国民年金基金
国民年金基金は国民年金の第1号被保険者で保険料を納付している人が加入できる公的制度で、国民年金に上乗せした年金がもらえる仕組みです。ただし、保険料の支払いを免除されている人は加入できません。
掛け金の上限金額は月額6万8,000円です。上限まで何口でも加入できますが、1口目は終身年金A型(保証期間15年)またはB型(保証期間なし)のどちらかを選ぶ必要があります。
付加年金
付加年金とは、国民年金の保険料に毎月400円加算することで、将来もらえる年金額を増やせる制度です。加算される金額は、200円×納付月によって決まります。たとえば、40年間付加年金を納めた場合は、200円×480月=9万6,000円が毎年の年金額に加算されます。
こちらも、保険料の支払いを免除されている人および国民年金基金の加入者は利用できません。
個人型確定拠出年金「iDeCo」
iDeCoは個人で作る私的年金で、老後資金を資産運用で形成する仕組みです。自分で決めた金額を毎月拠出して、選んだ金融商品を自ら運用します。iDeCoの最大のメリットは税制上の優遇が受けられることです。掛け金は全額所得控除の対象になり、運用益は非課税です。60歳でお金を引き出す際には、退職所得控除や公的年金等控除が利用できます。
iDeCoは資産運用の手法なので、商品によっては元本割れを起こす可能性があります。
小規模企業共済
小規模企業共済は国の中小機構が運営する仕組みで、小規模企業や個人事業主を対象とした積み立てによる退職金制度です。掛け金は所得控除の対象となり、6カ月以上積み立てた後に廃業すると共済金が受け取れます。
ただし、12カ月未満の利用では掛け捨て扱いになり、加入期間20年未満では元本割れすることに注意が必要です。また、廃業時に受け取る共済金は課税対象となります。
ギグワーカーやフリーランスが将来に備えるために
国民年金の保険料で、免除や納付猶予、学生納付特例の承認を受けた期間がある人は、後から保険料を納付する”追納”が利用できます。管轄の年金事務所に申請して認められれば、承認された月の前10年以内に限って保険料を納付できるため、将来もらえる年金が多くなる可能性があります。
ギグワーカーやフリーランスの魅力は企業に縛られない自由さですが、老後の生活を安心して過ごすためには、利用できる制度やサービスを賢く活用して、自分で備えをしていくことを検討してみてください。
参考
「老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法」日本年金機構
「平成30年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」厚生労働省
「平成29年国民年金被保険者実態調査結果の概要」厚生労働省
「令和元年度生活保障に関する調査(速報版)」生活保険文化センター
「掛金について」国民年金基金
「加入条件・資格」国民年金基金
「付加保険料の納付のご案内」日本年金機構
「iDeCo(イデコ)の特徴」iDeCo公式サイト
「小規模企業共済」中小機構
LIMO編集部