2020年5月25日に行なわれた、味の素株式会社2020年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:味の素株式会社 取締役社長 最高経営責任者 西井孝明 氏\n味の素株式会社 常務執行役員 中野哲也 氏

Ⅰ-1. 2020年3月期 :決算概要

中野哲也氏:それでは、中野より決算概要と業績予測について説明します。決算概要ですが、売上高は減収、事業利益は増益となりました。このうち、重点事業での成長は約3パーセントとなっています。

2019年度の新型コロナウイルスの影響は全体では軽微でしたが、調味料・食品は各国で外食の閉鎖により外食向けの製品や、また、うま味調味料、風味調味料の大容量品の販売が落ち込みました。

一方で、家庭内需要は、家庭でのストック目的も含めて増加し、それから一部の国で営業活動が制限を受けました。冷食は国内外で、家庭用は販売増、外食向けデザートは大きく減少となりました。また、アミノ酸は、医薬用アミノ酸が輸液用途などで一部増加したものがあります。といったことが起きましたが、全体での影響は軽微です。

親会社の所有者に帰属する当期利益は、アセットライトの一部の前倒しも含め、主に減損損失の計上により188億円となりました。3ヶ年の目標には届かなかったものの、売上高営業利益率は9パーセントとなり、また、主に減損の計上でROEは3.3パーセントとなりました。

Ⅰ-2. 2020年3月期 :事業利益の増減要因

ここでは第2四半期に修正した事業利益予測との対比を行なっています。主に、電子材料の販売増、冷食・コーヒー・海外調味料加工食品のコスト改善、とくに低資源利用発酵の効果による上振れと、動物栄養では単価が一部想定に対して下げ止まったことによるものです。

Ⅰ-3. 2020年3月期 : 減損損失計上

第3四半期までに計上したものに加え、第4四半期のトルコの調味料事業における新型コロナウイルスの影響等も考慮し、2020年度以降の計画を見直した結果、22億円の減損を計上しています。

Ⅰ-4. 2020年3月期 :当期利益

ここでは、減損損失に加え、その他の155億円の中に特別転進支援施策の費用65億円を計上済みです。

Ⅰ-5. 2021年3月期 : COVID-19が事業に及ぼす影響

スライドのシナリオをもとに、各国のGDPが今後低下していくことを含め、また足元の4月の状況を見た上で、新型コロナの影響を出しています。

Ⅰ-6. 2021年3月期 : 業績予想に反映したCOVID-19影響

こうした前提で、新型コロナの影響を見込んだ結果、売上高で約760億円、事業利益で230億円のマイナスの予測を含めています。のちほど、西井の説明にもありますが、これから実行していく対応策は、まだ十分予測に含められていないものが多くあります。

Ⅰ-7. 2021年3月期 :COVID-19各国経済への影響見通し

影響が大きくなった理由なのですが、この図にあるように、当社がビジネスを行なう主要な国での経済回復が2021年度以降になると想定しています。

Ⅰ-8. 2021年3月期 : COVID-19の業績予想への影響

これは、四半期ごとの売上高と事業利益に対する影響を想定したものです。調味料、食品のアジアと南米、冷食の北米・欧州が大きく影響を受ける見込みです。また、製薬カスタムサービスで顧客の開発スケジュールが一部遅れ、そのような影響を受けることになります。

四半期ごと、エリアごとに影響を見積もっていますが、現時点では対応策が織り込めていない部分もあり、想定したシナリオにおけるマイナス影響を最大限織り込んだ状況が国ごとに刻々と変わっており前提も変化していきますので、今後、四半期ごとに前提と実績の差異をアップデートしていく必要があると考えています。

Ⅰ-9. 2021年3月期 :業績予想

現時点での業績予測は減収・減益としています。対前年での為替影響は売上高で約400億円、事業利益で約30億円のマイナスで入っています。当期利益は225億円、ROICについては3.0パーセントとなります。

Ⅰ-10. 2021年3月期 :当期利益

ここでは2020年度、構造改革ステージとして、その他の営業費用の292億円の中に、約160億円の構造改革費用を含んでいます。内容についてはまだ言えませんが、非重点事業等に関するものです。

Ⅰ-11. 2021年3月期 :重点KPI(全社)

中期経営計画の目指す行動に対しての2020年度の指標の予測ですが、新型コロナウイルスの影響で思ったように伸長できていないということです。ROICについては新型コロナウイルスと為替の影響を除くと、約4.7パーセント程度、また、オーガニック成長率は105パーセントともともとの予定を立てていました。

また、単価成長率を上げていく方針には変更がなく、減塩等プレミアム製品の上市、それからプロダクトミックスによる単価貢献の計画は、計画に沿って続けますが、新型コロナウイルスの影響による値上げや売上の減少等もあり数値化できていない部分があります。

Ⅰ-11. 2021年3月期 :重点KPI(新セグメント別)

また、セグメント別の重点KPIについては、こちらのようになります。オーガニック成長については、新型コロナと為替影響を除くと、調味料・食品で約106パーセント。冷食は行動改革等もあり100パーセント、ヘルスケアで110パーセントです。

Ⅰ-12. 2021年3月期 :アセットライト化の施策

中計における計画の中で、2020年度に取り組む内容です。

Ⅰ-13. 2021年3月期 :財務戦略

計画の中の財務戦略の部分ですが、2020年度配当については当期利益の水準から40パーセントとしましたが、32円となる予定です。また、財務戦略の1つで非支配分の株式の買取等は着々と進めており、タイ味の素については2019年度末で94.5パーセントになりました。

Ⅰ-14. 2021年3月期 :ESG施策 環境・社会

こちらはESGの施策で、温室効果ガスについてはSBT認証を4月に取得しています。

Ⅰ-15. 2021年3月期 :ESG施策 コーポレートガバナンス

最後に、コーポレートガバナンスの観点で3点お伝えします。新監査役候補として、引頭氏を挙げています。それから、役員の中期業績連動報酬の指標に、ROIC等に加えてTSRを用います。また、監査法人については25日の適時開示のように、監査継続年数も考慮し、あずさ監査法人への変更を予定しています。私からは以上です。

COVID-19との闘い(CEOメッセージ)

西井孝明氏:みなさま、こんにちは。社長の西井です。それでは、私から新型コロナウイルスの影響と、それから構造改革、中計で掲げた改革の進捗について、主にお話ししたいと思います。

まず、重ね重ねになりますが、今回の決算報告が大変遅くなりましたこと、大変ご迷惑をおかけしています。申し訳ございません。

そして、またこの医療の現場で社会崩壊の最終防衛戦を支えていただいている関係者のみなさまに大変感謝を申し上げたいと思います。彼らのおかげで私たちは事業継続できているという思いです。

それでは私からは、これまでの新型コロナウイルスとの闘いの期間を通じて、どのように今この状態を捉えているのか、この業績への影響をどのように底上げしていくのか、中期計画の進捗にどのような影響を与えるのかについて、重点をおいて報告させていただきたいと思います。

今、味の素グループは新型コロナとの戦いについて、このような気持ちでいます。味の素グループは、事業継続への深い感謝の気持ちと、新型コロナウイルスと闘う人々のウエルネスの実現にワンチームで全力を尽くしていきます。

2020年度への業績への影響は大変大きいものがありますが、多くの人々が健康的な新しい生活を求める「うねり」があると思います。これを捉えて、このマイナス影響を極力縮小し、2021年度のV字回復に向かって中期計画の変革を実行していきたいと思います。

今年、中計のスタートという年にこの新型コロナウイルスの影響を受けていますが、とくに、これまで3月の終盤から2ヶ月間は感染から社員を守って、生産活動を止めないことに現場はかかりきりになり、いわば防衛戦を展開していきました。

業績の観点ですと、全体では、内食はよいのですが、外食のマイナスが響いています。日本国内は、内食の需要でかなりカバーできていますが、海外は難しいと見ています。なかでも、外食の構成比が比較的高い冷凍食品は厳しくなっています。

地域的に見ると、南米、北米は感染拡大の勢いがまだまだ強く、相互に人材の交流があるところから第2波の可能性が極めて高いと見ています。新型コロナウイルスによる影響は長引くと見ており、このエリアはワーストシナリオを組んでいます。これは発表というよりは、当社が現地の法人とコミュニケーションをした現場目線での私たちの考えです。

しかしながら、日本を含めたASEAN諸国については、ようやく新型コロナウイルスと共存する中で、社会や経済活動の再開のステージに入ってきたと見ています。

私たちは、この業績予想の数字に決して甘んじるわけではなく、これから底上げをすべく施策を打っていきます。中計で掲げた構造改革は止めません。長引くコロナとの闘いにおいては、当社が得意とする食生活の改善とヘルスケアの事業で貢献できると考えています。

Ⅱ-1. COVID-19との闘いをASV実現の“アクセル”に

当社はこの新型コロナウイルスとの闘いを、長期的なビジョンを実現していく上で中計の戦略のアクセルを踏む時期だと捉えています。

新型コロナとの闘いで、人々の心と身体の健康が脅かされています。先日、テレビで京都大学の山中伸弥先生が次のようにおっしゃっていました。このウイルスに感染して重症化する患者を見ていると、メタボリックシンドロームに由来する疾病が非常に短期間に進み、多臓器に悪影響を及ぼしているように見えるということでした。

当社は減塩や高齢期に低栄養障害が起きないような食生活の改善を最重要テーマとして事業を強化しているところです。実際に、食生活と生活習慣病の関係について、人々の知見が高い日本においては、減塩関連の製品の販売が急に伸びています。

当社の事業活動の強化を通じて、世界中の生活者のみなさまの健康に貢献していきたいと思います。これ以降、どのように闘っていくかについてご報告します。

(投影のみ)COVID-19との闘い(全従業員の力を結集する取組み)

これまでの私たちの闘いについて、事例を交えてご説明します。従業員と家族、パートナーの健康を最優先に考え事業活動を続けるため、スライドの写真のように、経営陣から従業員を勇気づけ、医療従事者の方やサプライヤーのみなさまへの感謝を伝えるメッセージを何本も送り、ワンチームで闘うモチベーションを高めあっています。

従業員は、エッセンシャル事業で社会に貢献できていることに誇りをもっています。一丸となって闘うという一体感は現在非常に強くなっていることをお伝えしたいと思います。

それから、本社をはじめ日本国内の主要グループ会社は、生産部門以外約9割の従業員が在宅でのリモート勤務にスムーズに移行できています。

働き方改革で進めてきたさまざまな取り組みが功を奏していると見ています。非常事態対応、新型コロナウイルスと闘う施策や、中計に沿った変革業務の共有を遂行していく業務については、むしろ効率的に進んでおり、この機会にさらに前進させたいと考えています。

Ⅱ-2. COVID-19との闘い(生産現場の取組み)

一方、やはり生産部門や営業部門は大変苦労しています。しかし、世界中のすべての工場で生産活動は続けています。深刻な市中の感染拡大が続いている米州では当社の生産従事者にも罹患者が出て、その都度ラインの停止や全消毒等、必要な措置を講じてからの生産再開を続けています。

外食用の冷凍食品を中心として生産しているアメリカやヨーロッパの工場は、需要が激減して一定期間の生産調整も余儀なくされています。また、厳しい都市封鎖が実施されましたEU、それからフィリピン、マレーシアでは操業を落とさざるを得ない状況でした。

一方で、日本の家庭用食品など一気に需要が拡大した事業については、生産が追いつかず物流の問題も出て、小売業のみなさまに特売の中止をお願いしている状況で、一部の商品については休売して主力品だけをつなぐ東日本大震災のときに構築したBCP計画を発動しています。

今後への影響として、秋以降に予定している新製品の開発が遅れたり、これから設備投資に遅れが出たりということも見えてきており、今期に対処すべき課題となっています。

25日現在で、グループ従業員の罹患者は96名であり、とくに南米、米国での罹患者がほとんどとなっています。

Ⅱ-3. COVID-19との闘い(事業継続への取り組み)

生産継続の取り組みに加えて、調達の維持に向けたサプライヤーとの関係強化を行なっています。一部の企業においては、支援が必要なところも出ており、サポートを行なっています。

また、資金面においては十分な手元流動性が確保できており、このことに加えて、主要取引銀行との間でのコミットメントラインをすでに設定しており、先々の資金の安全性についてはご心配いただくには及ばないと思います。

また、リスクマネジメントの闘いの長期化対策として、前に一度、事業縦ラインの対策構築に加えて、地域を横断して新型コロナウイルスの影響の予測と実態を常にアップデートしつつ、共存期の追加施策と回復期に向けた戦略の検討を目的にしたシナリオプランニングミーティングをグローバルに展開中です。

Ⅱ-4. COVID-19との闘い(医療従事者や生活者への感謝と施策)

 

社会的な支援活動について述べます。医療従事者の方々への感謝や、生活者を支援する施策を実施しています。こちらに挙げたものをすでに実施済みですが、2番目のポイントだけご説明します。

アメリカのアジ・バイオファーマサービスを通じて、アメリカ連邦緊急事態管理庁とPCR検査に使われるウイルス検体を入れるバイアルを提供する契約を締結しました。9月末までに250万本をご提供していきます。

現在、またここに加えてサプライチェーンパートナーや外食店への支援、企業の健康保険組合との連携を検討しており、食と健康の課題解決企業として、できるかぎりの社会的な応援をしていきたいと思っています。

Ⅱ-5. COVID-19との闘い(グローバルコミュニケーションの改訂)

それでは、ここからは今後の共存期の闘い、すなわち、どのようにこの苦境を巻き返していくかについてご報告します。

最初にご紹介するのは、5月のはじめにグローバルコミュニケーションを改定したことです。広く世界中の人々に食生活の改善を応援メッセージとして伝えはじめています。今、すべてのグループ会社がこのメッセージをホームページに掲げて活動しています。

「味の素グループが、いま、何よりも大切に思っていること。お客様へ、栄養バランスの良い食事と健やかな毎日をサポートしたい。Eat Well,Live Well」と呼びかけながら、免疫を低下させない食事、睡眠、運動の提案、そして医療従事者のみなさまへの感謝の表明と支援施策の紹介をしています。

現在は、サプライチェーンパートナーとの協働、そして生活必需品の供給を続けていく施策も準備中であり、それ以外にも今後追加していく具体的な施策についても、この応援メッセージの中にこめて発信を続けていきます。

(参考)COVID-19との闘い(共存期を事業機会とする追加施策)

新型コロナとの闘いの中で、消費活動の観点で伸びている市場に注目しています。2020年度の負の影響を縮小して、2021年度以降の成長を確実にするためのファインディングスと考えています。

こちらにお示ししたグラフは、日本の年間アクティブユーザーが130万人であるオンライン家計簿のデータです。左の図がeコマース(EC)、それから宅配などの利用金額が4月からゴールデンウィークにかけて大変大きく急進しているのが見ていただけるかと思います。

同様の情報は、アメリカやタイなどからも受けています。これまで、決して高いとは言えなかった食品におけるeコマース(EC)や宅配の比率が今後急拡大して、これらがニューノーマルに定着してくることを捉えたいと思います。

2つ目のポイントは、健康系の食品が伸びているということです。日本においては、内食化により全体でサプリメントの需要には逆風が吹いています。食品においては、とくに減塩、糖質制限、タンパク質摂取等の関連商品の伸びが非常に顕著です。

アメリカではここまで詳細な情報は取られていませんが、健康軸を中心とした食品が伸びていると聞いています。これらの2つを巻き返し策の核に据えていきたいと思います。

Ⅱ-6. COVID-19との闘い(共存期を事業機会とする追加施策)

共存期に入り、巻き返し策としてどのような追加施策を実施するかをスライドの1番に示しています。大変申し訳ありませんが、今回は間に合わず、本日の業績予想に施策は反映できていません。外出規制の緩和とともに業績の底上げの施策ということで、つなげていきたいと思います。

ポイントは3点あります。活動制限で中断していた減塩、高齢者の低栄養解決のための販売促進、製品開発を強化して再開したいと思います。2つ目は先ほど触れたeコマース(EC)です。こちらは、日米のネットスーパーでの販促強化も加えて強化していきたいと思います。アミノ酸サプリメントは、これまで自社通販での販売を行なっていましたが、マーケットプレイスをeコマース(EC)に出店し、調剤薬局への販路の拡大も計画しており、今後は巻き返しをはかりたいと思います。

大きい2番は、変革は止めないというメッセージです。3月25日にIRデーでご報告した、CEO直下の2つの変革タスクフォースについては、この環境の中にあっても着実に進めてきています。事業モデル変革タスクフォースは、新たにCIO(チーフ・イノベーション・オフィサー)を任命しました。彼を中心として、社内のタスクフォース運営体制を整備し、フードtech関係の外部企業とのアライアンスを加速させています。

この分野は、ベンチャー企業との資本提携が必要と考えており、外部の専門家を招聘し新たに調査部を設置することとしました。今、この体制の中でコーポレートベンチャーキャピタルの設立も検討をしています。全社オペレーション変革タスクフォースは、新たにCXO(チーフ・トランスフォーメーション・オフィサー)を任命しました。この大きく3つのテーマに取り組んでいます。

ROICを経営手法とする各段階のKPI設定と管理会計のシステム化を統合します。サプライチェーンマネジメントの改善、そして直管財のコストダウンについて統合を行ないます。従業員のエンゲージメントを高める組織マネジメント施策を統括して推進体制を整えつつあります。

この2つのタスクフォースとも人事異動を経ていまして、7月1日には実組織で推進体制を整えていきます。これらのことが、2021年以降の回復につながるように、CEO主導のワンチームで成果を出していきたいと思います。

今ほどお伝えした追加施策と、それから変革へのタスクフォースについては、3ページのスライドに記載をしているため、のちほどご確認をいただきたいと思います。

Ⅱ-8. 2021年3月期 :CEO直轄タスクとDXで変革推進

変革のタスクフォースについてご説明します。ワンチームとお伝えしましたが、このマトリックスでの体制について、少しうまくいかないのではないかというご懸念があるかと思いまして、どのように進めるかというポイントについて整理をします。

この図のように、3月25日からアップデートしていますが、大変留意した点は、私をリーダーとしたワンチームで進めていくことであり、そのあたりを内部で固めています。そのためにルールを明文化し、横串にあたるCIO、CXO、それからCDOの取り組みについては、意思決定の不明瞭さを排除すべく、これらが横串を主導するかたちで進めていくのを明文化しています。それから3点目としては、主導力を高めていくために、ベストパートナーとなる社外の専門家と提携し、一部の人材は当社に採用をしています。

Ⅱ-9. 2021年3月期 :ASVエンゲージメントを高める変革

私から最後のご報告です。2月に発表した、中期経営計画で企業文化を変えていくという経営の強い意志を示させていただきました。これを新たに、全組織に浸透していく活動をご報告します。

スライドの表に掲げたように、今年から毎年の組織マネジメントにこのような流れをしっかりと組み込んで運営していきます。説明しますと、私からの全グループへのオンラインの説明会を実施し、中計の意味を説明しています。

それと同時に、味の素本体については、私とのオンライン対話を実施し、生産部門や営業部門を除くほぼすべての組織を今日までにカバーしています。

3点目としては、コーポレート両事業本部長を中心とする対話を開始しています。外出制限明けには、これをリアルでも実践していきたいと思います。

それから、4点目としては、これらの中期計画についての個人がどう取り組んでいくかという個人目標の発表会をほぼ100パーセントの職場で実施をすることを新しく加えています。

5点目としては、当社のグループのベストプラクティスを表彰するASVアワードです。6月の開催は難しくなったため、9月以降に延期しますが、必ず実施してモチベーションを高めていきたいと思います。

そして6番目としては、今年から毎年実施することにしたエンゲージメントサーベイを8月から9月にかけて実施し課題を抽出した中で、この変革に対しての全社の取り組みを強化し、来年の事業計画に反映していきたいと考えています。

最後に直接対話を通じた感想を言わせていただきます。この新中計に対する従業員の共感と支持が極めて高いと感じています。新型コロナの影響の中で、非常に不自由な仕事環境ですが、社員の結束はむしろ高まっていることを報告したいと思います。

最後に、この2020年度は残念ながら非常に厳しい業績見通しを立てざるを得なかったと思います。しかしながら、この環境については、私たちのビジョンを実現し、食と健康の課題解決企業に生まれ変わる機会だと考えていました。2021年度に必ずV字回復を成し遂げて、中計の目標は変えずに実行していきたいと考えています。

私からは以上です。ご静聴ありがとうございました。

記事提供: