資産残高を金融機関に教えてはダメなワケ〜敵は「おまかせ型顧客」を待っている

銀行や証券会社などのウェブ上のロボアドバイザーに資産運用シミュレーションを申し込むと、必ず金融資産の種類や保有額を聞いてきます。

資産だけではなく、負債(借金)である住宅ローンや自動車ローンの残高等も聞かれる場合もあります。借金する際は、保有している資産があれば一種の担保になるのでいいとして、資産運用だけの場合にも根掘り葉掘り聞いてきますね。

もっとも、明日の天気でさえどうなるかわからないのに、数十年後の資産額が分かるはずはありません。診断結果は参考程度です。ただ入力データを適当に答えたとしても、自分の資産が他人に把握されているというのは気持ち悪いことです。

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他人に自分の資産内容を教えていいのか?

資産の多寡にかかわらず、自分の資産内容を他人に知らしめるのは、実に危険なことです。金融機関は守秘義務やシステムを堅牢化させて、個人情報の保護に努めていますが、運営するのは最終的に人間。魔が差すことだってありえます。だから、個人情報が漏れたり、売られたりするわけです(図表1参照)。

図表1:知能犯罪(詐欺・横領・背任)件数の推移

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出所:犯罪白書(令和元年版)より筆者作成(期間:1989年から2018年まで)

参考記事

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太田 創
  • 太田 創
  • 一般社団法人日本つみたて投資協会
  • 代表理事

関西学院大学卒。1985年、三菱銀行入行。1988年より約10年間、ロンドンおよびサンパウロで資金為替・デリバティブ等の運用、投資信託の管理業務に携わる。
その後、2000年からシティグループ(米)、UBS(スイス)、フィデリティ(米)、GCIにおいて投資信託のマーケティング・商品企画を統括。現在は一般社団法人日本つみたて投資協会・代表理事。
主要な著書には、『ETF投資入門 』(日経BP 2008年)、『お金持ち入門』(実業之日本社 2015年 共著)、『毎月3万円で3000万円の「プライベート年金」をつくる 米国つみたて投資』(かんき出版 2019年)などがある。