株式市場の振り返り-祝日前で薄商いの中、3日ぶりの反落。新興市場は続伸。
2016年8月10日(水)の東京株式市場は小幅下落となりました。日経平均株価は前日比▲0.2%の下落、TOPIXも▲0.2%の下落で引けています。いずれも3日ぶりの反落です。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は+1.4%上昇する続伸となりました。
日経平均株価は、前日比▲65円安で寄り付いた後間もなく、▲107円安まで下げ幅を広げました。その後は16,700円を挟んだ攻防となりましたが、後場の前半には一時+57円高となる場面がありました。その後は再び売りが優勢となり、大引けは▲29円安の16,735円で終わっています。小幅ながら3日ぶりの反落となりました。
東証1部で上昇したのは792銘柄、値下がり1,043銘柄、変わらず135銘柄でした。東証1部の出来高は17億31万株、売買代金は2兆906億円(概算)となっています。お盆休み、及び、祝日前でやや閑散となりました。
セクター動向と主要銘柄の動き-14業種が上昇、19業種が下落。内需関連はまちまち。
東証1部で上昇したのは14業種、下落したのは19業種でした。特に目立った動きはなかった中、上昇率の上位には、内需関連業種やディフェンシブ業種が多く見られました。他方、下落業種にも内需関連は散見されています。また、金融関連セクターも弱い動きになったのが特徴と言えます。
個別銘柄では、前日に業績下方修正を発表したブリヂストン(5108)が▲6%超の急落となりました。また、スズキ(7269)、野村ホールディングス(8604)、マツダ(7261)、日本電産(6594)、ローム(6963)などの主力株も軒並み値を下げて終わっています。一方、トレンドマイクロ(4704)が急伸し、ダイキン工業(6367)も大幅上昇となりました。その他、ソフトバンクグループ(9984)、花王(4452)などの主力株も大きく値を上げています。
東証マザーズ市場の動き-総合指数は続伸ながら、材料不足から深刻な閑散相場が続く
東証マザーズ総合指数は、寄り付き直後こそ前日比マイナスとなりましたが、その後は上値を切り上げていく展開を見せました。大引けに掛けてやや鈍い動きになりましたが、それでも連日で+1%超の上昇となる続伸となっています。ただ、出来高は3,255万株、売買代金は560億円に止まる超閑散相場となりました。お盆休みシーズンということを考慮しても、非常に深刻な状況です。なお、値上がりが121銘柄、値下がりは90銘柄、変わらず11銘柄でした。引き続き、閑散相場を打破する物色テーマの登場が待たれます。
個別銘柄では、そーせいグループ(4565)、アンジェスMG(4563)、アキュセラ(4589)などの医療バイオ関連銘柄が値を上げました。また、ブランジスタ(6176)やデータホライゾン(3628)も堅調に推移しましたが、医療バイオ関連同様に大幅上昇とまでは行かず、自律反発の域を出ていません。なお、時価総額の大きいCYBERDYNE(7779)、ミクシィ(2121)はともに小幅高で終了しています。全体的には薄商いの中で、売り物が少なかったと言えましょう。
本日(8月12日)の注目点-株式相場もお盆休みへ、出遅れ好業績銘柄を発掘する時期
お盆休みとなりました。株式相場もお休みモードです。ただ、例年のこの時期は“夏枯れ相場”と言われる低迷が続くことが多いのですが、今年は商いも含めて極端に弱くなることはなさそうです。勿論、年初から見れば依然として低迷していますが、下値不安が小さくなっていることは確かでしょう。問題は為替相場の動きです。何かの“きっかけ”により、上にも下にも動きやすくなっていますので、注意が必要です。
現在のようにテーマや物色材料に乏しい時期は、セクターへの投資を考えるよりも、出遅れ感のある好業績銘柄に注目したいところです。特に、7月中旬からのポケモノミクス相場で対象外になっている内需関連銘柄には、こうした“お宝銘柄”が埋もれている可能性があります。週末12日(金)は、小売セクター、トイレタリーセクター等の個別銘柄に注目です。
一方、新興株式市場は指数こそ上昇していますが、深刻な閑散相場が続いており、市場にエネルギーが蓄えられていない状況です。新興市場の底打ちを確認するのはまだ早いかもしれません。また、新興市場の銘柄はまだ決算発表が続いているものも少なくないので、粗い値動きとなる可能性があります。
青山 諭志