老後のお金を貯められない「心の問題」を克服する、ちょっとしたルール

「メンタル・アカウンティング」という言葉を聞いたことがありますか? 「心の会計」と日本語にすることもあります。

お金のことを考えるときに理論や理性よりも感情の方が強く出てしまう非合理的な行動のことを、行動経済学では「行動バイアス」と呼びますが、心の会計もそうしたバイアスの一つです。

お金に色はついていないはずだが・・・

具体的な例を考えてみましょう。あなたは、仲間を誘って“ちょっと贅沢なランチ”にいきたいなと思っています。

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先月、頑張って働いたこともあって残業代が1万円増えました。このお金で“ちょっと贅沢なランチ”に行きますか? 宝くじが当たってちょうど1万円受け取ることができたなら、行きますか?

「宝くじが当たったのなら“ちょっと贅沢なランチ”に行ってもいいけど、残業代の増えた分では嫌だな」と思う人は多いと思います。宝くじの当選金の方は何となく“あぶく銭”のように感じて、「パーっと使ってもいいかな」という感情が強くなります。

でも本当は、当選金でも残業代でも同じ1万円です。お金に色がついているわけではありませんから、こうした使い方に違いがあるのは合理的ではありませんよね。これが感情に動かされる「心の会計」というバイアスの一例です。

ライフプランの作成でも起きる「心の会計」

ライフプランを作成するときやファイナンシャル・アドバイスを考えるときには、「ライフサイクル仮説」という理論がよく使われます。

「人は生涯における総所得と総支出が一致するように合理的に行動する」として、所得が相対的に多い現役時代には合理的に支出を抑えて、上回った所得分は将来の(老後の)支出に充てるように残していく(=資産形成する)、という考え方です。

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野尻 哲史
  • 野尻 哲史
  • フィデリティ・インスティテュート 退職・投資教育研究所
  • 所長

国内外の証券会社調査部を経て、2007年より現職。アンケート調査をもとに個人投資家の資産運用に関するアドバイスや、投資教育に関する行動経済学の観点からの意見を多く発表している。
日本証券アナリスト協会検定会員、証券経済学会・生活経済学会・日本FP学会・行動経済学会会員。
著書には、『老後難民 50代夫婦の生き残り術』、『日本人の4割が老後準備資金0円』(講談社+α新書)や『貯蓄ゼロから始める安心投資で安定生活』(明治書院)などがある。
調査分析などは専用のHP、資産運用NAVIを参照