新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が影響し、米国民の対中感情は悪化の一途を辿っている。

米国の調査機関「ピューリサーチセンター」が発表した最新の統計によると、中国を好意的に思わないと答えた割合が調査開始以来最高の73%に達し、前回3月に実施された調査から7%も増加した。2018年以降では26%も悪化している。

中国を好意的に思うと答えた米市民の割合は22%に留まり、前回3月の調査から4%減少した。近年は急速な減少傾向にある。

また、新型コロナウイルスの感染拡大について、中国が事前に十分な対応を取らなかったことが原因だと考える米市民の割合も過半数を超えており、その長期化が米市民の対中感情をさらに悪化させることが懸念される。ワシントンと北京の政治対立は、国民レベルでも悪化する一方にある。

反中感情がアジア系へのヘイトクライムへと拡大

こういった市民レベルでの反中感情は、各地でアジア系への嫌がらせやヘイトクライムという形で表面化している。

ニューヨークやロサンゼルスなど主要都市を中心に、普通に道を歩いていたアジア系米国人などが、「新型コロナを持って来るな」、「お前たちのせいだ」、「国に帰れ」などと罵声を浴びせられるだけでなく、暴力を受けて重症を追った事例も報告されている。