中高年の嫉妬は類似性と獲得可能性で説明がつく

人は嫉妬をする生き物です。しかし、不思議なことにYouTuberに嫉妬する中高年も、超大物ビジネスマンや有名人が稼いでいても嫉妬することはあまりありません。この違いはどこから来ているのでしょうか。

筆者はその答えは脳科学が示すと考察します。脳科学者の中野信子氏は著書『ヒトは「いじめ」をやめられない』(小学館新書)の中で、人が嫉妬をする理由について「類似性」と「獲得可能性」で説明できると述べています。今回のテーマである、中高年のYouTuberへの嫉妬もこれで説明がつきそうです。

嫉妬を生み出す類似性と獲得可能性とは?

類似性というのは、自分と似ている、同じような属性と考えることです。たとえば、ママ友のいじめの場合は、自分と同じ女性、母親、地域、生活水準という類似性を持っています。同じような立場のはずのママ友が、自分にはない経済的な得をすると激しく嫉妬してしまうというものです。

YouTuberへの嫉妬についていえば、中高年の人は彼/彼女らを「自分たちにはない天才」などとは思っておらず、あくまで一般人と認識していると見られます。その証拠に、YouTuberを批判する中高年もビル・ゲイツ氏や、ウォーレン・バフェット氏には嫉妬しません。なぜなら彼らは天才であり、自分たちとは別次元の人間だと考えているからです。人は類似性から外れた対象には、嫉妬しないのです。