日本損害保険協会が発行するファクトブック2019によると、過去の主な風水害等による保険金の支払い上位10件の中に、「平成30年台風21号」、「平成30年台風24号」、「平成30年7月豪雨」という2018年に発生した3つの災害が入っています。

そして、その保険金の合計支払額は1兆5,695億円と、東日本大震災の保険金支払額1兆2,833億円を上回る金額になっています(火災保険のほか海上・自動車保険を含む合計)。

保険金の支払いは、災害の発生回数や規模に応じて年度ごとに変動がありますが、2011年度以降は台風や豪雪などにより、保険金の支払いが高額になる傾向が続いています。

保険料の決定にはタイムラグがある

損害保険料率算出機構は2018年5月、2016年度までのデータを基に平均5.5%の参考純率の引き上げを発表。それを受けて、同年10月1日から大手の損害保険会社が値上げをしました。ところが、その夏に甚大な被害を出した自然災害が3件も発生したため、同機構は2019年10月に再度平均4.9%の引き上げを発表するという事態に陥りました。

2021年1月からの大手損保の火災保険料の値上げは、2018年に発生した自然災害の保険金支払いの実績を含めたもので、2019年以降に発生した自然災害のデータは、まだ火災保険料に反映されていません。なお、損害保険料率算出機構のデータによると、2019年度の房総半島台風(台風15号)と東日本台風(台風19号)による保険金の支払い累計額は8,582億円です(2020年3月9日時点)。