家政婦(夫)(『私の家政夫ナギサさん』)
生活力ゼロの家事が苦手なバリキャリ女性宅にやってきたおじさん家政夫…という設定が斬新だった「わたナギ」こと『私の家政夫ナギサさん』。多部未華子さん扮するメイがなんとも可愛いと評判になり、回を重ねるごとに視聴率が伸びていたのは記憶に新しいところです。
こちらのドラマでは、主人公のお給料(職業:製薬会社のMR)のほうも気になるところですが、今回はタイトルにもなっている家政婦(夫)のほうに注目してみましょう。
ただ、残念ながら、「家政婦(夫)」というくくりでの、給与額の統計データはありませんので、ここでは、内閣府経済社会総合研究所が、2019年に公表した「無償労働の貨幣評価」(※)の結果を参考に考えてみることにします。
※内閣府経済社会総合研究所「無償労働の貨幣評価」
育児や炊事など、家計内で行われる無償労働の貨幣価値を求めるための研究報告。
こちらの報告書内では、いくつかの方法で家事労働を評価しています。このうち、代替費用法(ジェネラリスト法)(RC-G 法)で用いられている時給1090円(※)が、家政婦(夫)の給料を考える上での参考になりそうです。
※代替費用法(ジェネラリスト法)(RC-G 法)
社団法人日本臨床看護家政協会が平成 8 年 12 月末に実施した一般在宅勤務者(家事援助サービス)の賃金実態調査の結果(1996 年:880 円/時間)をベースに、その後の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」の「その他の生活関連サービス業」の賃金率の伸び率で延長した。(1090円は2016年の金額)
この方法で計算すると、月160時間(8時間/日×20日)働いたとして、17万4,400円。
単純に12を掛けると、年収は209万2,800円ということになります。
ただ、国税庁の『民間給与実態統計調査(平成30年)』では、家政婦(夫)は、「サービス業」に分類されています。先ほどの「銀行員」のところで紹介した表によれば、サービス業の平均給与額は363万3000円ですから、実際のところは、もう少し高めの金額かもしれませんね。
【参考】
『私の家政夫ナギサさん』ドラマ公式HP TBS
『無償労働の貨幣評価』 内閣府経済社会総合研究所