新型コロナウイルスの感染が、東京を中心として再び全国各地に広がってきました。一部の業種では営業活動が依然として厳しい状況が続いています。

皆さんの中にはこれまでの貯蓄を切り崩しながら生活せざるを得ない人も少なくないのではないでしょうか。

コロナ禍で個人、法人ともにこれまでの貯蓄の重要性が再認識されたところで、今回はみんなどれくらい貯蓄をしているのかを世代別に見ていきたいと思います。

世代別の貯蓄額の平均値と中央値は?

それでは早速、各世代別の平均貯蓄額と中央値をみてみたいと思います。金融広報中央委員会実施の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)」の結果によると、金融資産保有世帯における各世代の平均貯蓄額と中央値は以下の通りです。

平均貯蓄額(金融資産保有世帯)

  • 20歳代:220万円
  •  30歳代:640万円
  •  40歳代:880万円
  •  50歳代:1,574万円
  • 60歳代:2,203万円
  •  70歳代:1,978万円

中央値(金融資産保有世帯)

  •  20歳代:165万円
  •  30歳代:355万円
  •  40歳代:550万円
  •  50歳代:1,000万円
  • 60歳代:1,200万円
  • 70歳代:1,100万円

一方で、金融資産を保有していない世帯を含む各世代の平均貯蓄額と中央値は以下の通りです。

平均貯蓄額(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 20歳代:165万円
  • 30歳代:529万円
  • 40歳代:694万円
  • 50歳代:1,194万円
  • 60歳代:1,635万円
  • 70歳代:1,314万円

中央値(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 20歳代:71万円
  •  30歳代:240万円
  • 40歳代:365万円
  •  50歳代:600万円
  •  60歳代:650万円
  •  70歳代:460万円

中央値とは、貯蓄額が少ない順に並べた時に全体の真ん中にくる人の金額を表しています。

平均値は一部の極端に貯蓄が多い人の額に引きずられてしまい、値が大きくなりがちですが、中央値は金額で引きずられることがないため、より実態を反映した値といえます。

皆さんの貯蓄額は平均値や中央値と比較してどうだったでしょうか。いずれの数値も60歳代から貯蓄額が増えているのは、子供の教育資金が一段落し、毎月の貯蓄額が増えることと、定年時に受け取れる退職金の影響があるかと思われます。

しかし、それぞれの数値を比較すると、金融資産を保有している世帯と保有していない世帯で、平均値、中央値ともに大きな差があるといえます。

各世代、どんな目的で貯蓄をしているのか

各世代の貯蓄額を見てきたところで、次は各世代の人はどんな目的で貯蓄をしているのかをみていきたいと思います。

前述と同じ調査結果にある金融資産の保有目的(金融資産保有世帯)を見てみると、全世代で共通して最も多いのは「老後の生活資金」で65.8%、次が「病気や不時の災害への備え」で58.0%となっています(3つまでの複数回答にて集計)。

世代別の特徴として、20歳代から40歳代で多いのは「こどもの教育資金」で、特に30歳代、40歳代では約70%の方が回答しています。

一方50歳代から70歳代で多いのは「老後の生活資金」となり、こちらも70%を超える人が回答しています。

20歳代から40歳代と、50歳代から70歳代で、貯蓄目的が変化しているのがわかります。

各世代の貯蓄目的で老後の生活資金が多いのはなぜか

ここで気になるのが、各世代で多い「老後の生活資金」です。同様の調査結果の中の「老後の生活についての考え方」について見てみたいと思います。

特に興味深いのが、前述の結果では「老後の生活資金」が貯蓄目的として多かったのは50歳代から70歳代であるのに対し、ここでは老後の生活について、「非常に心配である」と回答した世代は、30歳代、40歳代が最も多く、それぞれ全体の50%以上となっています。

これは実際に老後を迎えている60歳代の37.8%、70歳代の28.0%よりも高い数値になります。特に30歳代、40歳代が他の世代に比べて老後の生活への心配の度合いが高くなっているのがわかります。

30歳代、40歳代は子どもの教育資金や住宅ローンで、老後に対する貯蓄まで手が回らず、どうしていいのかわからずに余計に不安に思ってしまうのかもしれません。

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老後の生活費への準備ははやめに始めるほど負担になりにくい

たしかに30歳代から40歳代は、出費も多く老後の生活資金にまで手が回らないと感じる方が多いかと思います。

しかし、昨年の6月に金融庁より発表された金融審議会の市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」によると、老後は年金収入以外に2,000万円の貯蓄が必要であるという結果が出ており、これも見逃せません。

確かにいきなり2,000万円貯めようと思うと難しい話に聞こえますが、老後の生活費への準備ははやく始めるほど負担になりにくいということがいえます。

最近ではつみたてNISAやiDeCo等、長期的にコツコツと積み立てていくための税制優遇制度も充実してきました。さらに、貯蓄性のある保険商品や投資信託等、長期運用に適応した商品ラインナップも充実していますので、自分に合った方法を探すことをおすすめします。

おわりにかえて

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、自粛ムードがまだ収まらない今こそ、自分に最適の資産運用方法を探すチャンスです。老後までの目標金額、毎月積み立てられる金額によって、どのような商品をどのようなバランスで運用すべきかが異なってきます。資産運用においては、この点が重要になってきます。

できれば一人で判断せずにアドバイザーの意見も参考にしながら、ゆとりのある老後に向けての準備を始めてみてはいかがでしょうか。

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参考資料