子供の金銭感覚が十分に養えない

普段の買い物で何かをねだることはほとんどないのですが、ネットショッピングをしていると「買って!」「これ欲しい!」と言われる回数が極端に増えました。どうやら、購入時の金銭のやり取りを直で見ないため「お金を払って買った」という感覚が芽生えてこないようなのです。

目の前にお金があれば、商品と引き換えに支払って自分のものになるというのはある程度成長した子供なら理解できます。しかし、ネット上のやりとりでは現金は登場しません。漫画の価格がいくらかは分かるけれど、実際に払っている姿を見ないと、子供は「売買」を実感できないようなのです。

筆者のように小銭を握りしめて駄菓子屋に通い、金銭感覚を鍛えた人間からすると、今の子供は現実の金銭感覚を養う場が極端に減っていると感じます。生まれた時からネットショッピングや電子マネーが当たり前のようにある生活では、子供が自然とお金の勉強をするのは難しいのではないでしょうか。

ネットショッピングは便利だけれど・・・

今回の外出自粛期間中には思いがけず、子供と一緒にネットショッピングをするのは買いすぎの危険と隣り合わせであること、これだけ世に浸透しているネットショッピングに対して正しい知識を学ばせることが大切であることに気づかされました。

そうでないと、今の子供達が大人になったとき、金銭感覚を持たないで収入以上の支出をし、困窮する人が続出するのでは?と不安に感じます。

日本では子供とお金の話をするのは避けるべきことだと思われてきましたが、現金を使用しなくても物を買うことができるようになった今、親子でお金の話をして「マネーリテラシー」を養っていくことも立派な家庭教育かもしれませんね。

中山 まち子