ドコモと地銀、こんなにもセキュリティがずさんな連携は何のため? 消費者に手痛いとばっちり

レストランCへの支払いが数万円と金額が張って既存の決済システムで支払えないのであれば、直接クレジットカードで払えば済む話です。クレジットカードがなければ、現金で払えばいいだけです。ただ、決済履歴によっては高額になるとペイペイ決済が使えないこともあります。ちなみに、筆者の1回あたりのペイペイ決済上限額は今のところ2万円です。

本来、決済代行のシステムは、それを利用する関係者それぞれにメリットがなければ拡大するはずはありません。では、ドコモ口座の場合はどうか。あえて、今回被害にあった地銀・ドコモ口座の拡販と犯罪者の立場で考えるとこうなります。

  1. 地銀はドコモ口座を利用するメリットがあった。つまり、ドコモ口座を展開しているNTTドコモから、いくばくかの手数料が地銀に入る。
  2. ドコモにすれば、地銀顧客の囲い込みができる。地銀口座からのチャージや地銀クレジットカードを使いながら、さらにドコモ口座利用によるdポイント獲得もできるというプロモーションにもなる。
  3.  地銀口座はドコモ口座とのリンクが容易。
  4. サービス拡大・口座獲得のため、セキュリティが甘い。
  5. 犯罪者は、このギャップを利用して、不正に入手した地銀口座情報をドコモ口座にリンクさせ、預金の引き出し(=現金化)を図った。

このように思料しますが、大きな疑問はなぜNTTドコモが“決済口座”を持たなければならなかったのか?ということです。疑似預金口座であるドコモ口座をスルーして資金を右から左に流すだけでは儲かりませんし、システム構築費用やキックバック・宣伝費を考えただけでも、数億円の投資ではペイしないでしょう。ドコモ口座の存在理由は何だったのでしょう…。

参考記事

ニュースレター

メールアドレスをご登録いただくと、毎朝LIMOの更新情報をお届けいたします。
太田 創
  • 太田 創
  • 一般社団法人日本つみたて投資協会
  • 代表理事

関西学院大学卒。1985年、三菱銀行入行。1988年より約10年間、ロンドンおよびサンパウロで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年からシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。現在は一般社団法人日本つみたて投資協会・代表理事。
主要な著書には、『ETF投資入門 』(日経BP 2008年)、『お金持ち入門』(実業之日本社 2015年 共著)、『毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版 2019年)などがある。