コロナ禍で見つめなおす「エッセンシャルワーカーの労働環境」
さて、再就職が容易であるということは、一見「安定性のある仕事」のようにも思えます。しかし、そこは違うのではないか?というのが、当事者としての本音です。
労働環境が悪く定着率が低い。賃金が低い。人気がない。
はたらく側にとってマイナス面が大きいからこそ、再就職のハードルも低いのではないか?(他の業種に関しては専門ではないので言及しませんが、医療業界においてはそれがあると感じます)
改善されない過酷な労働環境、人員不足は都度補充で解決。
そうした積み重ねが今回の非常事態の中で浮き彫りになっているわけです。
筆者自身、環境改善の努力をせずいったん現場から去った経験があります。国や看護協会、そして個々の医療機関に非があるとは言えない立場かな、と思っています。
とはいえ、医療現場はもはや崩壊寸前といえるフェーズに直面しています。
人々の生活に欠かすことができない仕事に従事する医療従事者を含めた「エッセンシャルワーカー」と呼ばれる、生活に欠かすことができない職種に従事する人々。
その、労働環境、業務改善をしっかりと考えていける社会が実現することを願っています。
参考資料
- 47NEWS『医師・看護師30人、次々離職 苦渋の決断、コロナ専門病院の「副作用」』
- 日本医療労働組合連合会『2017年度看護職員の労働実態調査結果(概要)』
- 日本看護協会『2019年 病院看護実態調査』
- 大阪府医療機関情報システム『大阪市立十三市民病院』
- 文部科学省『2019年度 看護系大学に係る基礎データ』
- LIMO『大学の看護学部新設ラッシュ、看護師数がそんなに増えて大丈夫?』
村松 拓