日本プロロジスリート投資法人、5月期のNOIは180億8,600万円 予想を上回る着地で堅調

2020年7月日22に行なわれた、日本プロロジスリート投資法人2020年5月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:プロロジス・リート・マネジメント株式会社 代表取締役社長 坂下雅弘 氏

第15期運用ハイライト

坂下雅弘氏:プロロジス・リート・マネジメントの坂下でございます。本日は、日本プロロジスリート投資法人第15期、2020年5月期決算説明会にご参加いただき誠にありがとうございます。では早速ご説明に入ります。

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資料の3ページをご覧ください。当期の運用ハイライトについて6点挙げました。全体を俯瞰しますと、本投資法人は新型コロナウイルス感染症問題が発生拡大した第15期(2020年5月期)においても着実な外部成長を実現し、堅調な運営実績を残すとともに、健全な財務状況を引き続き維持しています。

直近では、4月末にプロロジスパーク岩沼で火災があり、みなさまには大変なご心配、ご迷惑をお掛けしましたが、幸いにも人的被害はなく、現在復興に向けた作業を進めています。それでは、こちらの運用ハイライトの項目ごとにご説明を進めます。

①第9回公募増資により3物件593億円を新規取得

1つ目は外部成長についてです。4ページをご覧ください。本投資法人は、本年2月に第9回目となる公募増資を実施し、スポンサーパイプラインからご覧の3物件を593億円、平均NOI利回り4.5パーセントで取得しました。この増資と物件取得を通じ、本投資法人は2013年2月の上場以来7年で資産規模が7,000億円に到達し、投資物の時価総額も7,000億円を超える規模となりました。その後も投資物価格が堅調に推移していることから、現状時価総額は8,000億円超となっています。

①第9回公募増資により3物件593億円を新規取得(2)

次の5ページには、公募増資の効果をお示ししています。本件においては、LTV水準を維持したまま、一時効果調整後の1口当たり分配金が約5パーセント上昇しました。おかげさまでマーケットでも非常に高い評価をいただき、旺盛な需要を獲得することができました。LTVは38パーセントを切る保守的な水準を維持し、将来に向けた物件取得余力も約1,600億円を確保しています。

②第15期の業績は予想を上回る着地。堅調な業績が継続

次に第15期の業績です。6ページをご覧ください。こちらにお示ししたとおり、第15期のNOIは予想を0.9パーセント上回る180億8,600万円、1口当たり分配金は予想を1.6パーセント上回る4,645円の着地となりました。これは、リースの更改が予想以上に順調で、期中の平均稼働率が予想の98.8パーセントを0.4パーセント上回り、過去最高の99.2パーセントを記録したことが主因です。

第16期も引き続きリースが順調であることに加え、前回の公募増資で取得した3物件の収益、および第15期の賃料増額改定効果が通期で寄与することから、業績はご覧のとおり増収の予想です。第17期は新規取得3物件の固都税の費用化が始まること、予想稼働率を98.7パーセントと一定の不確実性を織り込んで計画していること等により若干の下振れを想定していますが、業況自体は底堅く推移するとみています。

②第15期の業績は予想を上回る着地。堅調な業績が継続(2)

次はリース契約の更改と稼働率の状況です。7ページをご覧ください。第15期はポートフォリオの約15パーセントにあたる44万平方メートルという大きな面積のリース契約が満了を迎えましたが、計画を上回る順調な更改により、全体の68パーセントのスペースで賃料増額を実現し、平均賃料変動率はプラス3.2パーセントを記録しました。

第16期に契約満了を迎えるリース契約もすでに85パーセントが更改済みで、平均賃料変動率は第15期をやや下回る見込みではあるものの、2パーセントを超えるのは確実な状況です。なお、各期の平均稼働率は、スライド左側の折れ線グラフのとおり高稼働率が継続する見通しです。

③新型コロナウイルス感染拡大の影響は限定的

8ページはおなじみのスライドです。あらためてご覧いただくとよくわかると思いますが、本投資法人のテナントは大手物流会社、EC大手、小売り大手を中心に、信用力の高い各業界のトップレベルのカスタマーでバランスよく占められています。

また、本投資法人のポートフォリオのリース契約はすべて定期借家契約で、スライド下段のグラフにお示ししたとおり、賃貸借契約の満了時期の分散も効いています。そのため、今回のウイルス問題のような突発的な事態や急激に景気が悪化するような局面が発生したとしても、業績への変動は受けにくい体質となっています。

③新型コロナウイルス感染拡大の影響は限定的(2)

次に9ページをご覧ください。本投資法人の施設はその約20パーセントが成長著しいEコマース関連で占められています。また取扱商品は食品や日用雑貨、医薬品、衣類などの生活必需品を含む一般消費財がその多くを占めており、安定的に利用されています。そして、今回のように人々の行動が制限される状況下においては、不測の事態に備えて、これらの商品の在庫量が積み増される傾向が出てきています。

人々の生活を支えるインフラとして、物流不動産の重要性は一層高まってきていると言えます。一方、本投資法人は、今回の緊急事態宣言下で店舗を閉鎖せざるを得なかった一部の小売業のカスタマーに関しては、一定期間支払いを猶予する支援を行いました。しかしながら、猶予の対象額はポートフォリオの年間賃料予想額の約0.1パーセントとごくわずかであり、業績の影響はほぼないものと考えています。

④スポンサー・パイプラインは更に拡大

次に10ページをご覧ください。こちらは本投資法人の物件取得パイプラインです。従来、パイプライン物件は優先交渉権取得済物件とスポンサーが開発中・計画中の資産をあわせ10物件、約90万平米とご案内していました。しかし、当第15期中にスポンサーが新たに2件の大型プロジェクトの取り組みを発表し、これらを含めたパイプラインは合計12物件、約120万平米、金額にして約2,600億円規模に拡大しています。

また、開発中物件のプレリースも順調であり、本投資法人も引き続き年間500億円から600億円規模の外部成長をしっかり継続できる機会を確保しています。

⑤300億円を超える手元流動性を確保し、健全な財務基盤を維持

11ページは財務に関してですが、こちらも保守的な運営を継続しており、LTVは取得価格ベースで37.7パーセント、鑑定価格ベース30.9パーセントでコントロールしています。手元流動性も現預金100億円超とコミットメントライン200億円で合計300億円超を確保しており、毎年到来するリファイナンス金額の総額をおおむねカバーできるように運営しています。

また、本年4月には前回の公募増資時に借り入れした短期資金約100億円を、期間20年と30年の投資法人債(グリーンボンド)で50億円ずつリファイナンスしました。緊急事態宣言発令直前の厳しい環境下でしたが、20年債0.9パーセント、30年債1.0パーセントというクーポンで超長期の資金調達ができました。

⑥保有物件で発生した火災による影響は限定的

次に12ページをご覧ください。6点目は残念なご報告ですが、4月30日に宮城県岩沼市に所在する「プロロジスパーク岩沼1」で火災が発生し、建物が全焼する事態となりました。消火活動にご支援、ご尽力いただいたすべてのみなさまに心から感謝申し上げるとともに、近隣のみなさまをはじめ多くの方々にご心配、ご迷惑をお掛けしたことを心からおわび申し上げます。現地ではすでに建物の解体撤去作業に着手しており、完了後速やかに建物の再建築を目指したいと考えます。

⑥保有物件で発生した火災による影響は限定的(2)

次の13ページには、本火災による被害額と保険収入のバランスをお示ししています。本火災に関わる損益については、損失や解体費用等で約48億7,000万円程度の特別損失の計上を見込んでいますが、一方で火災保険および利益保険による特別利益、合計47億2,000万円を見込んでおり、トータルでは損失の大部分が保険でカバーされ、業績への影響は限定的となる見込みです。

なお、スライド下段のグラフにお示ししたとおり、損失と利益の発生時期には差異が生じますが、一時差異等調整引当金(ATA)や一時的利益超過分配の活用により、火災損失が極力分配金に影響を及ぼさないよう運営していく予定です。

物流不動産マーケットの需給動向

次に物流不動産マーケットの動向について簡単に触します。15ページをご覧ください。こちらには首都圏および近畿圏における大型マルチテナント施設の空室率と需給動向をお示ししています。首都圏では2019年に過去最高の供給がありましたが、これを上回る最高の需要によって力強く吸収され、2020年の3月末時点で空室率は過去最低の0.5パーセントに低下しています。

近畿圏も2017年から2018年に大量供給されたスペースが着実に消化され、直近では空室率は4パーセントを切るレベルまで下がっています。今後の供給量については、2020年にいったん低下したあと、2021年には複数のランドマーク的な大型物件の完成が計画されているため、再度増加する見通しとなっています。これらのプレリースも全般的にかなり順調に進んでいるようであり、良好な需給バランスが継続するものとみています。

これまでにお伝えしてきたとおり、新型コロナウイルス感染拡大が先進的物流施設のニーズに及ぼすネガティブな影響はいまのところ限定的で、力強い需要にかげりは見られません。小売り関連企業の店舗売上の減少というマイナスがある一方で、EC化の加速や自動化の一層の進展など、物流施設運営にはむしろポジティブに働く影響も大きいものと考えられます。

ウィズコロナの時代における先進的物流施設の需給見通し

在庫の積み増しや自動化進展の傾向は16ページのアンケート調査からもうかがい知れます。実際、本投資法人の既存ポートフォリオの中には、まとまった空室はほとんどなく、スポンサーの開発物件のプレリースも従来にも増して順調に進んでいるという状況にあり、このトレンドに変調の兆しは見られません。

ラストワンマイルに対応する「都市型物流施設」

17ページには、スポンサーのプロロジスが最近取り組みを発表したラストワンマイルに対応する「都市型物流施設」について記載しました。プロロジスはEコマースの急速な拡大により需要が高まっている都市部の物流拠点を、消費者や小売店舗に届く前の最終地点であることから「ラストタッチ」と呼称しています。

「プロロジスアーバン」は、東京やロンドン、ニューヨーク、パリ等の世界の人口集積都市において効率的な配送を実現するために、プロロジスが展開するラストタッチの物流施設ブランドです。国内においては、プロロジスはこれまで全国の主要消費地に近接した地域で大型先進的物流施設「プロロジスパーク」をカスタマーに提供してきました。

しかし、将来的には都市部の物流施設をネットワーク化して利用するニーズが広がるとみて、今後「プロロジスパーク」に加えて「プロロジスアーバン」の開発を加速させる計画です。

今後人々の生活環境、生活様式は大きく変化していくことが予想されますが、我々はその生活を支える基幹インフラである物流施設の運営を担うという社会的責任を十分に果たしつつ、引き続き投資主価値の最大化を目指していきたいと考えています。

岩沼の火災は残念なできごとでしたが、今後の再発防止に向けた取り組みもしっかり行なっていきます。みなさま引き続きご指導、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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