住宅ローンの繰上返済は、返済期間が短くなることによって、利息の負担が減らすことができます。しかし、住宅ローン控除との兼ね合いで、いつ行ったらいいのかタイミングに悩む人は多いのではないでしょうか。
そこで、繰上返済を有効に行うための適切なタイミングを検証してみたいと思います。また、家計とのバランスを考えた無理のない返済についてもお伝えします。
「繰上返済」と「住宅ローン控除」どちらを優先したらいい?
繰上返済には返済期間を短縮する「期間短縮型」と返済額を軽減する「返済額軽減型」があります。期間短縮型の方が、利息軽減効果が大きく、繰上返済を効果的に行うためには、期間短縮型を選んだ方がよいでしょう。
また、繰上返済は、返済額(借入残高)が大きいほど効果があるため、早い時期に行った方が利息軽減効果が大きくなります。そこで問題になるのが、「住宅ローン控除」です。
住宅ローン控除は、借入期間が10年以上の住宅ローンを利用して、一定の住宅を新築、購入、または増改築した場合に、その住宅に入居した年以降の一定期間、所得税が控除される制度です。
控除される期間は、入居した時期によって異なり、消費税10%で住宅を取得し、2019年10月1日から2020年12月31日までに入居した場合は13年間、それ以後の2021年1月1日から2021年12月31日までは10年間となっています。控除される金額の上限額は、年末の借入残高×1%(上限40万円)となっており、残高が多いほど控除額が多くなることがわかります。
そのため、住宅ローン控除の適用時期に繰上返済をしてしまうと、本来受けられる控除が減ることになります。一方で、繰上返済をして期間を短縮すれば、その期間の利息を払わずに済みます。つまり、控除が減る分と、利息が減る分の大きさを比較し、適切なタイミングを見つければいいわけです。