投資未経験者の中には「投資で損するのは絶対イヤ!」という方もいます。こういう方はリスク許容度がないので、現預金一択でもよいかもしれません。ただ現金が100%安全かといえば、そうとも限りません。
物価が上がれば、その分現金の価値は目減りします。たとえばインフレ率が2%の場合、今の100万円が30年後には55万円の価値しかなくなるわけです。現預金100%で資産を持っていると、インフレリスクを100%受けることになります。
初心者が投資をする場合には、投資信託で「長期・積立・分散」が主流です。
これは1990年アメリカの経済学者ハリー・マーコウィッツ氏がノーベル経済学賞を受賞した「現代ポートフォリオ理論」に基づく考え方で、リスクを抑えながらリターンを得るためには、複数の銘柄や資産に分散して投資することが有効であると証明されています。そのため世界中で使われようになりました。
おわりに
他の先進国に比べて遅れをとっている日本の金融教育。ようやく2022年4月から高校の家庭科の授業で「資産形成」についての教育が始まります。
投資をやってもやらなくても、まずは投資のリスクや現金のインフレリスクなどを学んでから、マネープランを立てたいものです。
【参考資料】
「ゼクシィ結婚トレンド調査2019首都圏」(株式会社リクルートマーケティングパートナーズ)
「出産費用 平成28年度」(公益社団法人国民健康保険中央会)
「子供の学習費調査(平成30年度)」(文部科学省)
「私立大学等の平成30年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」(文部科学省)
「令和元年度住宅市場動向調査報告書」(国土交通省)
上原 千華子