体力的にきつい高齢出産に対して…。

Aさんが妊娠したのは、33歳の時。酷いつわりに悩まされ、派遣契約の満期を待たずに退職を決めてしまったほどだったそうです。

「とにかく吐き気が治まりませんでした。『身体のことを第一に考えて』と言ってくれた夫の言葉に甘えて退職した後も、食事をほとんど摂れない時期が続いて、ちょっと弱音を聞いてもらおうと実家の母へ電話をかけたんです。」

ところが、Aさんのお母さんは開口一番、思いもよらぬ言葉を発します。

「私があんたを産んだときは、今のあんたより10歳も若かった。やっぱり、早いうちに産まないとダメね。それに、あなた、仕事も辞めて、次男の嫁という立場に甘えて義理の両親の世話もせずに怠けているから、そんな風に思うんじゃない?私は、義理の両親と同居で、妊娠中だからって特別優しくしてくれるような人でもなくて、いつも気を張っていたからね。気持ち悪いと感じる暇もなかったわ。」

『つわりは怠惰の証』『年齢が原因』など、何の根拠もなく、しかもAさんには対応しようもない実母のアドバイス…。心底がっかりしたAさんは、安定期に入って体調が落ち着くまで、実母に話を聞いてもらおうとは思えなかったそうです。