2019年に金融庁の報告書で話題となった「老後資金2000万円問題」。まだ記憶に新しい人も多いでしょう。リタイヤ後のお金を考えたとき、まず「いくら必要なのか」を考えるのは自然なことです。さらに、「お金をどこに使いたいか」「今の貯蓄ペースで安心できそうか」をイメージすることは、心豊かな老後につながる一歩ではないかと考えます。

今回は、内閣府の資料をもとに、熟年世代のマネー意識をのぞいていきます。

熟年世代が「優先してお金を使いたいこと」って?

では、内閣府が発表した「令和元年(2019年)度 高齢者の経済生活に関する調査結果」より、シルバー世代の「お金意識」に関する調査結果をみていきます。まずは、「今後、優先的に使いたい支出項目」(複数回答)です。

《全体》

  • 趣味やレジャーの費用…40.4%
  • 食費…31.3%
  • 保健・医療関係の費用…20.5%
  • 子や孫のための支出(学費含む)…19.1%
  • 友人等との交際費…12.8%
  • 光熱水道費…11.5%
  • 家賃、住宅ローン等以外の住居費(住宅の新築・増改築・修繕の費用等)…10.9%
  • 交通費、自動車維持費等の費用…10.9%
  • 生命保険や損害保険などの保険料…6.7%
  • 通信・放送受信(携帯電話、インターネット等を含む)の費用…6.2%
  • 家具・家電の購入費…5.2%
  • 家賃、住宅ローン等…4.0%
  • その他…2.2%
  • 使いたくない…12.5%
  • 不明・無回答…12.5%
  • 優先的に使いたいものあり(計)…83.6%

また、同調査結果の詳細からは、男女間では大差がないものの、60代前半で5割を超えていた「趣味やレジャーの費用」の回答は、年齢があがるにつれて低くなる点が指摘されています。

また、最も多い項目は、男女ともに60 代前半~70 代後半では「趣味やレジャーの費用」だが、80 歳以上では「食費」・「保健・医療関係の費用」が「趣味やレジャーの費用」を上回る結果となっています。これは、体力的な問題や、健康状態とも多少は関係あるかもしれませんね。

では、次では回答者の「健康状態」「収入のある仕事の有無」「暮らし向き」「収入」ごとに、その割合にも触れておきます。