メディア映像の力のすさまじさ
これまで、我々はテレビなどの映像メディアやSNSの影響力のすごさは繰り返し理解してきました。
有名番組で「バナナがダイエットに効く」「納豆で血液サラサラ」などと取り上げられるや否や、すぐさま店頭から商品が消えてしまう現象は何度も繰り返し起こってきました。SNSで作られたデマ映像が出ると、瞬く間に拡散されてしまうことも。
コロナ禍においても、トイレットペーパーの買い占めが話題になりました。計算社会科学や人工知能(AI)技術を専門とする東大の鳥海准教授によると、「トイレットペーパー品薄はSNSでデマが作られ、マスメディアによって拡散された」と分析しています(※2)。「SNSでこのような話題があります」とテレビなどが報道することで、買い占め騒動が激化してしまい、結果的にインフォデミックを引き起こすことにつながるのです。
映像メディアはテキストデータに比べ、情報量が圧倒的に多いのです。
「町中でトイレットペーパーが買われています」
とテキストで読んだ場合と、
「大型カートいっぱいにトイレットペーパーをのせる人々が、店中で大行列を作っている映像」
を見る場合とでは、後者のほうが圧倒的に視聴者に深く届くのです。