スギHD、物販部門での販売方法や売価の見直し等により売上総利益が15.3%増 2Qは増収増益

2020年9月29日に行われた、スギホールディングス株式会社2021年2月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:スギホールディングス株式会社 代表取締役 副社長 杉浦克典 氏

PROFILE

杉浦克典氏:スギホールディングス副社長の杉浦です。新型コロナウイルスの影響が継続しているため、動画にて今期2021年2月期上期の業績を説明いたします。

当社の事業概要です。1976年に愛知県西尾市で創業し、今年で創業44年を迎えます。2000年にナスダックへ上場、翌2001年に東証1部へ上場しました。その後、M&A、資本業務提携などを積極的に進め、事業領域を健康分野全般に広げています。主な事業内容は、調剤・ドラッグストア事業、訪問看護事業を行う事業子会社の経営です。

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スギ薬局グループの概要

店舗数の概要です。2020年8月末時点で、スギ薬局1,216店舗、ジャパン112店舗、訪問看護ステーション12拠点となりました。関東エリアでは、昨年、ジャパンをスギ薬局へ転換していますので、今後は関西エリアでスギ薬局への転換を進めていきます。

出退店の状況

上期の出退店の状況をお伝えします。コロナ禍においても予定どおりの出店を進め、64店舗の新規出店と11店舗の退店により53店舗の純増となり、8月末時点でグループ店舗数は1340店舗となりました。

エリア別に見ると、関東で15店舗、中部で9店舗、北陸で12店舗、関西で17店舗の純増です。下期以降は、56店舗の新規出店と9店舗の退店を見込んでいます。

連結決算概要

上期の決算概要です。売上高は、前年比14.8パーセント増収の3,025億円でした。コロナウイルスの影響により、感染予防を前提とした生活スタイルへと変化し、地域のお客さまや患者さまの生活を支える拠点として貢献できるよう、感染予防の対策を行いながら店舗運営を続けました。

事業別に見ると、スギ薬局事業で前年比16.3パーセント増の2,697億円、ジャパン事業では、1.9パーセント増の309億円と、ともに売上が増加しました。

処方箋枚数は、緊急事態宣言が解除されて以降、徐々に回復しつつあるものの、前期までのように二桁増の伸びとはならず、引き続きコロナウイルスの影響を受けました。しかし、物販部門での販売方法、売価の見直しや、高付加価値商品の販売強化を継続した結果、売上総利益は売上以上に伸長し、前年比15.3パーセント増で897億円、売上総利益率は前年に対してプラス0.2ポイントで29.7パーセントとなりました。

詳細は次のスライドで説明しますが、販売費および一般管理費は712億円で予算費98.3パーセント、販管費率は前年に対してマイナス0.3ポイントの23.6パーセントでコントロールすることができました。以上の結果、営業利益は前年比25.2パーセント増益の185億円、営業利益率は6.1パーセントとなりました。

連結販売費及び一般管理費の状況

販売費および一般管理費の詳細です。販売費は、デジタル販促の推進とコロナウイルス影響に伴う施策の見直しを行った結果、前年比15.8パーセント減の30億円となりました。

人件費は、積極的な出店に伴う採用やコロナ対応による店舗業務量の増加はあったものの、店舗本部の人員配置の適正化、働き方や業務の見直しを行い、前年比12.1パーセント増の359億円となりました。人件費率は前年に対してマイナス0.3ポイントの11.9パーセントとなりました。

一般管理費は、コロナ禍における研修や会議の見直し、コスト低減を進めていますが、出店数の増加に伴う賃借料や減価償却費等の増加、また、キャッシュレス比率の上昇に伴う手数料の増加により、前年比17.8パーセント増の323億円となりました。

販売費および一般管理費全体として、前年比13パーセント増の712億円、販管費率は23.6パーセントとなりました。

グループ既存店売上の状況

上期の営業概況です。まず既存店売上ですが、物販と調剤計で7.1パーセント増となりました。緊急事態宣言が出された4月をピークに大幅に客数が増加し、その後、長梅雨の影響を受けたものの、梅雨明け後の気温上昇もあり、既存店客数は12.2パーセントのプラスとなりました。

また、第1四半期には、コロナウイルスの影響により、来店頻度の高まりによる買い上げ点数の減少と食品需要の高まりから1品単価が低下しましたが、6月以降は緩やかに回復し、上期として客単価は4.6パーセントのマイナスとなりました。

調剤の既存店売上は6.8パーセント増となりました。6月以降、処方箋枚数は徐々に回復傾向ではありますが、コロナウイルスの影響を受け、医療機関への受診控えや処方日数の長期化により、処方箋枚数は前年を下回っています。その一方で、処方箋1枚当たり単価は10.5パーセント上昇したことで、既存店売上は6.8パーセント増となりました。

物販については、スギ薬局事業とジャパン事業の合算で、既存店売上は7.1パーセント増となりました。コロナウイルスの影響による渡航制限もあり、インバウンド需要は低迷していますが、マスクや衛生用品などの予防関連商品や住宅洗剤などの日用品、食品の需要が増え、売上が大きく伸長しました。

スギ薬局事業 商品部門別トレンド

スギ薬局事業の商品部門別トレンドです。ヘルスケア、ホームの売上が予算に対して大幅に増えました。感染症予防を前提とした生活にシフトしていますので、ヘルスケア、ホーム共に、マスクや住居洗剤、ウェットティッシュなど除菌商材の需要が増え、売上が伸長しました。

一方で、マスク着用が当たり前となり、ビューティではメイクを中心に影響を受けました。風邪薬等の医薬品の売上が伸び悩み、粗利益率では、ヘルスケアは予算に対してマイナス1.0ポイントとなりましたが、調剤、ホームが予算以上の粗利益率となった結果、全体として予算を上回りました。

今後も引き続き、取引条件の見直しによる値入の改善、店頭売価、販促施策の見直し、高付加価値商品の販売強化を継続していきます。

ジャパン事業 商品部門別トレンド

ジャパン事業では、予算対比でヘルスケア、ホームの売上が大きく伸長した一方で、売上構成の6割を占めるフーズで予算を下回り、売上予算にあと一歩届きませんでした。

利益率は店頭売価の見直しによって高まっており、結果的にジャパン全体の利益率の上昇に寄与しました。前年と比較してもプラス1.3ポイントとなり、スギ薬局事業同様、取引条件の見直しによる値入の改善や、店頭売価、販促施策を見直し、フーズ以外の部門でも前年を上回る実績となりました。

スギ薬局事業 既存店売上トレンド

スギ薬局事業の既存店売上のトレンドですが、当社の中核である調剤部門は、医療機関への受診控えや長期処方が継続する中、6.8パーセント増となりました。物販部門では、ホーム、フーズが二桁伸長し、ビューティを除く各部門で前年を上回りました。

客数は13.6パーセント増で、客単価は来店頻度の高まりによる買い上げ点数の減少と食品需要の高まりからマイナス5.5パーセントとなりました。その結果、全体で既存店売上は7.4パーセント増となりました。

スギ薬局の処方箋枚数と処方箋単価の推移

ここからは、当社グループの医療事業について説明します。まず調剤売上ですが、この上期は前年比12パーセント増の572億円と、創業以来、力を入れてきた調剤事業は二桁増で推移しています。

その大きな要因は、調剤実施店舗数の増加と患者さまへのより良い医療の橋渡しを行う医療機関併設店舗の出店、そして名古屋大学敷地内薬局による処方箋枚数の増加です。

緊急事態宣言が解除されて以降、処方箋の枚数は徐々に回復し、上期は前年比0.9パーセント増の484万枚となりました。処方箋単価は、処方の長期化や後発医薬品調剤体制加算などの技術料単価の改善と、高単価処方箋の応需により、前年比11パーセント増の11,820円となりました。

9月に施行された改正薬機法では、服薬期間中の患者フォローアップが義務化されるなど、今まで以上に地域の役に立てる機会が増えます。調剤業務の効率化や、アプリや新たなレセコンの導入などデジタルを活用した取り組みを進め、患者さまへのサービスを充実させていきます。

調剤 既存店売上伸率の推移

調剤売上の既存店前年比の推移です。地域の患者さまの健康を支援する中で患者さま本位のサービスを提供できるよう、調剤所内での業務効率を高め、患者さまとの接点を増やす取り組みを継続した結果、既存店前年比は6.8パーセント増となりました。

スギ薬局の在宅医療への取り組み

在宅医療については、2001年に開始して以来、徐々に対象を拡大し、この上期の売上は前年比13.4パーセント増の25億円と二桁増で伸長しました。地域医療を支える一員として、営業組織を強化し、対応する拠点を増やし、在宅患者さま向けのEC事業の拡充をすることで、利用者さまの生活支援に関わり、信頼関係を築けたことが二桁増の要因と考えています。

スギ薬局の地域医療への取り組み

在宅調剤の拠点は、全国516店舗と訪問看護ステーション12拠点で対応しています。地域包括ケアシステムを支える重要なインフラとして、今後もさらに拠点数を増やしていく計画です。

中期経営計画

ここからは、中期経営計画の進捗についてお伝えします。中期経営計画は大きく2つ、成長戦略と経営基盤強化を掲げていますので、それぞれについて上期の進捗と下期の主な取り組みを説明します。

中期経営計画の進捗-成長戦略-

まず成長戦略です。「営業力の強化」「顧客生涯価値経営の強化」「協働・共創の拡大」の3つで構成し、それぞれについて上期の進捗と下期の主な取り組みを簡単に説明します。

1つ目の「営業力の強化」です。既存領域の強化として創業より力を入れている調剤事業は、下期から今まで以上に調剤実施店舗数を増やし、シェア拡大を目指していきます。

また、地域の健康を支援するには、食に関するニーズに応える必要があり、多頻度来店型店舗を目指した店舗展開を進めています。コロナウイルスの影響もあり、フーズ部門の売上構成比は上がっています。

2つ目の「顧客生涯価値経営の強化」についてお伝えします。まず、トータルヘルスケア戦略の推進に関してですが、資本提携先のメドピアのかかりつけ薬局化支援アプリの係を導入し、患者さまへの服薬フォローとオンライン服薬指導を展開し、サービス拡充を図ります。

続いて、150万人もの膨大な検診データをもとに、一人ひとりの検診結果を分析し、生活習慣病の予防行動を促す生活習慣病レポートについてですが、健康保険組合を中心に拡大し、下期からは一部の店舗での展開を開始します。

次に「顧客生涯価値経営強化」の2点目、リアルとデジタルの融合による顧客生涯価値の向上についてお伝えします。デジタル戦略の中核となる「スギ薬局アプリ」は473万、歩行記録アプリの「スギサポwalk」は107万と、順調にダウンロード数を伸ばしています。また、お客さまの購買データなどの各種データを統合したデータベースの構築を進めており、下期からその一部を活用した施策を開始します。

成長戦略の最後に「協働・共創の拡大」についてお伝えします。この上期は、健康保険組合向けに、主治医と連携した生活習慣病の重症化予防プログラムを提供するプリベントと業務提携を結びました。今後は両社のノウハウを活用し、セルフケア領域の強化につなげていきます。

情報連携による価値連鎖プロセス全体の最適化ですが、上期から一部のメーカーや卸と販売計画を共用し、店舗での売場実現と販売強化により、売上と収益性の向上、無駄の削減を図る取り組みを開始しています。

中期経営計画の進捗-経営基盤強化-

続いて経営基盤の強化についてです。「経営のデジタル化の推進」「生産性の改善」「人財・組織の強化」の順に簡単に説明します。

1つ目の「経営のデジタル化の推進」についてですが、デジタル技術を活用した新たな顧客体験の提供では、YouTubeなどのSNSと、ID-POSデータを活用しお客さまの特性に合わせた商品を紹介する取り組みを進めています。

また、ビューティ事業のデジタルトランスフォーメーションとして、化粧品に関するカウンセリングの記録を記載しているお客さま台帳の電子化を進めています。これにより、お客さま一人ひとりの購買履歴に基づいた施策が可能となります。このほかに、セルフ需要の取り組みに向けInstagramを活用したSNSマーケティングを進めています。

次に、デジタル技術を活用した既存業務の最適化ですが、売り場での作業をサポートする新たな店頭端末を導入し、店舗業務の効率性を改善します。また、AIを活用したMD業務の最適化に向けた取り組みも開始しました。

2つ目の「生産性の改善」ですが、店舗では、曜日や時間帯別の人員配置の精緻化を図り、残業をしない働き方へのシフトを進めています。本部では、RPAなどの機械化やペーパーレス化の推進に加え、出張や会議の在り方を見直すことにより、少人数で事業展開できる体制を構築し、生産性の高い業務の実現に取り組んでいます。

最後に、3つ目の「人財・組織の強化」について説明します。店舗力強化に向けた人財の採用・教育について、調剤事業では、対人業務の強化に向けて前カウンセリングや服薬期間中の患者さまへのフォローの実施など、薬剤師業務のさらなる質的な向上を進めています。

また、次世代創出に向けた人材の採用と教育については、全社的なデジタルトランスフォーメーション推進に向け、メドピアなどの提携先に当社の若手社員を受け入れてもらい、そこでの経験とノウハウを蓄積できるよう戦略的な出向を進めています。

同時に、組織の統廃合、マルチタスク化の推進や「ムリ・ムダ・ムラ」の削減による本部人員数の削減を行い、生産性向上と新たな事業展開拡大に向けた、スリムかつフラットな組織の実現に努めてきました。

簡単ではありますが、中期経営計画の成長戦略と経営基盤強化について、上期の進捗と下期の主な取り組みを説明させていただきました。以上で、スギホールディングス上期決算説明を終了いたします。

記事提供:ログミーファイナンス

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