区民農園で野菜を栽培するAさんの例
東京23区内在住のAさんは、区民農園を2020年の3月から利用しています。畑を借りる費用は、2年間で約2万円ですが、掛かる費用はそれだけはありません。苗やタネだけでなく、肥料、支柱、不織布など育てるための「資材」も必要で、初期投資が思いのほかかさみました。
Aさんが集計した2020年3月から7月まで畑関連で掛かった費用概算は下記のとおりです。
タネ・苗代:7千726円
肥料代:3千847円
資材代:1万2090円
薬剤代:1千683円
合計:2万5346円
肥料は、牛ふん、ようりん、苦土石灰などを使います。資材は、寒いときに保温のためにかける不織布、虫や鳥よけの寒冷紗、トマトやキュウリやナスの茎を支える支柱や留め具、キュウリのツルを絡めるためのネット、雑草防止や保温に使う黒いマルチなどです。また、薬剤はトマトの実の付きをよくするトマトトーンや防虫剤などです。
畑を借りる費用と併せると5万円近い出費になり、コスパだけ考えるとも割高とも思えます。しかしAさんは「自粛期間に土に触れられたことは、精神安定剤になりました。3月中旬に蒔いた種が4月に芽が出た時の喜びはひとしおでした」と振り返ります。
さらに「収穫の喜びや食べるときの満足感を考えると、コストパフォーマンスはそれほど悪くない」といいます。資材などの初期投資はかさみますが、一度買えば使いまわせますし、農園の水道が使えるので水道代は掛かりません。家庭菜園は、子供が親離れしていくときのココロの隙間を埋めるには最適だとも思ったそうです。