高金利通貨は高インフレ国通貨

というわけで、たとえトルコリラ建ての1か月物定期預金で年間25%(月間1%少々)の利息をもらったところで、どうせインフレで減価するのは目に見えているわけです。これは高金利通貨国に共通した問題点です。

もっとも表面金利だけ見れば、先進諸国比でかなり高金利ですし魅力的に見えるのは確かです。

加えて、先進国企業が新興国でビジネスを展開する場合、現地通貨が弱含くむことによる損失を懸念するよりも、ビジネスの成長性をより重要視して資金を投資しますから、外貨預金でも同じではないかとも考えてしまいがちです。

図表1はトルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドの対円為替推移です(過去10年、指数化)。見事に円高になっているのがお分かりになるでしょう。

確かに、メキシコペソは対円で2013年初頭から2015年末迄は円安基調でしたが、長期的に見ると円高です。トルコリラ、南アフリカランドは対円で強含んだ局面がほとんどありません。

図表1:トルコリラ、メキシコペソ、南アフリカランドの対円為替推移

注:各種データより筆者作成(期間:2010年7月10日〜2020年7月12日、対円で指数化)