「弁護士に依頼すべきだった」(Cさん)

Cさんは弁護士を介さず、夫婦での話し合いで離婚を決めました。親権はCさんが取り、子どもと楽しく暮らしています。ところが、父親からの養育費の支払いがストップして悩んでいます。

令和2年4月1日をもって民事執行法が改正され、第三者により養育費の支払い義務がある者の財産開示手続きを申し立てられるようになりました※2)。

これまでは配偶者が意図的に給与振込先の金融機関を変更した場合、配偶者の利用する金融機関を推測し、ひとつひとつ弁護士に費用を払って調べる、という効率の悪い方法をとっていました。この法改正によって、配偶者の情報を照会する負担が軽減されたのです。ただし情報の開示には、公正証書が必要となります。

ひとり親家庭の場合、自治体から児童扶養手当などの支援を受けられます。しかし、いつ養育費が振り込まれなくなるかわからない恐怖を抱えながらの生活は不安定なものでしょう。

Cさんは「弁護士に交渉の代理人や公正証書の作成を依頼しておけば、未払いを防げたのに。財産分与もきちんと行われていたはずなのに」と振り返り、後悔されています。

弁護士に依頼するにも費用がかかりますが、その後の養育費などが請求しやすいこと、直接相手と交渉しなくてすむことを考えれば、納得のいく費用かもしれません。特にモラハラ気味で自分を正当化するような配偶者の場合、弁護士に依頼すれば話し合いのストレスを軽減できるメリットもあります。