シェアハウス内の様子


「飛ぶ(家賃不払いで逃げる)人は、大体、最初にわかりますよ」

飛ぶ人の多くは、家出。不審を感じたときは、入居と同時に前家賃として賃料をもらっているそうです。それでも、不払いが出ることはあります。泣き寝入りかと問うと、「おもしろい経験したなって思って、笑って寝てます」と苦笑していました。

服と歯ブラシさえあれば、今すぐにでも入居可能。クーラー、コタツ、炊飯器、Wi-Fiなどが完備。ただし、すべて1つずつ。フィジー島のケレケレ(皆でシェアする)にならったもので、1つを皆と使うことで集団生活を身に付けてもらいたいという願いが込められているのです。

備品が壊れたときや、新たな購入しなければならなくなったときは、全国のリバ邸50件で融通しあっているので、そのための予備費を徴収した経験も、予定もないようです。

ムダにお金を使わない、豊かな暮らし

田中さんには、プレ・シェアハウス暮らしともいうべき経験があります。芸人を目指してコンビを組んだ相方と同じ部屋に住み、アルバイトをしながらコメディスクールに通っていたときです。収入は月14万円でしたが、毎月7万円ずつ貯金できていたそうです。

その貯金で、これまで旅したのは40カ国ほどに及んでいます。そのなかには、7人でキャンピングカーを借り、アメリカ大陸を横断した26日間の旅も含まれています。航空券を入れて、1人40万円ほどで収めたそうです。

やりたいことをやれるのは、最高のぜいたく。今の若者は、ムダにお金を使わず暮らし、豊かに人生を過ごしているようです。

間宮 書子