こんな素晴らしい健康食品を食べない選択肢はあるでしょうか? しかも、食品スーパーなどで市販されている納豆は非常に安価であり、いつでも簡単に入手することができます。それを示すかのように、近年は納豆の市場規模も拡大し、現在は年間約2,000億円と見られています。

関西で納豆を食べない人が多い理由は謎のまま

しかし、納豆が嫌いな人、食べられない人がいるのも事実です。

全国納豆工業協同組合連合会が2019年6月に発表した「納豆に関する調査」によると、「納豆を食べない理由」(複数回答)の第1位は「昔から食べる習慣がない」の48.5%、次いで「臭いが嫌い」47.1%、「味が嫌い」31.9%、「ねばねばした食感が嫌い」24.4%となっています。

また、「納豆を食べる頻度」で「全く食べない」と答えた比率を地域ごとに見ると、近畿地方が21.0%で第1位、第2位は中国四国地域の20.7%となっています。

実は、「納豆の日」(7月10日)を制定したのは、一昔前は“納豆不毛の地”とまで言われた関西にある「関西納豆工業協同組合」なのです。1981年、関西での納豆消費拡大のために制定し、その後1992年に組織再編で出来た「全国納豆工業協同組合連合会」が改めて「納豆の日」として制定しています。

しかし、なぜ関西では納豆をあまり食べないのか、その謎は残ったままです。

それはともかく、結果的にはガセ情報だったとは言え、今回のコロナ禍で大きな注目を集めた納豆の健康効果を確かめたいものです。納豆が好きな人も嫌いな人も、そして、今まで一度も食べたことがない人も、改めてその味と臭いを堪能してみてはいかがでしょうか。

【参考】
「納豆品薄! 業界困惑「コロナに効くというデマ流れている」(ITmediaビジネスonline、2020年3月19日)
「納豆が消えた! 新型コロナ対策で?品薄、欠品状態」(日刊スポーツ、2020年3月11日)

葛西 裕一