エピソード2. 会社は解雇、そして離婚へ…

「自分は3人の子どもを持つ、50代の極々平凡な中年サラリーマンでした。それが今や職も無く、これからの未来が不安で仕方ありません。私がそんな状態になってしまったのも、ちょっとした出来心が原因でした。

当時、私はとある会社の営業マンとして働いていました。年齢的にも社内ではそこそこの地位を得ていて部下もおり、日々の小さな不満はあれど公私ともに順当な生活を送っていました。そんな私の元に、新卒のB男君という男性社員が配属されました。実は彼、同じ会社の社員であるC子さんの息子さんだったのです。

C子さんとは顔見知り程度でしたが同じ年代ということもあり、彼女の息子さんの入社をきっかけに顔を会わせれば会話を交わすようになりました。そうしているうちに、社員同士という関係性を超えて、個人的なお付き合いを始めてしまったのです。

C子さんはお家の都合で短期休職中、私は営業マンということもあり、日中に社外で逢瀬を重ねることはさほど難しいことではありませんでした。その日もC子さんの自宅近くの公園で落ち合い、営業車で逢瀬を重ねていたのですが、何やら視線を感じました。

無粋に窓ガラスをノックする音の方向に目線をやると、B男君がただただ冷たい視線を向けて立っていたのです。C子さんは一気に顔が青冷め、私もその後の記憶が定かではありません。

結果的に、このことは社内だけでは無く私の家族にもばれてしまい、会社は解雇され、妻からは離婚届けを突き付けられました。3人の子ども達からも、今後父親として会うつもりは無いという言葉を最後に、顔を会わせてはいません。

現在求職活動を続けていますが、年齢もさることながら解雇理由も影響してか、なかなか決まらず焦るばかりです。いまさら後悔しても遅いですが、出来ることなら数か月前のあの頃に戻りたいです。」