負の連鎖を断ち切るために

パワハラは、本来、会社が防いでいくべき課題です。しかし、パワハラが常態化している会社だと、上層部からの働きかけはあまり期待できません。でも「どうせ無駄だから」と動かなければ、さらにパワハラが常態化する負の連鎖に繋がってしまうかもしれません。

パワハラ防止措置が義務づけられたことにより、中小企業は2022年4月より施行)、会社はパワハラの防止や解決に向けて職場環境を整備する必要があります。体制のひとつに、労働者のハラスメント相談窓口を設置すること、幅広い相談に応じることなどがあります。

また、「業務上の指導」と「パワハラ」の線引きも、より具体的に示されるようになったため、今まで相談できなかった人でも相談しやすい環境になるはずです。

外部窓口への相談も視野に

コロナ禍で「新しい生活様式」の実践が求められています。企業内でも「ポストコロナの働き方」を模索しているところでしょう。コロナ禍で市場が大きく変化しています、誰しも多かれ少なかれストレスを抱えていると思います。しかし、「今はみんな大変な時期だから…」と理不尽なパワハラを受け入れる必要はありません。

まだ窓口がなかったり、社内での働きかけが難しい場合は、外部の相談窓口の利用という手もあります。例えば、厚生労働省が運営する『明るい職場応援団』には、パワハラの定義の他、各種データ、相談窓口の案内や利用の仕方などが掲載されています。

「パワハラ防止法」を根拠として、取り計らってもらうこともできますので、職場でのパワハラに悩んでいる人は参考にしてみてはいかがでしょうか。

参考

「ハラスメント対策パンフレット」厚生労働省
(※1)『あかるい職場応援団』ーハラスメントの定義ー厚生労働省
(※2)「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019」連合
「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」厚生労働省
『明るい職場応援団』厚生労働省

池田 蒼