シナジーブレイン社長の年収

唐突ですが、起業して1年間は、私の役員報酬は月20万円でした。年間にして240万円、賞与はゼロ。そして小さな子供を2人抱えた4人家族なので、我が家はこれはもう堂々たる相対的貧困家庭だったんですよ。ついでに言っておくと、サービス残業し放題というかそもそも残業という概念がなく、休日出勤ありまくりの超絶ブラック企業です。

だから、日本の相対的貧困を語る資格は私には無いわけです。「みんなっ、オラに・・・オラに少しずつ金をわけてくれっ」という状態ですね。それでも、貯蓄があったり不動産からの収入があったり(会計上は利益は出ていませんが)して、今までと同じ生活レベルで暮らしているのです。

その証拠に、妻が日本の貧困問題を気にするくらい、生活に不安を感じていないというわけです。

起業家の報酬は会社にとっての費用でしかない

で、役員報酬20万円でドン引きしている人もいるかもしれませんが、最初はこんなもんですよ。むしろゼロでも良いくらいです。社会保険などとの兼ね合いで20万円にしましたが、最初の3か月はそれでも赤字です。最近でこそようやくちょっと余裕が出てきて、役員報酬も上げてみたりしています。

役員報酬は自分に支払うとしても、会社を経営していく上では費用でしかありません。感覚としては給料は貰うものではなくて、むしろ払うものなんです。少ないと家計の現金が減っていきますが、多いと会社の現金が減っていきます。それだけのことで、報酬が多いのも少ないのも、起業家からすれば同じことです。どちらかが苦しくなれば、会社と家計で貸し借りをすることも可能です。

なので、税金や社会保険などのファクターを考慮して、最適な水準に決めれば良いのです。もちろん儲かってくれば、役員報酬も高くすれば良いですし、そもそも100%株主なので配当という方法もあります。よほど利益が見込めるのでなければ、最初から役員報酬を高くする意味はあまりないと言えるでしょう。

相対的貧困を撲滅するためには

話は元に戻りますが、相対的貧困を撲滅するためには、みんなでそろって貧乏になる必要があります。「相対的」という言葉の定義からは当然ですが、高い所得を得る人がいると脱出のハードルが高くなるので。相対的貧困は資産やライフステージも考慮されていませんし、先進国に当てはめるには不適当な定義だと思います。

絶対的な貧困、生活ができないような状態は決して放置してはいけないと思いますが、相対的な貧困は「撲滅」すべきものではないと考えます。相対的貧困状態にあっても子供が十分な教育を受けられる状態、上昇することができるチャンスは確保しつつ、それぞれの幸せを目指せば良い。そう考えます。

さらに言えば、結果平等を突き詰めれば突き詰めるほど、頑張らない人が増えると思います。やってもやらなくても給料は同じ、それが素晴らしい社会だとは私はとても、思えないんですよね。

それでは、また。フラスコ代表、安田でした。

安田 修