デジタルワーカー4000プロジェクト」ということで、40パーセントの人をシフトして、非通信に移動させると言っていまして、(取り組みを始めてから)約1年半近く経ってきました。

通信のところは、より構造改革を起こして非通信分野に移動するということで、この「デジタルワーカー4000プロジェクト」も、今は3,000人ですが、4,000人の目処が見えてきました。なぜかと言うと、RPAやAI、あるいはこういったBPRを変えたりすることによって、新しいデジタルシフトによる営業形態で、生産性を大きく高めることができます。

今、ソフトバンクの社員の出社比率は、本社では2割くらいです。あまりにもがらんどうのオフィスで、「賃貸料がもったいないな」とケチくさいことを思ったりもする時もあります。

たぶん今後もそういった働き方に変わるだろうと思います。5月の決算発表の時は、昨年度の決算についてお話しして、いくつか質問を受けた中で、「2020年度、本当に大丈夫ですか?」というような質問もありました。実は我々は、4月にコンティンジェンシープランを作って、相当厳しい状況になるだろうと思っていました。

ただ、いまからお話ししますが、実は第1四半期もわりとうまく乗り切ることができました。むしろ、これからまだまだコロナパンデミックといいますか、今も東京では第2波のようになっていますが、ワクチンが完全にできるまでまだまだ続くと思います。

そんな中でも、この3ヶ月間悪戦苦闘しながら、デジタル化によって事業をきちんと伸ばすことができるという自信が少し湧いてきたというところです。

売上高

それでは、3月期の第1四半期の連結業績をお話しします。売上高は、4月、5月頃の段階では、相当落ち込むだろうと思っていました。第1四半期、第2四半期は相当落ち込んで、第3四半期、第4四半期で一気に持ち返すというような計画でした。

しかしながら、我々の事業もだいぶダイバーシファイしてきましたので、増収を継続することができました。

売上高 セグメント別

セグメント別に見ますと、ここにありますように、先日ヤフーの川邊(健太郎氏)が発表したとおり、ヤフーも順調です。さらに、先ほど言いましたように、デジタルシフトの問い合わせが日本の上場企業、あるいは中堅企業から膨大に来ておりますから、法人も非常に順調です。

コンシューマは、販売店というのは人と接する場所ですから、4月、5月はグッと押さえ込むしかないと覚悟していましたので、その分の落ち込みはありましたが、6月になって一気に回復しているというのが実態です。

営業利益

営業利益は4パーセントの増益で、2,799億円になりました。

営業利益 セグメント別

セグメント別に見ますと、ヤフーは40パーセントの増益、法人も2桁の増益、さらにコンシューマも維持となりました。

調整後フリー・キャッシュ・フロー

コンティンジェンシープランも含めて僕らが考えたのは、「このコロナ禍というのは、続く可能性が高い」というふうに社内で議論しました。経営的には、やはりキャッシュ・フローを積み増さないといけないということを、特に藤原(和彦氏)が言っていました。

いろいろな取引の、まさに「流動化」をしたりして、営業フリー・キャッシュ・フローは去年に比べて49パーセント増。これからも何が起こるかわかりませんが、何が起こっても絶対安全な会社経営をしていくということを考えました。

純利益

純利益は、去年はサイバーリーズンの売却等、一過性のものがあったので落ちましたが、ほぼ横ばいということになっております。

計画対比 進捗率

結論として、計画対比で、5月に発表した4.9兆円の売上高、9,200億円の営業利益、そして純利益4,850億円に対して、それぞれ24パーセント、30パーセント、31パーセントの進捗ということで、順調に進捗しています。私がコミットした数字を達成していくことができると思っています。

コンシューマ事業 売上高

続きまして、事業別の概況をお話しします。まず、コンシューマ事業です。昨年から事業法の改正であったり、あるいはドコモさんの値下げ、楽天さんの参入等、いろいろありました。

端末の販売は4月、5月と少し落ちましたが、6月に回復しました。しかし、トータルでは少し押しておりまして、その分法人が端末販売で少し貢献しています。いずれにせよ、通信サービスとしては、この厳しい環境でも売上高は前年並を維持しています。

コンシューマ事業 営業利益

営業利益は、一過性の要因によって少しダウンしましたが、順調です。端末関連で120億円の減。そして、「おトク割」の1年割というものの会計の変更によって100億円。このあたりを除くと56億円の増ということで、年間通期で見るとコンシューマのも増益するだろうと思っております。

スマートフォン 累計契約数

スマートフォンの累計出荷数は、ここにありますとおり3つのブランドそれぞれが順調に伸びました。去年の第1四半期と比べると204万件の増です。ですから、全ブランドの純増は9パーセント増となります。

ブロードバンド 累計契約数

ブロードバンドは特に非常に順調で、9パーセント増となりました。やはりデジタルシフトによってリモートワークが増えることによって、ユーザーからの引き合いが大変多かったというのが実態です。

法人事業 売上高

続きまして、法人事業です。法人事業の売上は5パーセント増です。固定通信は少しずつシュリンクしていますが、ソリューションが非常に伸びており、ソリューション(のシェア)が実は3分の1近くまで来ています。

モバイルは、大変な引き上げが来ました。iPadあるいはその他のパッド類、そしてスマホというのは、業務端末として企業の中で必須になってきたと思っておりまして、非常に順調です。

法人事業 営業利益

営業利益についても、テレワーク需要だけではないのですが、やはりテレワーク需要が主因で11パーセントの増益ということになりました。

法人事業 テレワーク需要動向

法人事業のテレワーク需要とはどのようなものかと言うと、やはり我々のビジネスで一番大きいのはネットワークです。インターネットVPNアクセスについては、「VPNを増設したい」というお話が大企業からバンバン来ました。急に「リモートワークをやるぞ」となった時に、VPN接続が必要になります。

第4四半期というのは、法人のビジネスでは一番売れる時期で、年度末決算の時に一気に売れるのですが、それと比較しても倍近くになっています。

Zoomは、第4四半期の時は2月頃から一気に動き出しましたが、今はもうマスト商品です。大学をはじめ教育機関も然りですが、企業ではマスト商品で、私もこの3ヶ月から4ヶ月、リモートワークする時に、ほぼ毎日のように5件から6件はZoom会議をしています。以前会社にいた時よりも頻度が増えてしまったのではないかというほど、いろいろな人たちとミーティングができるという世界ですよね。

UniTalkというのはMicrosoft Teamsの一種で、会社の電話が自分のスマホにかかってくるというものですが、この需要がまた一気に来ました。この他にもたくさんありますが、いろいろな需要が(新たに)来たというのが法人事業です。

ヤフー事業 売上高

次に、子会社のヤフーです。ヤフーは15パーセントの増収です。メディアが相当厳しくなるんじゃないかと思っており、一部の第1四半期あたりの厳しいところは前回発表していると思いますが、実は底堅かったです。そして何よりも伸びたのは、eコマースです。

ヤフー事業 営業利益

営業利益はここに書いてあるとおりです。昨年、川邊チームは買収からなにから、いろいろなことに取り組みました。その結果として、非常に順調に伸びて、4割アップ。そして、eコマース全体でも21パーセント増ということで、非常に順調な第1四半期だったと思います。

ヤフー事業 eコマース取扱高

世間的には非常に厳しい環境でしたが、どんどんデジタル化が進んだということの証明ではないでしょうか。

「PayPay」 登録ユーザー数(累計)

PayPayについても、もう釈迦に説法で、みなさんもうご存知だと思いますが、6月末で3,000万人を突破しました。その後もどんどん伸びていっています。ターゲットはまだまだ大きく、日本の大半の方々にPayPayを使ってもらいたいと思っている次第です。

「PayPay」 決済回数(四半期累計)

何よりも、実際に決済回数が伸びました。とりわけ、コンビニエンスストアでは、コマースも然りですが、本当に定着してきました。まだ2年ほどの短い期間ですが、ユーザーに認められたブランドだと思っております。

2020年度第1四半期 連結業績

その結果として、先ほどお話ししましたように、売上高が1パーセント増、営業利益が4パーセント増、そして純利益がマイナス8パーセント。そしてフリー・キャッシュ・フローは49パーセント増ということで、これからいろいろなことが起こると思いますが、第1四半期としては、その基礎固めができたのではないかと思っています。

営業利益 1兆円企業へ

「営業利益1兆円企業になりたい」ということを、昨年5月に発表しております。本当はこの話を5月の決算発表の時にする予定だったのですが、あまりにも世の中がコロナの影響を受けていて、このようなパンデミックの状況でこの話をするのがよいのかどうかということで悩みました。それと同時に、実際にこの状況がずっと続いた場合に、我々の営業活動が停滞するのではないかという不安もありました。

ただ、先ほど冒頭で、なぜデジタルシフトのお話をしたかというと、実際はそんなに停滞しておらず、むしろ我々デジタル産業にとってはプラスだということを体で感じたからです。ですから、今日はみなさんにこの話をお話しさせていただければなと思っています。

2022年度 営業利益1兆円への道筋

「2022年度 営業利益1兆円への道筋」というタイトルにしました。できるだけ早く1兆円を達成したいわけですが、少なくとも2022年度にはこれを達成したいと考えています。

2022年度目標

一言で言うと、売上高を5.5兆円、営業利益を1兆円、純利益を5,300億円にします。ここで言ってしまったので大変なコミットをしたことになりますが、実は十分にやれる礎材ができたと私は思っています。

両輪の経営で企業価値の最大化を図る

私がソフトバンク株式会社の社長になったが2015年です。その時から思ってました。単純な話です。経営というのは、「常に成長戦略を描ききる」「常に構造改革する」、この2つしかないのではないかと。

そういう中で、成長戦略については、今までもいろいろ取り組んできましたが、5Gがやってくるということで、実際にスタートしています。KDDIさん、ドコモさんの発表もありましたが、僕らも数は大したことないです。でも、実はこの5Gは、コンシューマの部分がこの秋以降一気に動き出すと思います。そういう意味では、それ以降は法人の産業構造を変えるぐらいのパワーを持つと思います。これがまず「成長戦略」の1つです。

そして当然、5Gのネットワークが完全に日本中に繋がりますと、IoTの世界がやってくる、それと同時にeコマースも1つ次元が上がるかもしれません。今、中国あたりでライブコマースというのがヒットしています。eコマースの比率は、日本はまだ7パーセントか8パーセントほどです。中国が30パーセント近くだと思います。これがまだやってくる。

さらに、先ほどPayPayの話を少しさせていただいたのは、フィンテックが完璧にやってくる。そんな意味では、成長するものが我々のデジタルの社会においては山のように一気に開花しだすと私は思っている次第です。

一方で、構造改革も、コストダウンであったり、いろいろな働き方の改革であったり、そういうものをどんどんやる。そこにAIのテクノロジー、RPAのテクノロジーが追加されていきます。

以前から僕らが構造改革でどういうことをやってきたかというと、紙をやめるということです。紙をやめて、そしてクラウド化し、すべての情報をクラウドに載せるということに取り組んできました。これでも相当な効果があったのですが、ここにRPA、AIを使うと、また一段と構造改革がしやすくなるということがわかりました。そんな意味で、企業価値の最大化を図るよいチャンスだと……非常に厳しい逆境を転じることができるのではなかろうかと思っています。

成長戦略①

従来からこの絵を何度もお見せしていて、「またか」と思われるかもしれませんが……。ここにありますように、Yahoo!がコアの事業の通信です。これからデジタルシフトするのに、通信はマストです。その上にインターネットとしてのYahoo!、LINE。

そしてその上で、いろいろなかたちで新しい事業。とりわけ、今はPayPayであったり、フィンテックであったり、あるいはWeWorkであったり、いろいろなことをトライしてます。

でも、本当は5Gの本格的なネットワークがスタンドアローンになって、そして低遅延になって、そして多数接続ができるようになる……2021年末、2022年頃からでしょうか。ここからは、あらゆる産業に一気に入りだして、既存の企業とタイアップするなど、いろいろなことができるようになります。そんなことを、ビヨンドキャリアとして我々は示してきたつもりです。

営業利益1兆円へ

それがだいたい絵が描けてきたなというので、今日はこの発表をしている次第です。今日、みなさまにお話しする内容として、4つあります。

まず、「PayPayプラットフォーム戦略」。それと同時に、「スマホの拡大と法人のデジタル化戦略」。そして、先ほど構造改革で言いましたように、「徹底的なコスト効率化戦略」。要するに、コストの面で競合との差異化を図り、コストリーダーになるということです。これも、単にネゴシエーションしてコストを下げるのではなくて、構造的にITを駆使してコストを下げていくという話です。そして最後に、「財務コントロールと株主還元」。この4つについて簡単にお話ししたいと思います。

PayPayの強み

PayPayは、もうみなさん使っていただいていると思います。私も年がら年中使っています。この強みはなんといっても、短期間で3,000万人までのユーザーになったことと、一番大きいのは、実は対応店が一気に230万ヵ所まで増えたこと。

そして、あまり語られていないかもしれませんが、実を言うと週に1回くらいソフトウェアをアップデートしています。完全にコンテナ方式のアジャイルの開発システムで、これはATMのエンジニアが持ってきてくれたすごい宝物です。これによって、ユーザーからの意見があったらすぐに対応するということができています。

そして、ソフトバンクの持っている販売力です。昔から、Yahoo!BBの時も営業に力を入れましたが、その力と、ヤフーのインターネットの力。それとPayPay。こういうコンビネーションによって、一気にプラットフォーム化に走ることができたと思っています。

PayPayプラットフォーム戦略①

この事業は、「金融サービス」と、「モバイル化」をもっと普及すること、そしてこれをベースに「eコマース」をもっと普及すること……PayPayは、ある意味でユニバーサルサービスに近いです。我々のお客さんだけではなく、ドコモさん、KDDIさんのスマホのお客さんにも使っていただいています。いずれにせよ、そういった意味で、全体的に普及させる。

金融サービス①

「金融サービス」については、やはり一気に加速させる意味で、今までYahoo!でたくさんのサービスをやっていましたが、バラバラのサービスは少なくとも名称を統一化して今後進めていくということで、これはZホールディングス側ともっと話していかなければいけない内容です。

そして我々が、みずほさんとやってきた「One Tap BUY」も、PayPay証券にするというようなかたちで、まさに金融サービス全般を網羅していく。これからが、これをどう構築していくかという非常に重要なポイントになるわけです。

金融サービス②

少なくとも、このPayPayは、毎日コンビニで3回から4回使う、ある意味でスーパーアプリです。その上にいろいろなものを追加することによって、非常にイージーに認知されていく。ここが強みです。

モバイル①

一方モバイルも、我々、3ブランドを出して、ソフトバンクブランドも今非常に活況を呈しているのがスマホデビュープランです。それは1Gですが、1年目が980円で、2年目で1,980円と非常に安い値段です。「スマホデビューしましょう」ということで、ここに書いてあるように、いろいろな年齢層の方々、もうそれこそあらゆる人たち、小学生から年配まで……。

モバイルのバリューは何かというと、YouTubeやNetflixなど動画を観るといったこともありますし、最初はメールなどでした。でも、これからのモバイルの一番重要なポイントは、PayPayのような決済手段です。将来的には、例えばMMFのように、お金を預けて金利、収入を得るといったように、いろいろなものに広がる。昔から「1億スマホ時代が来る」と一生懸命何回も言っていますが、本当にこれで完璧に来るなということを確信している次第です。

モバイル②

そういうことで、モバイルの用途が、よりバリューがアップするということを、ここで見ていただければと思っています。

貯金・保険、資産運用、eコマースといったことが、我々の生活の中に、スマホで簡単にできる。こんなに便利なことはないはずです。これを実現したい。

eコマース

eコマースは、Zホールディングスが一生懸命Yahoo!ショッピングをやり、そしてLOHACO、ASKULも 、去年はいろいろ叩かれてましたが順調です。それからZOZOはもう一気に、先日はストップ高になるくらい成長しています。

また、PayPayモール、PayPayフリマもじわじわと成長しつつあります。そういう意味で、我々のeコマース、そしてPayPayを使っていただく……それ以外のeコマースもPayPayは使えますが、我々のeコマース全体を広げるということが、我々にとって非常に大きなことだと思っています。

PayPayプラットフォーム戦略②

そういう意味では、PayPayを軸にした「PayPayプラットフォーム戦略」です。このプラットフォームを作ることによって、トータルの我々のビヨンドキャリア戦略を完成していくということを申し上げたいと思います。

ソフトバンクのコア事業戦略①

そして次に、「スマホの拡大」です。これはもう今日来ていただいているみなさん詳しいと思います。やはりスマホです。スマートフォンをもっと拡大したい。もうあらゆる人がポケットに入れている、あらゆる人がポケットで決算できるという世界です。そして一方で、次に法人の世界もやってきます。

スマホ累計契約数①

まず2023年度までには、なんとかスマホ3,000万を目指したいと思っています。200万弱を続けると確実に3,000万円オーダーになるだろうと思います。

スマホ3,000万へ①

戦略は、もう前々から何も変わっておりません。ソフトバンクブランドの大容量のブランド。それからワイモバイル。非常に買いやすい、そしてまさにSNSだけでいい、ラインモバイル。この3つです。この3つをうまく活用して、今までマーケティングポジショニングがきちんとできてきました。

カニバっておかしくなるのではないかということは、もう消えました。お店も3,000店ありますが、そのうち1,800店がワイモバイルとソフトバンクの2ブランドの店になりました。ワイモバイルは根本的に、量販店で一部扱っているところはありますが、ほとんどはネットを通じた販売です。

そしてYahoo!とPayPayの連携で、以前「Yahoo!ショッピング」やPayPayを伸ばしたように、これからもやることによって、まさにこのアップグレード作戦と解約率低下ということが実現しています。

スマホ3,000万へ②

そして次に、冒頭で言いましたように、5Gの本格展開です。現在は、5Gははっきり言ってピンポイントでしか繋がっていません。それが今年度の3月には1万局になります。そして2022年度3月には少なくとも5万局。そして、人口カバレッジ90パーセントまで持っていく。

ですから、先ほど言いましたように、韓国は最初から一気に数が出たと聞いておりますし、中国はもう1億台とかなんとかすごい勢いですが、今後、晩秋から来年にかけて、(日本でも)「5G祭り」が始まり出すだろうと私は思っています。

スマホ累計契約数②

3,000万になった時に、6割方は5Gスマホになるだろうと(見込んでいます)。もっと行くかもしれませんが……。まだ発表はしてませんが、この秋頃から5Gの端末のローレンジ、ミッドレンジ、ハイレンジの3つのパターンが出てきます。現在の端末のハイエンドだけが来ているようでは、そんなにたくさんはなかなか出ないわけですが、いよいよ本格的になってくると、一気に4Gから5Gへという世界になると私は予測しています。

ソフトバンクのコア事業戦略②

「法人のデジタル化需要」は、おそらく今、リモートワークであったり、デジタル的な営業活動……デジタルマーケティング、デジタル営業できない会社は、たぶん数年後には淘汰されると思います。もうガラッと変わると思います。

法人 ソリューション等 売上高

今までうちの法人というのは、ネットワークを売っている会社でした。固定通信であり、モバイル通信であり、あるいはデータセンター。でも、今非常に大きく伸び出したのが、やはりクラウドです。クラウドが圧倒的に重要なんですよね。

みなさんも見ていただいてわかるとおり、世界中のデータセンターのマーケットキャップが上がっています。本当にびっくりするくらい。それこそ、エクイニクスも、DRIもみんな6兆円、7兆円、、それからGDSという中国の会社も1兆円といった感じになっています。なぜかというと、デジタルシフトすることによってデータセンターのハイパースケーラーに対して提供するようなデータセンターが爆発しているんです。 

アリババのダニエル・チャンも「クラウドだ!」ということを言っています。そこでIoTが始まり出し、そこにセキュリティの強化というふうに考えますと、ソリューションの事業というのは、2桁増収しながらどんどん伸びるだろうと思っています。

ソリューション等売上 2ケタ増収へ

特にデジタル化のソリューションがどんどん増えてきますし、今も本当に大変大忙しです。先ほど6月のコンタクト数が3桁くらいになったというのはそういうことなんです。みなさん、大企業は今必死です。そして中堅どころも「どうしようか」、小企業も「なんとかこれ、変えないとダメだな」と……。

お店が開けないから、DtoCでバンバンやろうとか、そういう動きも起こっているじゃないですか。そういったところで、企業のデジタル化、ソリューションを提供するというビジネス。

それから、本格的にはAI、IoT、5Gを使って……これはもう少し、あと1~2年かかると思います。完璧なオンライン医療、スマートシティ、スマート物流、スマートなサプライチェーン、このビジネスがこれから5Gを使って動き出す……そんな世界であると思っています。

成長戦略②

そんな中で今のことを整理しますと、今のコンシューマ事業は毎年増益していきます。法人事業も毎年2桁増益します。こういったことをコミットしつつ、ヤフー事業は増益基調です。

ヤフー事業/新領域

彼らが「2023年に2,250億円にします」とコミットしているわけですから、それは守ってもらおうということで……。eコマースもなんとか国内ナンバーワンに向けて頑張るということと、グループシナジーも上げていくということです。

そして新領域も、PayPayは膨大な赤字を出しているといろいろみなさんに言われていますが、これも赤字は間違いなくピークアウトします。

その他に我々が投資しているSBペイメントサービスは非常に順調です。あるいはサイバーリーズン、WeWork、OYOといった企業がすべて赤字ピークアウトしていくという絵が少し見えてきた次第です。

ソフトバンクのコスト戦略

次に、コスト効率化です。まず固定費はキープできます。いろいろな新しい事業を次から次へとやっていきますが、実は固定費は増えません。

コスト戦略1 固定費キープフラット①

実は、調べてみると固定費に1兆円も使っています。償却費なども大きいのですが、我々もこれぐらいの大きさの事業体になってきました。

コスト戦略1 固定費キープフラット②

今後、我々としては、1兆円のままで売上を5.5兆円にすると(考えています)。そのためには、成長に伴うコスト増が500億円……もっとかもしれませんが、これについては我々の知恵、あるいは我々のデジタル化力によって徹底的に構造改革をして、キープしたまま増収増益を狙っていくということを申し上げています。

コスト戦略1 固定費キープフラット③

特にこの件については、冒頭の(デジタルシフトの)話をなぜ入れたかという理由は、「わかってきた」ということを言いたいんです。デジタルシフトというのは、実は強烈に生産性を上げ、働き方をもう根こそぎ変える世界だったなと。それがニューノーマルなのかどうか知りませんが、いずれにせよ、ガラッと生産性を変えることができます。

さらに、ネットワークを効率化、最適化することにもどんどん取り組んでおります。我々が、競合であるKDDIさんと一緒に5Gのネットワークを特にローカルエリアを一気に作ろうと言っているのも、最適化するための活動でした。

コスト戦略2 グループシナジー

そんなようなことを進めながら、グループシナジーも、実はけっこう大きな金額で上がってきています。Zホールディングスと我々の共同購買ということで、ソフトバンクは、資材を買うといったことについては、5Gのネットワークの機器を買うとか、もう年がら年中やっている会社です。

この我々がやっている購買のやり方をZホールディングスに伝授しただけで、実は去年70億円ぐらいコストダウンしました。これはまだ1年すべてではないので、藤原くんの顔を見ると「まだまだいけます」という顔していると思います。

それから、グループカンパニーもいろいろあります。そのいろいろな企業をインハウス化することもできます。我々はペイメントサービスもそうですし、いろいろなサービスを持っています。ヤフーの中にエンジニアもいます。我々の中にもいます。この辺をできるだけインハウス化することによって、実はコストダウンもできます。

そして、「デジタルワーカー4000プロジェクト」も、確実なコストダウンと成長マーケットへの人の移動ということができるということがわかってきました。

ソフトバンクの財務戦略

最後に、財務コントロールと株主還元の件についてお話します。やはり世の中、中国とアメリカの国際政治的ないろいろな軋轢など、いろいろなことがあります。またCOVID-19のように、これからも起こるかもしれない感染症のパンデミックなど、常に何が起こるかわかりません。それこそ、先日も熊本の大災害がありました。

そんなことがいっぱいある中で、やはりフリー・キャッシュ・フロー をきちっと安定的に創出しておくことが、何があっても確実に企業がきちんとサバイバルできるものだろうと思います。

それと同時に、財務レバレッジ。我々はレバレッジをかけて、けっこうたくさんの借金もしてやってきていますが、それも改善していこうと(考えています)。そして、公開時から公約しております、安定的な還元政策というのをキープしていこうと思っている次第です。

1 フリー・キャッシュ・フローの安定的な創出①

そういう意味では、営業キャッシュフローは、ここに書いてあるように、順次安定的に上げていく。そして設備投資は、先ほど言いましたように5Gを5万局。本当は、将来はもっとたくさん作りたいのですが、それは今日は発表しませんけれども……。少なくとも2022年度までには5万局できているわけですが、それでも4,000億円でキャップをはめています。それ以上のコストを使わない。それでもできます。そういった設備投資の効率的な使い方、そして毎年配当を払った後の、まさに500~700億円の中から成長投資をします。

昨年、相当大きなやつが……ラインやヤフーが終わりましたから、そんなに大きな買い物はないのですが、そうではなくて、やはり「常に成長させる」という意味ではそういった投資をしていくということを考えています。

1 フリー・キャッシュ・フローの安定的な創出②

そして常にフリー・キャッシュ・フローの安定的な創出をする。調整後のフリー・キャッシュ・フローは、毎年、最低でも6,700億円超を上げていきます。

1 フリー・キャッシュ・フローの安定的な創出③

そしてこれによって、財務レバレッジの改善、さらには安定的な高還元をしていくということであります。

2 財務レバレッジの改善/3 安定的な高還元

そして財務レバレッジについては、2.4倍から徐々に(改善していきます)。ただし、今は非常に低金利政策の世界ですから、そういう意味ではうまく活用しながらも、やはり企業経営を安定させるという意味では、レバレッジを改善していきます。

また、株主の方々に、やはり総還元性向85パーセントはキープします。そして、減配はありません。配当も85円から86円に上げたように、少しずつ上げていけると私は思っています。ただし、配当以外に、余裕ができた時に自社株買いについても株主の方からいろいろな意見を頂いてますので、これについてもこれから検討していこうと思っている次第です。

まとめ 営業利益1兆円へ

2022年度は営業利益1兆円、そして総還元性向85パーセントをがんばって取り組んでいきたいなと思っています。

最後にもう1回、5.5兆円、1兆円、5,300億円。覚えやすい数字でございます。覚えていただいて、達成できなかったら総叩きにあいますから、なんとかがんばっていきたいと思います。よろしくお願いします。どうもありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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