「青春返して」孤独すぎる高校生活のスタート
【Jくん(男性):高校1年生 16歳】
「こんなはずじゃなかった…」と思い返すのは高校1年生のJくん。
「例の一斉休校が始まったのは、中学生活の終盤。クラスメイトの中にはまだ進路が決まってなかった子もいる時期でした。部活の送別会やお別れ遠足といった、思い出作りのためのイベントは全て中止になりました」
と悔しそうに語ります。
「唯一の思い出作りは、卒業式前日に校庭に集まって、卒業アルバムに寄せ書きをしあったことかな…」
高校中退も考えた
「出身中学から今の私立高校に進んだのは自分一人だけ。比較的小規模の学校だけど、部活や生徒会活動を通じて、『密』な友人関係がつくれるだろうな、って入学前はとても楽しみでした。
でも、実際は違った。全部コロナのせいです」
と悔しそうに振り返ります。
「公立高校って、同じ中学からの出身者が多く集まるじゃないですか。地元の塾で一緒だった、幼稚園が同じだった、みたいな知り合い同士も結構いる。だから、入学前からLINEの学年グループができちゃってるケースが多くて…」
中学時代の仲間たちは、新しい世界で楽しそうにやっている。自分ひとりだけ置いてきぼりにされた気分だったのだ、とJくんはいいます。
「学校から送られてきた課題をこなすだけの孤独な高校生活。これがずっと続くなら、いっそのこと学校辞めちゃおうかな、って思って。親にナイショで高卒認定試験の願書を入手してた時期もありました」
Jくんの学校は「対面授業」のスタート非常に慎重だったといいます。夏までは単位に直結する必修授業以外はほぼカット。週2,3日登校という状態が続き、部活が始まったのは9月に入ってからだったそう。
「秋になってようやく友達との交流も増えたけれど…運動会、文化祭、スキー合宿といった行事はもちろん中止。
一番悲しかったのは、高校生活で一番楽しみにしていたヨーロッパ研修旅行まで白紙になってしまったこと。
高校生活に期待していたことの大半を、コロナに奪われてしまった…。青春返してほしいです」