2020年7月17日に行われた、ユナイテッド・アーバン投資法人2020年5月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:ジャパン・リート・アドバイザーズ株式会社 代表取締役社長 臥雲敬昌 氏

新型コロナウイルス影響下における資産運用方針

臥雲敬昌氏:本日はご多忙の折、ユナイテッド・アーバン投資法人第33期決算をご覧いただきまして、誠にありがとうございます。ジャパン・リート・アドバイザーズの臥雲です。最初に、このたびの新型コロナウイルス感染症及び各地での豪雨災害によりお亡くなりになられた方々にお悔やみ申し上げるとともに、罹患された方、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。また、献身的な活動を続けていただいています医療従事者ならびに救急救命活動従事者のみなさま方に、心より感謝申し上げます。

それでは資料に沿って、新型コロナウイルスへの対応、第33期決算概要ならびに第34期、第35期業績予想、資産運用戦略をご説明します。3ページをご覧ください。新型コロナウイルスの感染拡大はいまだ収束が見えない状況ですが、その影響下においてはスライドの資産運用方針にしたがって業務を遂行していきます。

不動産運用では、新型コロナウイルス感染拡大の懸念が今後も続くことを前提に、各アセットタイプを取り巻く不動産マーケットへの影響及び経済活動の回復動向を注視しつつ、従来の資産運用方針を堅持して、機動的に収益拡大・コスト削減の機会を捉え、ポートフォリオの安定運用に注力していきます。

財務運営では、金融マーケット動向及び不動産運用状況を勘案して、当面は手元流動性、LTVコントロールによる借入余力を維持し、内部留保の活用、自己投資口取得は適宜検討する所存です。調達コスト低減に努めつつ、直接金融等の活用による調達先の分散を図ります。

緊急事態への対応としては、本資産運用会社に「新型コロナ対応チーム」を3月初旬に設置しました。迅速な情報共有及びさまざまな問題への対応方針決定を継続しています。

新型コロナウイルスの影響に起因するテナントからの各種要請に対しては、本投資法人の持続的成長が投資主価値の最大化に資するとの考えから、テナントの入居継続を支援しています。家賃支払いにかかる事業者等の資金繰りの支援に関する政府からの要請等を踏まえ、テナントの要請内容及び営業・財務状況を精査しながら、条件見直しを含めてテナントとの協議の上、個別に対応しています。

また、バリューチェーンにおけるパートナー企業との連携により、保有物件における感染拡大防止策の徹底及び管理体制、運用体制の整備を行っています。

不動産マーケットを取り巻く環境

4ページは不動産マーケットを取り巻く環境についてです。ご承知のとおり、日本では新型コロナウイルス感染拡大を受け、3月上旬以降、各国からの入国制限が行われ、4月7日に緊急事態宣言が7都道府県に発出、16日には対象が全国に拡大され、5月25日に解除されました。その後、段階的に外出自粛要請が緩和されているところですが、今月に入り1日当たりの新規感染者数は増加傾向となっており、予断を許さない状況です。

スライドの下段に当投資法人の実績、業績予想の前提となる2021年11月期(第36期)までの用途別に想定されるマクロ環境を示していますのでご確認ください。商業施設、ホテルは2020年後半から緩やかに回復に向かい、2021年中頃には通常営業が始まり、需要回復となる想定です。オフィスビルについては当面需給は安定して推移する見込みですが、2020年後半から2021年に向けて景気の動向によっては新規の需要やニーズに変化が出てくるものと想定しています。

1口当たり分配金への新型コロナウイルスの影響

5ページをご覧ください。これらの状況を踏まえ、今回ご説明する第33期実績、第34期、第35期業績予想における1口当たり分配金は、それぞれ3,470円、2,300円、3,100円を計画しています。このうち新型コロナウイルスの影響は、用途ごとにスライドのとおり想定しています。第33期実績は合計でマイナス524円、第34期予想はマイナス924円、第35期予想はマイナス239円を見込んでいます。

内訳は記載のとおりですが、緊急事態宣言等により休館した商業施設等の賃料減額、歩合賃料の消失、人の往来が途絶え売上が急落しているホテルの固定賃料の減額及び変動賃料の消失、オフィスビルや住居に付帯した商業施設、その他用途に分類される結婚式場の影響となっています。

第33期決算サマリー

8ページは第33期決算サマリーです。当期においてはこれまで同様、資産入替えによるポートフォリオの質的改善と収益性の向上を進め、新型コロナウイルス影響下のテナントへの緊急対応を行い、将来の減収リスクを分散する会計上の見積りを織り込むとともに内部留保を分配金に活用しました。

安定性と収益性を両立する9物件の272億5,000万円を厳選投資し、収益性の低下が見込まれる1物件を売却しました。取得物件では適正利回りを確保した上で築年数は加重平均10.8年と、売却物件に比べ大幅に築浅の物件を取得できました。

1口当たり分配金は3,470円で期初予想と同金額とし、期末現在の資産規模は6,615億円、物件数は129物件、ポートフォリオ償却後利回りは3.88パーセント、総資産LTVは41.7パーセント、内部留保は126億円となりました。

第33期1口当たり分配金(主な差異要因)

9ページをご覧ください。第33期1口当たり分配金について、第32期実績との主要な差異要因を示しています。前期内部留保剥落はマイナス29円、新規取得物件利益寄与はプラス136円、既存物件利益増減はプラス49円、売却物件利益消失はマイナス13円、売却益はプラス56円、販管費・営業外損益他はプラス4円、前述の新型コロナウイルスの影響はマイナス524円、内部留保取り崩しはプラス356円です。

第33期決算概要

10ページは第33期決算概要です。営業収益は235億6,500万円で、前期比マイナス11億600万円です。営業利益は106億2,200万円で、前期比マイナス9億4,300万円です。当期純利益は96億3,300万円で、前期比マイナス9億1,000万円です。一時差異等調整積立金7,700万円と任意積立金11億900万円を取り崩し、分配金総額は108億2,000万円で、1口当たり分配金は3,470円です。

第32期実績との差異要因は、新型コロナウイルスの対応でマイナス16億3,000万円です。内訳は休館物件とその他物件のテナントの減収が合わせてマイナス4億2,000万円、第34期減収リスクの一部を会計上の見積りとしてマイナス6億5,000万円、変動賃料のマイナス5億5,000万円です。

第34期・第35期1口当たり分配金予想(主な差異要因)

11ページは第34期、第35期1口当たり分配金予想と主な主要差異要因を示しています。第34期の1口当たり分配金予想は2,300円と大きく減配となりますが、第35期は3,100円と反転する予想を計画しています。

第33期実績と第34期予想の主な差異要因は、前期内部留保剥落がマイナス356円、新規取得物件利益寄与がプラス84円、既存物件利益増減がマイナス774円、売却物件利益消失がマイナス28円、売却益剥落がマイナス56円、販管費・営業外損益他がマイナス40円です。なお、新型コロナウイルスの影響は、第33期実績に対する差額としてはマイナス400円となります。

第34期予想と第35期予想の主要な差異要因は、新規取得物件利益寄与がプラス3円、既存物件利益増減がプラス783円、販管費・営業外損益他がプラス13円です。新型コロナウイルスの影響は、第34期予想に対する差額としてはプラス685円となります。

第34期・第35期業績予想

第34期の業績予想は12ページのとおりです。営業収益は219億1,800万円で、前期比マイナス16億4,700万円、営業利益は81億900万円で、前期比マイナス25億1,300万円、当期純利益は70億9,500万円で、前期比マイナス25億3,900万円です。また、一時差異等調整積立金の7,700万円を取り崩し、分配金総額は71億7,200万円、1口当たり分配金は2,300円です。

第33期実績との差異要因は、新型コロナウイルスの対応でマイナス12億5,000万円、第33期の一過性要因剥落等による収益減はマイナス4億円、テナント退去に伴う原状回復・区画形成等による修繕費増のマイナス4億6,000万円等を含む営業費用はマイナス8億7,000万円です。

第35期の業績予想は、営業収益が239億1,000万円で、前期比プラス19億9,200万円、営業利益が105億8,000万円で、前期比プラス24億7,000万円、当期純利益が95億8,900万円で、前期比プラス24億9,500万円です。また、一時差異等調整積立金の7,700万円を取り崩し、分配金総額は96億6,700万円、1口当たり分配金は3,100円です。第34期予想と第35期予想の主要差異要因は、スライド右下に記載のとおりです。

今後の取組み 〜コロナ禍において予想される変化を見据えて〜①

13ページをご覧ください。コロナ禍において予想される変化を見据えた分野ごとの今後の取組みを示しています。各分野における環境認識を踏まえた収益安定化・持続的成長を進める上でのポイントは、外部成長では当投資法人の従来からの投資方針を堅持し、多種多様な用途・地域の不動産を多様な手法を駆使しつつ、厳選して取得機会を検討することです。引き続き、ポートフォリオの質的改善及び収益力向上に資する物件売却及び資産入替えを検討します。

用途別では、商業施設は施設売上やテナント与信を十分精査して選別し、ホテルではマーケットの需要再興・回復時期と保有物件の運営状況の見極めに注力して、当面は投資を抑制する所存です。

内部成長では、商業施設はテナントの売上・営業状況の把握に努め、テナントリレーションを強化します。社会の変化、消費者動向に着目し、機動的なリーシングを実践します。

オフィスビルでは、既存テナントの契約更改、新規契約における賃料の引き上げ、省エネルギー設備への切替え等によるコスト削減を継続します。「日立ハイテクビルディング」は複数からの関心表明を受領しており、2021年5月までのリースアップを目指します。ホテルではオペレーターとの協働により最適な運営体制を構築し、新常態における新たな宿泊ニーズに対応した施設のあり方を検討します。

今後の取組み 〜コロナ禍において予想される変化を見据えて〜②

住居ではこれまでの対応を継続し、その他では「府中ビル」において賃借あるいは取得を希望する企業と諸条件の交渉・協議に注力していきます。

財務運営では、保守的な運営、強固な財務基盤に対する評価により資金調達に支障はなく、さらなる基盤強化のため直接金融等の活用を検討します。優良物件取得機会に対し、躊躇なく実現できるよう対応していきます。また、ESGでは、非財務課題を含む重要課題に継続的に取り組んでいく所存です。

新規取得物件 第33期①

資産運用戦略を外部成長からご説明します。17ページから19ページにわたり、第33期に取得した9物件の物件概要を示していますのでご確認ください。17ページの右側に記載の「パークアクシス赤塚」は、スポンサーの丸紅と三井不動産レジデンシャルが共同開発した、竣工から約1年半が経過した賃貸マンションです。

スポンサー共有持分45パーセントを当投資法人が、残りを日本アコモデーションファンド投資法人が同日で取得しており、当投資法人が他のリートと共同運用する初めての事例となりました。

東武東上線の下赤塚駅と東京メトロ有楽町線の地下鉄赤塚駅至近の交通及び生活利便性に優れた東京23区内の物件で、総戸数は156戸、1住戸当たり約25平米から30平米であり、単身向けとしてはゆとりある広さを備えています。また、浴室換気乾燥機、非接触型キー付きエレベーター、監視カメラ等、ハイスペックな設備が採用された物件です。1階はドラッグストア、クリーニング店、持ち帰りすし店がテナントとなっており、入居者の約4割が法人契約と、今後も高稼働が見込まれます。

新規取得物件 第33期②

スライド右側に記載の「千葉みなと物流センター(敷地)」は千葉市美浜区新港地区に所在する、約7,400坪のまとまった規模の底地物件です。同地区は生産財製品や消費財を取扱う施設を中心に、工場や物流施設等が集積するエリアであり、千葉市を含む周辺エリアの人口約200万人に対する配送ポテンシャルが高い立地でもあります。JR京葉線の千葉みなと駅の徒歩圏内に位置しており、従業員確保の観点からも優位性を有しています。

本物件は、テナント所有の物流倉庫及び飲食店の建物敷地として利用されており、今後テナントにより新たな物流倉庫が増築される予定です。想定NOI利回り、償却後利回りはともに4.8パーセントと算定しています。

新規取得物件 第33期③

スライド左側に記載の「ロジスティクス東扇島」は2014年に取得後、2016年2月に信託受益権の準共有持分49パーセントを譲渡し、高い不動産運用ノウハウを有する準共有者と共同運用していました。今般、準共有持分の売却にあたり、当投資法人が優先交渉権を行使して取得しました。共同運用を通じて、運用ノウハウの吸収及び本物件の資産価値向上を実現しています。その他の6物件を含め、いずれも適正利回りで安定稼働が見込まれる物件です。

売却物件 第33期・新規取得物件 第34期

20ページをご覧ください。優良物件の取得を進める一方、大阪府吹田市所在のオフィスビル「パシフィックマークス江坂」を3月末に譲渡価格100億2,200万円で売却しました。稼働は安定していましたが、築年数45年が経ち、既存不適格建築物、アスベスト含有部材等、将来的な費用増懸念を有していました。今般、有力な購入意向を得たため売却に至りました。売却益1億7,300万円を計上し、売却代金は物件取得資金に充当しました。

また2020年6月末には、スポンサーグループであるみずほ丸紅リースから「レッドウッド成田ディストリビューションセンター」の準共有持分50パーセントを23億4,500万円で取得しました。成田国際空港の貨物搬出入ゲート至近に位置する築浅物件で、成田国際空港では2028年度を目処に第三滑走路の供用開始が予定されています。

外部成長の軌跡

21ページのとおり、2020年上半期を終えて資産規模は6,638億円、物件数は130物件で、296億円の取得を進めると同時に96億円を売却し、着実な資産の入れ替えを進めることができました。

資産運用状況 【ホテル】①

内部成長です。23ページをご覧ください。コロナ禍の影響を受けるホテルですが、当投資法人のホテルは総客室数6,444室のうち、フルサービス型が3,548室、宿泊特化型が2,896室の構成となっています。

ホテルタイプ別共込賃料の実績および予想の推移を、第26期から第35期までバーチャートに示しています。第32期はトータル48億円を超過したのに対して、2020年3月から5月の約3ヶ月間がコロナ禍となった第33期は40億円を下回り、第34期は30億円近くまで低下すると想定しています。第35期に需要は回復する想定ですが、前半までは変動賃料は発生しない予想としています。

なお、参考に物件の地域分布と賃料体系別割合のパイチャートを掲載しました。当投資法人が保有するホテルは、首都圏、大阪圏、主要都心および沖縄に位置し、国内のビジネス、都市観光、沖縄所在のホテルはいずれもビジネス並びにリゾート滞在、島内周遊、市内観光等に適した物件となっています。

資産運用状況 【ホテル】②

スライド左下のRevPAR実績及び見通しのバーチャートをご覧ください。ピーク時の2017年の平均を100パーセントとして、第33期の4月と5月は15パーセント程度まで急落、第34期、第35期にかけて緩やかに需要が再興され回復に向かい、年末には60パーセント近く、2021年5月には75パーセント近くまで回復する予想としています。

当投資法人のホテルポートフォリオ全体の宿泊者構成は、オペレーターへのヒアリングに基づく2019年の実績で、62パーセントが国内客、38パーセントがインバウンドとなっています。年内は国内客の国内宿泊需要を喚起すべく、オペレーターと協働してホテル運営の安定化を目指していきます。

スライド右側に記載のとおり、観光庁集計の「旅行・観光消費動向調査(2019)」では、日本人と訪日外国人による旅行消費総額27.9兆円のうち、日本人による国内宿泊旅行・日帰り旅行、海外旅行で23.2兆円と全体の83パーセントにのぼります。実施が予定される「Go To キャンペーン」の需要喚起策等の効果も期待できることから、収益の回復と安定運用に取り組んでいく所存です。

資産運用状況 【商業】

25ページをご覧ください。ホテルと同様にコロナ禍の影響を受ける商業施設です。テナント業種構成は第32期から大きな変化はありませんが、総テナント数は325、月額共込賃料は固定賃料のみで約10億円です。

そのうち物販系が72パーセント、非物販系が28パーセントで構成されます。コロナ禍でも物販系の食料品、住生活用品、家電等の売上は堅調に推移しており、その他休業要請の対象となった業種もほとんどが営業を再開しています。

スライド右側に当投資法人のテナント営業状況を掲載しています。政府等による休業要請を受けて、当投資法人の判断により千葉県所在「モラージュ柏」、神奈川県所在「Luz湘南辻堂」、東京都所在「くるる」を休館し、期間中休業したテナントに対し一定程度の賃料減額に対応しました。

商業ポートフォリオにおける政府等の休業要請対象業種該当テナントの割合は、全体ではテナント数ベースで83パーセント、賃料ベースで48パーセント、休館した3施設の割合はテナント数ベースで43パーセント、賃料ベースで7パーセントとなっています。ご承知のとおり、レストラン・カフェ等の非物販系テナントおよびファッション系テナントにおいて売上が大幅減となっています。

第33期に休業の影響を大きく受けたテナントからの減額等要請に対して、原契約の条件変更等による将来の賃料収受を念頭に対応・協議を続けており、第34期の業績予想に一定の減収を想定しています。個々の状況は守秘義務等の観点から開示できないことをご理解ください。

なお、ホテル同様に実施が予定される「Go To キャンペーン」による消費喚起策等の効果も期待できることから、今後のテナント営業状況等を注視しながら安定運用に取り組んでいく所存です。

資産運用状況 【オフィス】

26ページをご覧ください。オフィスビルの賃料改定は第33期もしっかりと結果につなげて、新型コロナウイルス発生前に交渉が進んでいたテナントを中心に、契約更改・テナント入替えによる合算で前期実績を超える月額1,572万4,000円の増額に合意しました。

スライド左下の当投資法人のオフィスポートフォリオにおける賃料ギャップは、地方での増額改定や増額によるリテナントが進展したためやや低下しましたが、全体平均では13.1パーセントになりました。一方で第34期以降は、景気の動向によってはオフィス需要や既存の契約状況に変化を与える可能性があり、今後の動向を注意していきます。

LTV及び有利子負債コスト

財務運営です。28ページをご覧ください。LTVは総資産ベースで41.7パーセントと、物件取得等に活用できる機動的な借入余力を引き続き保持しています。

スライド左下ですが、第33期に調達した借入金の実質金利は0.46パーセント、借入(償還)期間は7.3年と、同期に返済した従前の条件と対比して期間をやや長期化しながら、低位な水準で50ベース程度の借換えを行っています。

スライド右下の返済・償還期限の分散状況のとおり、第39期までは借換え償還に伴う有利子負債、コストの低減は継続できる見込みと考えています。

内部留保の拡充と戦略的活用

30ページをご覧ください。内部留保の活用方針は従来どおりですが、スライド左下に記載のとおり、第33期において会計上の見積り(税会不一致)による将来の減収リスクへの備えを行うとともに、内部留保11億円を取り崩し、期初予想の1口当たり3,470円の分配を実施しました。

現時点において、新型コロナウイルスの収束時期、利益やキャッシュ・フローへの影響の程度を正確に予想することは困難であることから、第34期以降の予想分配金においては内部留保の取り崩しは想定せず、今後の状況に応じて判断していく所存です。なお、内部留保残高のうち「圧縮積立金」については取り崩し時に税務上の制約を受けるため、「配当準備積立金」に全額振替を実施しています。

ESGに関する取組み①

最後にESGに関する取り組みです。32ページをご覧ください。ESGに関するさまざまな課題の中、SDGs(持続可能な開発目標)の考え方に基づき、当投資法人では検討すべき課題を抽出し、特に取り組みを強化すべき課題を「重要課題(マテリアリティ)」として特定しています。それぞれに設定した行動計画・目標の成果をモニタリングし、毎年見直しを行っています。

ESGに関する取組み②

33ページの右上をご覧ください。第33期の環境に関する新たな取組みでは、「天神ルーチェ」と「天神ロフトビル」で、それぞれ地熱や水力によるクリーンエネルギーの100パーセント採用を決定しました。

社会活動においてはスライドの下段に記載のとおり、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する取り組みとして、記載のホテル6物件において軽症者、無症状患者、医療関係従事者等の宿泊療養施設として対象者の受入れを行っています。また、本資産運用会社は宿泊療養施設として利用されている一部のホテルに対し、ホテル関係者向けにマスクを支給する支援を行っています。

ご説明は以上となります。ユナイテッド・アーバン投資法人の持続的成長に向けて、本資産運用会社、全社一丸となり、バリューチェーンにおけるパートナー企業のみなさまと連携して取り組んでいく所存です。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。ご清聴、誠にありがとうございました。

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