2020年8月11日に行なわれた、日本電信電話株式会社2021年3月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:日本電信電話株式会社 代表取締役社長 澤田純 氏

2020年度第1四半期 連結決算の状況

澤田純氏:みなさま、こんにちは。今日はお忙しい中ご参加いただき、ありがとうございます。新型コロナウイルスの感染が拡大し、感染者数がかなり大きく増加しています。影響を受けている方々、また先月7月に豪雨において被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。

私から、簡潔に連結決算と業績予想についてお話をしたいと思います。資料の4ページをご覧ください。まず、第1四半期の連結決算の状況ですが、一言で言うと減収減益です。減益の幅は76億円と小さいですが、対前年5.1パーセントの収益減となりました。海外の減が大きく出ているため8パーセント減、国内は2.8パーセント減という状況です。

営業利益ですが、減収をさまざまなコスト削減でカバーしたため、先ほどお伝えしたように、対前年1.5パーセント減にとどめている状況です。この中で、新型コロナウイルスの影響ですが、収益で700億円、利益で100億円程度となりました。

2020年度第1四半期 セグメント別の状況

セグメント別に関しては、5ページに記載しています。まず移動通信事業セグメントは、先日のドコモの決算発表のとおりで、対前年で減収増益となりました。端末機器の収入減やローミング収入の減等々で通信サービス収入が減となり、これをコスト削減で補ったため、対前年で増益です。

地域通信事業セグメントをご覧ください。上段が営業収益で、下段が営業利益です。新型コロナウイルスの影響で、音声収入に加え病院収入も大きく減少しています。さらに費用側では、固定資産の除却損がやや増えている部分があることに加え、新型コロナウイルス感染防止対策での環境整備費もかかり、結果的に対前年で減益という構造です。

長距離・国際通信事業セグメントですが、為替影響と新型コロナウイルスの影響もありました。その結果、減収ではありますが、施策を凍結したことや、前年度に実施した構造改革の効果もあり、対前年で増益という構造になっています。

データ通信事業セグメントは先般発表しましたが、増収減益です。これはほぼ新型コロナウイルスの影響であり、対前年で減益という構造です。

その他の事業には建築関係の、いわゆるアーバンソリューションズがあります。これも新型コロナウイルスの影響は出ているのですが、連結拡大をした影響もあり、増収になっています。利益はほぼ昨年と同水準という構造です。

2020年度 業績予想の骨子

2020年度の業績予想についてですが、まず、このページで骨子を述べています。新型コロナウイルスの流行により、営業収益で3,500億円、営業利益で700億円が大きく影響すると予想しています。どのようなかたちでこの影響が出ると予想を立てたかというと、国内は再度の緊急事態宣言等の発令はないだろうと考え、5月の緊急事態宣言解除以降、徐々に経済活動が回復していくと見立てを立てています。

海外も同様ではあるのですが、経済活動の回復は国によってかなりばらつきがあるものの、欧米を中心に日本国内よりは緩やかになるのではないかという見立てで、今回の予想を出しています。

その結果、営業収益は約4,000億円で減収計画です。一方で、営業利益、当期利益は約800億円規模の設備投資の削減、それから1,000億円規模のコスト削減でカバーし、対前年で増益という見込みを立てています。

2020年度 業績予想の概要

数字で述べますと、まず11兆5,000億円、対前年度から約4,000億円の減収ですが、新型コロナウイルスによる3,500億円の影響のうち、国内が1,800億円、海外が1,700億円と、どちらもほぼ同じ状況になっています。営業利益は278億円伸ばし、1兆5,900億円ですが、国内のほうが影響が大きい状況です。当期利益も若干増で、EPSは現時点では本当に少しの増という状況になっています。

2020年度 業績予想の概要(各社別)

各社別に業績予想がどのようになっているかを取りまとめたものです。横で見ていただくと、左が営業収益側、右が営業利益側です。ドコモは先般発表したとおり減収増益です。

東西が特徴的で、いずれも対前年で増収増益の計画を見込んでいます。西日本はとくに会社設立以来、初めての増収増益となります。東日本の場合は2010年度以来の増収増益です。「光」純増が非常に好調であることと、コスト削減に基づくものです。また、子会社の増等もあり、このような状況となっています。

長距離・国際セグメントは去年に再編を行っていますので、前年対比ができないことから、セグメントの状況を挙げています。構造改革による効果で増益に戻っていく見立てを立てており、減収増益です。

NTTデータは先般の発表のとおりで、減収減益です。新型コロナウイルスの影響と構造改革をアメリカでも行うことがあり、とくに収益側は1988年の設立以来、この時点では初めての減収計画という状況となっています。

アーバンソリューションズは増収減益です。連結拡大の影響で収益側がプラスですが、やや利益側は潜った状況になっています。

新型コロナウイルスに対する主な取組み(1/3)

次に、トピックスになります。リモートワーク中心の働き方に変えていき、制度変更も10月より行いたいと思います。

新型コロナウイルスに対する主な取組み(2/3)

また、リモートワールドというアフターコロナの世界を展望し、いろいろな働き方に変えていくサポートを行うサービスを出していきたいと思っています。そこで、7つのサービスを出そうと考えています。

とくに、安全で機能もあり、他社よりも競争力のある、オンラインのWeb会議やビジネスチャット、自治体業務の自動化ツール、研究所の技術でガラス越しの会話をピックアップできるサービスなどを出していこうと考えています。

中期経営戦略の進捗について

中期経営戦略の進捗状況をまとめています。ポイントとしては、6月末時点で5Gを最低1アンテナ、全都道府県に導入しました。また、グループは初めてですが、ESGでグリーンボンドの発行を行っています。残りの資料は、各自でご覧いただければと思います。私からの説明は以上でございます。

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