高校生の私が絶望した「父親の本音」

そんな毎日を生き抜いてきた恵さんの心には今もなお、癒えない傷がたくさんあります。中でも一番彼女の心を苦しめているのが、高校生の頃に言われた“ある言葉”。

高校2年生になり、進路を考え始めた恵さんは動物関係の仕事に就きたいと思うように。専門学校に入ろうと考え、色々な学校からパンフレットを取り寄せていました。「ある日、偶然、父親にそのパンフレットを見られてしまって…。」娘が思い描く未来図を知った父親は恵さんにこんな言葉を言いました。

「そんなくだらないことに使う金、うちにはない。どうしても行きたいんなら、自分の身体で稼げ。無理だろ?だったら、一生、俺の駒でいろ。」

恵さんはその言葉を聞いて、自分が父親にとって娘ではなく、ただの駒としてしか見えていないことに深い悲しみを抱きました。「父親のことはずっと大嫌いでした。でも、どこかで娘だからお父さんのことを守らないと、助けないとっていう考えがあった。だから、そんな気持ちを踏みにじられたような気もしました。“親子ごっこ”さえも、私たちはできていなかったんだなと。」