どれを選ぶ? 初めてのバランスファンド
投資をこれから始めようとすると、よく「最初はバランスファンドからこつこつ始めるのがよい」と耳にするのではないでしょうか。
バランスファンドというのは、国内債券(日本国債など)、国内株式、海外債券(米国債など)、海外株式などへバランスよく分散投資をしようという商品です。
この分散投資は、投資信託を運用している運用会社が考えて実行してくれます。投資はリスクを引き受けてこそリターンが上がるのですが、投資先を幅広く分散することでリスクを減らしながら、それにふさわしいリターンを出そうというのがバランスファンドの基本的な哲学です。
ハイリスクではないので、必ずしもハイリターンではありませんが、その分安心して中長期的に資産が成長することを心待ちにできます。投資の入門として向いているというのは、あまり心配をすることなく続けることができるからです。
さて、ここまではよく聞く話だと思います。しかし本当の問題は、「どのバランスファンドにすればいいのか?」というバランスファンドの銘柄選択の問題です。実はこのバランスファンド、その顔ぶれが想像するよりも多彩です。
そこで、今回は楽天証券のバランスファンドの売れ筋ランキングを見ながら、皆さんにぴったりのバランスファンドを探してほしいと思います。
楽天証券 タイプ別ランキング(2016年7月18日-7月22日)
では、ランキングを見てみましょう。ファンド名、委託会社、ファンドの特性を表示しています。
第1位 クルーズコントロール:DIAM、可変配分‐為替ヘッジ無し
第2位 世界経済インデックスファンド:三井住友TAM、固定配分・中リスク‐為替ヘッジ無し
第3位 トレンド・アロケーション・オープン:三菱UFJ国際、可変配分‐為替ヘッジ有り
第4位 ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド:ピクテ、可変配分‐為替低減
第5位 eMAXISバランス(8資産均等型):三菱UFJ国際、固定配分・高リスク‐為替ヘッジ無し
リスクをどこまで取れるかをまず考えよう
こうして見てみると、バランスファンドといっても実に多様な種類があることが分かります。また、売れ筋が幅広いということは、投資家の方々がさまざまな選択をしていると推測できます。
もう少し中身を見てみましょう。バランスファンドといっても
- 資産の配分の割合を固定するのか、変更するのか(固定配分、可変配分)
- 資産の配分において、よりハイリスク・ハイリターンをめざすのか(高リスク、中リスク)
- 為替リスクを取るのか取らないのか(為替ヘッジあり、なしなど)
によって商品性が多岐に分かれています。
ここで大事なことは、皆さんがリスクを許容できるか、つまり価格の変動が大きくても構わないのかということです。上記で言えば、資産の配分をリスク追求型でいくのか、為替のリスクをヘッジしないのか、取り除くのかを、とりあえず決めることがカギになります。
上位5ファンドを簡単に解説
各ファンドについて簡単にコメントしてみます。
まず、第1位のクルーズコントロール。基本的な資産配分は原則として固定されているのですが、ファンドの価値が急落しそうになった時にはマイナスの影響を限定的にするため、必要に応じて資産を一気に現金にしてしまうというのが特徴です。そして、現金を適宜リスク資産に戻していって資産の成長もしっかり狙おうというファンドです。リスクを取って資産を成長させたいが、大きく痛手を負うことは避けたい、そんな投資家向きのファンドです。
第2位の世界経済インデックスファンドは、オーソドックスなバランスファンドと言えるでしょう。株式:債券の割合を基本的に50:50とし、さらに国内、先進国、新興国へと万遍なく投資していきます。原則、為替リスクのヘッジはしません。このファンドは長期の積立向きと言えそうです。
第3位のトレンド・アロケーション・オープンは、為替リスクはヘッジしますが、低リスク資産と高リスク資産の配分、リスク資産と現金との配分などを適宜コントロールして、攻めも守りも活発に行うことを目指すファンドです。最初に述べたクルーズコントロールの考え方に共通する点があります。
第4位のピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンドも、現金、債券、株式、商品、オルタナティブ、先物などを駆使し、かつ為替リスクも必要な場合はヘッジするという内容で、下落リスクをコントロールしながら中期的な安定収益を目指すとされています。
第5位のeMAXISバランス(8資産均等型)は、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、先進国リートを均等に投資するというファンドで、為替リスクは原則ヘッジしないファンドです。
まとめ
いかがでしょうか。バランス型のファンドと言っても千差万別だということがお分かりいただけたでしょうか。
実は、筆者はこの中で1つ気になるファンドを見つけました。読者の皆さまもこのリストからファンドを探してみてはいかがでしょうか。リスクの大きさをチェックするには、各ファンドの基準価額の値動きの大きさを確認してみることをお勧めします。
LIMO編集部