今月14日、最新の防衛白書が発表された。

その中で、中国については、中国公船による尖閣諸島周辺での度重なる領海侵入を「力を背景とした一方的な現状変更の試みを執拗に継続しており、強く懸念される」と非難し、「自らに有利な国際秩序・地域秩序の形成や影響力の拡大を目指した国家間の戦略的競争をより顕在化させ得る」と指摘された。

尖閣諸島周辺などで中国の挑発的行為に拍車

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束が見えない中、中国による海洋覇権に拍車が掛かっている。

最近になって、中国が尖閣諸島周辺海域での日本漁船の操業は領海侵犯に当たるとして、日本政府に対し同海域に立ち入らせないよう要求していたことが明らかになった。中国がこのように要求するのは異例で、これまでなく強く領有権を日本に対して主張している。

尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域では、中国海警の船舶による航行が毎日のように目撃され、7月20日も同船舶4隻の航行が確認された。これで98日連続となり、2012年の日本による尖閣国有化宣言以降、最多を記録し続けている(追記:本記事の公開日、7月22日には100日連続となった)。

また、7月9日から10日にかけ、日本の最南端にある沖ノ鳥島付近の排他的経済水域(EEZ)で、中国の海洋調査船が海中にワイヤのようなものを下ろし、海洋調査を行っている様子を海上保安庁の巡視船が発見した。これについて日本政府は事前に許可を出しておらず、外務省は中国大使館に抗議した。