スギHD、1Qは増収増益 高付加価値商品の販売強化等が奏功し売上総利益は前年同期比16.2%増

2020年6月23日に行なわれた、スギホールディングス株式会社2021年2月期第1四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:スギホールディングス株式会社 代表取締役副社長 杉浦克典 氏

出退店の状況

杉浦克典氏:スギホールディングス副社長の杉浦です。今期21年2月期の連結業績予想と23年2月期までの中期経営計画を開示したため、第1四半期の実績とあわせて、今後の見通しを説明します。

第1四半期の出退店の状況ですが、38店舗の新規出店と、6店舗の退店により、32店舗の純増となり、5月末時点でのグループ店舗数は1,319店舗となりました。6月以降は82店舗の新規出店と14店舗の退店を見込んでいます。

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連結決算概要

続きまして、第1四半期の決算概要です。売上高は、前年同期比16.3パーセント増収の1,499億円でした。1月下旬からの新型コロナウイルスの流行で地域のお客さま、患者さまが不安を抱える中、営業活動の継続を通じた地域社会への貢献により、事業別に見ても、スギ薬局事業で1,332億円、ジャパン事業で156億円と、ともに売上が増加しました。

売上総利益ですが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う医療機関への受診回数の減少により、調剤部門での利益率は下げたものの、物販部門での販売方法、売価の見直しや高付加価値商品の販売強化を継続をした結果、前年同期比16.2パーセント増で441億円、売上総利益率は29.4パーセントとなりました。販売費及び一般管理費は352億円で、販管費率は23.5パーセントとなりました。

詳細は次のスライドで説明します。以上の結果、営業利益は前年同期比20.8パーセント増益の89億円、営業利益率は6.0パーセントとなりました。

連結販売費及び⼀般管理費の状況

販売費及び一般管理費の詳細です。販売費は、デジタル販促施策の推進と新型コロナウイルスの感染拡大による販促施策の見直しを行ない、前年同期比23.8パーセント減の約12億円となりました。人件費は、積極的な出店に伴う採用の増加や新型コロナウイルスへの対応による店舗業務量の増加により、前年同期比13.3パーセント増の178億円となりました。一般管理費は、出店数の増加に伴う賃借料や減価償却等の増加、またキャッシュレス比率上昇に伴う手数料の増加により、前年同期比22.2パーセント増の160億円となりました。販売費及び一般管理費全体として、前年同期比15.1パーセント増の352億円となりました。

グループ既存店売上の状況

続きまして、既存店売上ですが、物販・調剤計で8.7パーセント増となりました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う大幅な客数の増加により、既存店客数は18.9パーセントのプラスでした。その客数増加に加え、来店頻度が高まったことによる買い上げ点数の減少および食品などの需要の高まりから一品単価が減少し、客単価は8.6パーセントのマイナスとなりました。調剤の既存店売上は7.4パーセント増となりました。

4月の診療報酬改定により一部でマイナスの影響が出ており、また新型コロナウイルスの感染拡大による医療機関への受診控えや処方日数の長期化による受診回数が減少し、処方箋枚数は前年同期比6.5パーセント減となったものの、処方箋1枚あたり単価が15.1パーセント増加したことにより、既存店売上は7.4パーセント増の結果となりました。

物販ですが、スギ薬局事業、ジャパン事業の合算で、前年同期比9.0パーセント増となりました。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、インバウンド事業が低下したものの、マスクや衛生用品、食品などの需要が高まり、大きく伸長しました。

価値創造プロセス 〜トータルヘルスケア戦略の推進〜

ここからは、中期経営計画と当社のESGの取り組みについてご説明します。経営戦略の説明に入る前に、当社グループが掲げるトータルヘルスケア戦略について今一度、簡単に説明します。

少子高齢化、人口減少に伴う医療費増大を背景に、健康や予防、質の高い医療サービス、高齢社会を支えるインフラ整備など、社会課題や構造の変化からお客さまの生活や消費に関する価値観が大きく変化しています。このような中、当社は、ドラッグストアとしての物販事業をベースにさまざまなヘルスケア事業を展開をし、生まれてから亡くなるまでお客さまがどのような健康状態であってもそれぞれのステージで個々の状態に合わせた最適な商品、サービスを提供できる事業モデルの構築を目指しています。

また、地域の自治体や、企業、健康組合、医療、介護従事者とのつながり、信頼を大切にし、関係構築を進めています。同じ志を持った企業や自治体と協働、協業をしながら、この戦略を推進していきたいと考えています。

このトータルヘルスケア戦略を推進するための中期経営計画ですが、当社は、2018年度から攻めの経営にシフトし、経営基盤の拡充、成長戦略の展開を進めてきました。これらの取り組みの成果が出始めている中、よりスピード感を持って企業価値を向上させるべく経営戦略を見直し、2020年度からの3ヶ年で中期経営計画に基づく事業展開を進めていきます。

中期経営計画の骨子

成長戦略とそれを支える経営基盤強化について説明します。成長戦略は、「営業力の強化」「顧客生涯価値経営の強化」「協働・共創の拡大」の3部構成です。それぞれ簡単に説明をします。

まず、「営業力の強化」ですが、既存領域の強みである調剤事業を中核とした次世代型店舗への進化です。2つ目の「顧客生涯価値経営の強化」は、リアルとデジタルを融合したトータルヘルスケア戦略の推進により、一人ひとりのお客さまと長期に、また生涯に渡りトータルで接点を持たせていただくことで、顧客生涯価値を高めていきます。デジタルも積極的に活用し、さまざまな商品、サービスと実店舗と、オンラインで提供していきます。3つ目に、「協働・共創の拡大」です。当社が目指す姿は当社だけでは実現できません。スピード感も出ません。むしろ積極的に同じようなビジョンを持つ企業と協働をしていきます。提携、M&Aについては、志を同じくする企業と協働して新たな価値を創造していきます。

情報連携による価値連鎖プロセス全体の最適化については、お客さまの購買行動が大きく変わっていく時代であるからこそ、メーカー、卸、小売が情報連携を密に行ない、新たな信頼関係で「Win-Win-Win」となれる取り組みを推進していきます。

続きまして、経営基盤強化については、「経営のデジタル化の推進」「生産性の改善」「人財・組織の強化」の3部構成です。

まず、「経営のデジタル化の推進」ですが、AIやRPAなどのデジタル技術を活用することで、お客さまの購買体験の改善や当社の既存データを活用した新たな収益機会を獲得するとともに、生産性の高い業務を実現することで、経営の効率化を進めます。2つ目の「生産性の改善」は、居抜き物件比率の向上や建築コストの低減、新店の立ち上げ強化により、投資効率の高い出店を目指します。また、精緻な業務量予測に基づく最適な人員配置、パート化及び機械化の推進、個店間格差の是正により、生産性の高い業務を実現をしていきます。これらの戦略を推進する人財、組織の強化を進めていきます。

中期経営計画

これらの経営方針の基、今後3ヶ年の新中期経営計画として、23年2月期に売上高7,100億円、営業利益370億円、営業利益率5.2パーセントを目指していきます。18年2月期に発表した前中期計画は、オーガニック成長での売上高5,400億円を1年前倒しで達成をしましたが、量的拡大を加速させたこともあり、営業利益の目標は未達となる見込みです。

新しい中期経営計画では、3年間の実績、現状の課題、成長戦略を踏まえた上で、収益性と成長性をバランス良く実現させていきます。新中期計画の最終年度にあたる23年2月期は、売上高7,100億円、20年2月期比31パーセントの増収、営業利益370億円、同24.3パーセントの増益、当期純利益245億円、同17.9パーセントの増益を目指します。これは、年平均成長率9.4パーセントの売上成長を計画しています。主な前提として、出店数は21年2月期に120店舗、その後年間120店舗前後。閉店数は21年2月期に20店舗、その後年間30店舗前後を見込んでいます。

既存店売上高は、物販は21年2月期1.8パーセント増、その後は1.5パーセント前後。調剤は21年2月期9.5パーセント増、その後は10パーセント前後を見込んでいます。売上総利益率については、従来からの仕入れ強化及び開発商品の開発、販売強化に加え、お取引先さまとの情報連携による製造から販売までの価値連鎖プロセス全体の最適化によって、23年2月期には20年2月期比0.1ポイントの改善を見込んでいます。

販売費及び一般管理費については、前期までの大きな課題であった賃料と人件費について説明します。

賃料については、従来からの当社の強みである、郊外住宅地の出店を中心に行なっていきます。近年、新築の比率が高まってきましたが、本中期経営計画においては居抜き物件の出店比率を高めます。また人件費は、デジタル技術を活用した既存業務の最適化や業務の廃止、パート化、機械化を図ることで、生産性の高い業務の実現を目指します。販売費及び一般管理費は、23年2月には20年2月期比0.4ポイント増加に抑える計画です。

以上、新中期経営計画の最終年度にあたる23年2月期は、売上高7,100億円、営業利益370億円、当期純利益245億円を目指します。これにより、1株あたり当期純利益は397円、ROEは10.7パーセントを予想しています。

今期、21年2月期の業績見通しの前提は、スギ薬局118店舗、訪問看護ステーション2拠点を併せた120店舗の計画です。退店は20店舗を見込み、純増100店舗の計画です。

投資金額は、今期は増額の見込みです。新店投資は、新築物件や大型物件などが既に計画されていますので、出店120店舗で205億円の投資を計画しています。また、改装投資は20億円を計画しています。そのほかに基幹システムなどの大型システムの入れ替え等で35億円の投資を計画しており、合計で260億円の投資を計画しています。

以上の前提により、2021年2月期は6,000億円の売上、300億円の営業利益、200億円の当期純利益を目指します。

ESGの取り組み

続きまして、当社グループのESGの取り組みについて説明をします。

トータルヘルスケア戦略を推進し、質的にも量的にも成長を続ける当社は、社会的な責務も著しく増加をしていると認識しています。国内における少子高齢化や人口減少問題、また、国内外問わず気候変動や資源問題、人権問題などさまざまな社会課題が顕在化、深刻化しています。

当社グループは、経営理念の基、地域の人々の生活に密着し、社会の変化に適応し、かつステークホルダーの要請、期待にしっかりと応えていくことが重要であると考えています。このたび、「サステナビリティ基本方針」を定め、4つの持続可能な企業活動における重要課題を設定し、取り組みを推進していきます。

詳細については、当社HPに「スギホールディングレポート」として資料を掲載をしていますのでご覧いただけますと幸いです。以上、スギホールディングス第1四半期の決算説明を終了します。

記事提供:ログミーファイナンス

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