株式市場の振り返り-前場はもみ合うが、後場はじり高で終わった
2016年8月9日(月)の東京株式市場は続伸しました。日経平均株価は前日比+0.7%の上昇、TOPIXは+0.9%の上昇で引けています。一方、新興株式市場の東証マザーズ総合指数は四営業日続落後ひさしぶりに+1.3%反発しました。
重要な材料があったわけではないですが、日銀によるETF買入に対する期待が下値リスクを限定しており、市場の物色意欲はしっかりしていると思われます。前日市場を牽引した金融株の上昇が一服すると、今度は任天堂人気が再燃したことに象徴されているようです。
日経平均株価は、前日の米株の下落を受けて前日比▲18円安ではじまりました。しかしその後は下値を拾う動きが断続的にはいりもみ合いになりました。10時過ぎには本日の安値である16630.56円を付け場面もありましたが、下値を拾う動きは衰えずその後は前日終値より高い水準でもみ合って前場を終了しました。後場はしっかり上昇してはじまり、13時前に前場高値圏まで一旦下落をしたものの、その後はじり高に推移しました。結局日経平均は日中高値である16,779.59円に近い16,764.97円で一日の取り引きを終えています。
東証1部で上昇したのは1,246銘柄、値下がり581銘柄、変わらず142銘柄でした。東証1部の出来高は18億9,247万株、売買代金は2兆2,254億円(概算)となっています。商いはまずまずの状況だったと言えます。
セクター動向と主要銘柄の動き-33業種中27業種が上昇、その他製品が高い
東証1部で上昇したのは27業種、下落したのは6業種でした。上昇率の上位はその他製品、鉱業、水産・農林業、下落した業種は空運などです。電気機器は小高く、銀行と輸送用機器はほぼ横ばいでした。
個別銘柄では、ファーストリティリング(9983)が下げましたが、ソフトバンク(9984)、ファナック(6954)、コナミ(9766)、花王(4452)、信越化学工業(4063)の上昇が日経平均を牽引しました。また任天堂(7974)に見直し買いが入り、その他製品の上昇を主導しました。
下げた銘柄では、東和薬品(4553)、沢井製薬(4555)、日医工(4541)の後発薬主要3社が軒並み下げたことが目に付きます。
東証マザーズ市場の動き-ひさびさの反発
東証マザーズ総合指数は、四営業日続落後ひさしぶりに+1.3%反発しました。前場は一旦上値を試したもののすぎに押し返されてしまいましたが、後場に入りじり高が続き結局日中高値圏である900.38で取引を終えています。
出来高は3,547万株と超薄商いが続き、売買代金も542億円とさらに減少しました。値上がりが136銘柄、値下がりは71銘柄、変わらず15銘柄でした。
個別銘柄では、ミクシィ(2121)が続落しましたが、CYBERDYNE(7779)、そーせいグループ(4565)は反発しています。そーせいに加えて、ヘリオス(4593)、サンバイオ(4592)、アキュセラ(4589)も上昇していることから小野薬ショックはひとまず終息したようです。
またLINE(3938)の上昇を受けて関連株と言われるフリークアウト(6094)が上昇、またじげん(3679)が大幅に上げており、物色意欲の高まりが見えてきました。
本日(8月10日)の注目点-お盆休み入りだが下値不安は少ない模様
8月10日の株式市場は8月11日が祝日(山の日)であること、その後いわゆるお盆休みの期間に入ることから、リスクを減らす動きが広がっていくと思います。しかし日銀のETF買入期待から下値に対する不安が薄らいでおり、株価の水準を大幅に引き下げることにはなりにくいと思います。逆にもし大きく下げるようであれば注意が必要でしょう。
物色的には任天堂やLINEが動意してきました。関連銘柄も含めて当面の物色の柱になるのか注目です。
LIMO編集部