クラブチームにも連絡が…
その翌日から、T君は腕にサポーターをして学校やクラブに出てくるようになりました。そして例のケンカ事件から1週間ほどたったある日、クラブチームの保護者会の会長から筆者に電話がかかってきたのです。「何だろう?」と思って電話に出ると、会長は「片方だけの話を聞いてもなんだから」と言いながら、今回の電話の趣旨を話してくれました。
その内容は、T君がケガをしたという報告がクラブにあったが、原因が筆者の長男であるということ。そして、T君のママが長男は元々乱暴でいじめっ子であり、今回の件からもクラブ退部を求めてきている…というのでした。
突然のことに、筆者は頭が真っ白になりました。それでもなんとか、先週の状況と先生から伺った時の話をすべて伝えました。そうすると、会長は「学校のことはクラブ内の活動とは別」ということと、長男はすでにそのクラブチームに5年間通っていて、今までトラブルらしいトラブルもないため、T君ママの主張をすべて鵜呑みにすることはできないということでした。「しばらく様子を見させてほしい」と言われ、この電話は終わったのです。
しかし、T君ママの攻撃はまだまだその後も続いたのでした。
上級生のボスママを味方につけて攻撃を…
筆者はT君の件が気になりながらも、クラブ活動を継続していました。長男とT君は学年は違えど、クラブ内では一緒にプレーすることが多く、そこで見ている限りでは特にお互い問題なく仲良くやっているように見えました。
T君は相変わらずサポーターをしていましたが、クラブ活動には参加していました。
そんな中、筆者はクラブ役員の中でもボス的存在の上級生ママから突然呼び出されたのです。
「我が子が可愛いのはどこの家でも同じだと思うけど、甘やかすのは違うんじゃない?」
突然そう言われ、筆者は何の話かすぐには理解することができませんでした。その上級生ママの話を聞いていくと「長男がT君をいじめている。ケガまでさせた」という例の件だということが分かりました。
筆者:いえ、私は学校で起こったことを先生から伺った限りでは、ケンカの原因はどちらが悪いということではなく、子ども同士で仲直りもしたと聞いていたのですが
上級生ママ:それが甘やかしてるっていうことが、分からないの?!自分の子が良ければそれでいいの?!
そんなやり取りばかりで話は進まず、筆者が一方的に責められる状況が続きました。その後、クラブ活動が終わりの時間を迎えたことで上級生ママは我が子のところへ向かい、とりあえずこの場は終わりました。
…終わりましたが、以降、役員を通じて試合の場所や集合時間の連絡があるはずが、筆者のところには連絡が回ってこないなどの嫌がらせを受けるようになったのです。
そして、この上級生ママとT君ママは、クラブ内で長男がいかに「いじめの加害者で悪い子であるか」という話を広めていったのでした。実はT君ママと上級生ママは職場が同じという繋がりがあったのです。
幸いにも、話を鵜呑みにせずいつも通りに接してくれるママさん達がいてくれたおかげで、子ども達に大きな影響はなく、なんとかクラブ活動を継続することができました。
それでも少人数とはいえ、筆者を敬遠するママさんや露骨に悪意を向けられることもありました。「気にしないように…」と思いながらも、筆者の心身は確実にすり減っていくように感じていました。情緒不安定で突然涙が出てきたり、クラブの送迎は憂鬱で仕方なく、ともかく人を避けるように過ごすようになってしまいました。