「高収入なのに貯蓄がない世帯」は意外と多い
先述の調査結果をみると、どの年代や年収においても「金融資産非保有」または「金融資産が100万円以下」に該当する世帯の存在が一定数確認できます。なかには、年収1,000万円を超える高収入世帯であるにもかかわらず、貯蓄額が少ない世帯も。
十分な収入があるはずなのに、なぜ貯蓄ができないのでしょうか。その状況に陥っている方々に、貯蓄ができない原因を聞いてみました。
年収が下がったほうがラクかも?
「年収は1000万円を超えていますが、私立高校に通う子ども2人の授業料を払っているため、家計はいつもギリギリ。もう少し年収が低ければ『高等学校等就学支援金https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1342674.htm』の対象になり、授業料と同じくらいの金額が支給されるのに…。
いっそのこと、対象になる年収まで下がった方が、かえって家計が楽になるのでは…と思います」
昇進・昇給で増えた「おつきあいの出費」
「夫が会社で昇進し関連会社の役員に。年収が大幅に上がり、本来なら喜ぶべきことなのですが…。部下にランチをごちそうする機会が増えたり、役員会議用にとオーダーメイドのスーツを作ったり…といった出費が増えました。目下、コロナ対策でアフターファイブの接待は自粛中ですが、取引先の人から頂いたお中元のお返しなども気を使いますね。
また、社内外問わず、仕事関係者の家族に不幸があったとき、お香典を包む回数も増えました。人脈が広がった分、「お付き合いにかかるお金」もそれ相当に必要となるのだな、と感じています。
「児童手当」が満額もらえない…
「わが家には小学生~中学生の子どもが3人いますが、児童手当の所得制限を超えているため、一か月あたり1人一律5,000円しか支給されません。所得制限を超えていなければ、中学生の長女と長男は月1万円、第3子である小学生の次男は月1万5,000円が支給されるはず(※)。
周囲は『児童手当は貯蓄に充てている』と言っていますが、わが家の場合はいつまで経っても貯蓄が増えません」
「世帯年収は1,000万円ほどですが、所得税や住民税、社会保険料を引いた手取りは700万円ちょっと。そこから住居費や子どもの習いごとの費用を差し引くと、毎月の生活費くらいしか残りません。食費や雑費を削らなければ、ということは分かっているのですが…。週に1回の外食や月に1回の美容院など、これまでの生活レベルを下げることがなかなかできません」
(※) 「児童手当制度のご案内」内閣府