スズキ、通期は減収減益 インド四輪市場の回復遅れ等の影響で売上高は前期比9.9%減少

2020年5月26日に行なわれた、スズキ株式会社2020年3月期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。

スピーカー:スズキ株式会社 取締役常務役員 長尾正彦 氏

2020年3月期実績 総括

長尾正彦氏:今日は説明会にご参加いただきまして、ありがとうございました。それから、新型コロナウイルスの関係で残念ながらお亡くなりになられた方々もいらっしゃいますが、深くお悔やみ申し上げたいと存じます。また、入院されている方にもお見舞い申し上げたいと思います。緊急事態宣言の動きもだいぶ変化してきていますが、やはり医療従事者の方をはじめ、日々懸命に取り組まれている方々にも会社として感謝申し上げておきたいと思います。

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それでは、本題の決算の総括から始めます。2ページ目をご覧ください。一言で言いますと、通期の実績は減収減益です。数字は、スライドの上の表のとおり、売上高が3兆4,884億円で3,831億円減少です。営業利益については、2,151億円で1,093億円減少しています。パーセントで表すと33.7パーセントほど大きく減っています。1つ飛びまして、当期純利益ですが、こちらも1,342億円と前期比446億円減少しました。この減少幅が上の利益に比べて少なくなっているのは、前期の特損で完成検査のリコール対策費を計上した反動が出て、利益幅が縮小しているためです。世界販売台数ですが、スライドの下の表のとおり、四輪車の世界販売が285万2,000台で、インド、日本、パキスタンなどで減少しました。それから、二輪車は170万8,000台ということで、こちらも若干減少しています。

それから、一番下の配当金のところですが、ちょうど我々は今年の3月に創立100周年を迎えました。これをステークホルダーの方たちを含め、みなさま方に感謝する意を込めまして、1年間、記念配当分の11円を上乗せさせていただきたいと思っています。

四半期毎の業績推移

3ページ目をご覧いただきたいと思います。四半期ごとの業績推移をプロットしました。みなさまにもお伝えしましたように、ちょうど2019年の第2四半期あたりから減速してきていたわけです。ちょうどこの頃からインドにおいて、四輪が経済の影響を反映して不振となったのと連動しているところです。

今回、2020年3月期の第4四半期のところでは、8,623億円の売上にとどまり、利益が500億円を切り447億円ということで減少しています。とくに、第4四半期の最後のほうには、新型コロナウイルスの世界的な影響がインドをはじめ各国で出てきたのがこの中に入っています。

中期5ヵ年計画の振返り

それから4ページ目です。当期は2015年6月に発表した中期経営計画の最終年度にあたります。あらためてこの5年間を振り返り、表にしたのがこちらです。右側が当初の計画目標を達した、あるいは超えたときも、ちょうど真ん中の頃でございましたが、残念ながら、最終年度ではインド市場の回復遅れ等々で目標には達せずに終わったところです。

連結:売上高の状況

5ページ目をご覧ください。連結決算の詳細の売上高ですが、四輪、二輪、マリン他の事業別、それから、国内、海外、それぞれの地域別に分解した売上の数字がこちらです。国内合計のところをご覧いただきますと、1兆1,795億円ということで、792億円減です。

それから、海外計は2兆3,089億円で3,102億円減、その中でも4つほど降りていただくと、インドはさらにその半分ぐらいの1兆1,212億円で、1,870億円減と大きく減少しています。国内とインドと、インド以外の海外がちょうど3分の1ずつの比率になっているのがこちらでおわかりいただけるかと思います。それから表の下の為替換算影響は、売上高に影響を与えた為替差損が968億円ほど計上されています。

連結:営業利益増減要因

6ページ目をご覧いただきたいと思います。営業利益の増減要因を分解したものです。とくに1月以降にちょうど真ん中にあります売上・構成変化等が大きくへこみ始めて、ここだけ見ても1,272億円の減益要因になっています。トータルでみますと営業利益が1,093億円減少したわけですが、このなかでとくにコロナウイルスの影響は試算すると、だいたい128億円くらいと計上していますので、こちらも参考にしていただければと思います。

連結:為替レート

7ページ目は為替レートの実証です。だいたい各通貨ともに円高方向に振れまして、右側のような、営業利益為替影響が計上され、合計で297億円の減益要因となっています。

連結:設備投資等

8ページ目の設備投資・その他です。設備投資のところは単独と子会社合わせて当期実績で2,364億円です。前期が2,689億円、非常に高い実績でしたので、325億円ほどの減となっていますが、金額としては2,360億円で、日本あるいはインドの労力増強等々、やるべき投資は着実に積極的に進めてきたところです。減価償却費もそれに伴い、153億円ほど増えてきています。これは浜松の都田の工場など稼働に至ったものが出てきたことで、減価償却部分が増えてきています。

その下の研究開発費は1,481億円で、100億円の減になっています。こちらについてはいつも皆さま方に、ちゃんと進んでいるのかとご質問を受けます。今回もケース対応で計画を立てましたが、やっぱり年度末になり消化できなかったものが結構ありまして、残念ながらこのような結果になっています。

利益としては増益になっていますが、研究開発の遅れは今後新型コロナウイルスの影響が出て、成長投資のところは設備投資を含め、この北風に負けずに、このようなときだからこそしっかり売っていこうと社内で決意しているところです。

連結:キャッシュ・フロー

9ページ目をご覧ください。連結のキャッシュ・フローの推移です。業績低迷に伴いまして、営業キャッシュ・フローが1,715億円増加にとどまっています。それから投資者キャッシュ・フローはインドを中心に2,970億円ありましたので、フリーキャッシュ・フローとして見ると1,255億円のマイナスとなっています。財務キャッシュ・フローがプラスですが、807億円ほどあります。トータルとして、キャッシュ残高が527億円減の4,204億円残高になっています。

連結:事業別業績 (売上高・営業利益)

事業別の業績です。左から四輪事業ですが、トータル売上高で3兆1,574億円と3,751億円の減少です。営業利益は1,971億円で、その下のグラフのところは前期比1,067億円減少です。二輪事業については、2,426億円と125億円ほど売上が減少しています。営業利益も減少していますが、ぎりぎり7億円が水面上に現れており、3期連続で黒字がなんとか連続できている結果です。

マリン他の事業は主にマリンの関係ですが欧州での船外機や高齢者対策の電動車いすの売上が増加したため、トータルで884億円、営業利益は若干3億円の増加です。このうちのマリン事業だけを取りますと、売上高が745億円で営業利益は141億円、記載していませんが、ご参考にお伝えしたいと思います。

連結:所在地別業績 (売上高・営業利益)

次に11ページ目の、所在地別の業績です。これは左から日本、欧州、アジアですが、いずれの地域でも前期比で減収減益になりました。日本で1,232億円、前期比276億円減少、欧州で177億円、前期比53億円減少、アジアは627億円、前期比815億円減少です。

マルチ・スズキ・インディア社の業績

12ページ目ですが、マルチ・スズキ・インディアの決算発表が5月13日にあったため、右側に円で換算した額を参考に載せています。売上高が1兆1,114億円で前期比2,172億円の減、営業利益は587億円で前期比690億円大きく減少しています。売上高の減少、それから値引きの拡大がこのなかに入って得た結果です。

四輪車 生産台数実績

13ページ目以降は台数関係のご報告になります。四輪車の生産台数は、軒並み、前年割れが多くなりますが、とくにインド・日本・パキスタンで前年割れをしています。逆にミャンマーやインドネシアでは若干生産が増えています。

主要生産拠点の操業状況

生産の状況でコロナの影響を受けたのが主に3月下旬以降ですが、14ページ目に海外主要生産拠点での操業状況を掲載しています。日本は本日時点では全工場で操業できていますが、途中では一部停止がありました。それから、注目のインドですが、マルチについては、マネサールの操業が5月12日から再開できています。また、グルガオンの工場は5月18日から操業再開できました。その1つ下にあるSMG(四輪)は5月25日から操業再開に至っています。

インド関係は再開に至ったところではありますが、まだまだ本格的な稼働には少し時間が掛かるかなというところです。まだ少し、先行きが見えていないのがパキスタンの「操業×」と付けてあるところでして、今月いっぱいはまだ停止状態ですが、ロックダウンの解除がまだ政府から出されていないため、まだ未定です。一番下のハンガリーは4月29日から操業再開ができているところです。

新型コロナウイルス感染拡大防止 への支援・取組み

15ページ目のところは、新型コロナウイルスへの協力的な取り組みのご紹介です。日本でもマスク、あるいは自治体支援、それから外出自粛のためで籠もる時間が多くなりましたが、そのためのいろいろな取り組みを行ないました。それからインド関係は人工呼吸器の製造支援や、マスクを大量につくる、あるいは防護服を作ることで、寄付やそのようなことを大がかりにマルチで対応しています。

四輪車 販売台数実績

16ページ目の販売台数実績です。四輪車の販売台数は、先ほど生産等でお伝えしましたが、だいたいインド、日本、パキスタンで前年割れであり、フィリピンあるいはミャンマー等々では若干のプラスになっているかたちです。

ハイブリッド車の販売状況

ちょうど年度の数字が出たため、17ページ目にハイブリッド車の比率を載せています。一番下の右側にありますハイブリッド車の比率において、我々は世界トータルで18.3パーセントまで比率を上げることができています。日本で51.7パーセント、インドで7.7パーセントと、とくにインドについては本格的な伸びしろがこれでわかるかと思います。

EVの話もありますが、インド挽回のためにまずはハイブリッドでお求めやすいパワートレイン車の供給を徹底的に対応していきたいと思っています。

四輪地域別販売 (日本)

18ページ目は日本の販売状況です。日本の場合、上期は完成検査を正常化するために生産のスピードが落ち減産したため、その影響のマイナス、それから下期で挽回しようと思いましたが、台風や消費税増税の影響と、期末にはコロナ影響が若干出てきたため、3月末はそんなには数字に出るほど大きい影響でございませんでしたが、少し需要に翳りが出てきたのがこの時期でして、トータルでは67万2,000台7.3パーセントの販売減という結果で終わりました。

完成検査の不適切事案に関する 再発防止策の実施状況

完成検査については、19ページ目にありますようにさまざまな再発防止策がここに書いてありますが、経営陣の決意と行動、全社的意識改革および組織風土改革の改善、それから確実に正しい検査を行なうための相談、例えば検査員の増員や検査設備の改善を加速しています。

四輪地域別販売 (インド)

20ページ目がインドの販売、四輪の地域販売状況です。上期はインドの市場がなかなか回復せずに前年割れで終わりましたが、ちょうど終わりの頃にいい結果も出て、ここから挽回できるかと思っていたところ、期末になって新型コロナウイルスの影響が出てきてロックダウンになってしまったことで、トータルとしては、143万6,000台で国内販売が終わっています。輸出のところは港湾運営が再開され、4月はわずかながら販売ができていますが、国内の販売はまったくゼロという状況でした。

四輪地域別販売(アセアン)

21ページ目はアセアン関係です。トータルではだいたい同じぐらいの台数が確保できています。若干、新型コロナウイルスの影響が出てきている地域もありますが、先ほどからお伝えしたようにフィリピンやミャンマー、ベトナムで少し調子が出てきていたところもあります。新型コロナウイルスによる影響の克服のためにも需要を捉えていきたいと思っています。

二輪車 生産・販売実績

22ページ目は、二輪の生産・販売です。スライドのとおり数字は減少しています。

二輪車 アジアの内訳

23ページ目にあるインドの部分ですが、インド二輪のスクーター「ACCESS」は、インドのなかで全体が減少するなかで非常に好調となり過去記録も更新したことをあわせてご報告します。

単独:業績サマリー

24ページ目のところですが、単独の業績サマリーは減収減益で厳しい数字となりました。

一株当り配当金

25ページ目の一株あたり配当金ですが、先ほどご説明したように、記念配当の11円を上乗せさせていただき、期末配当は48円、年間配当がトータルで85円ということで、皆さま方に感謝の気持ちをお伝えする意を込めて、記念配当をさせていただく予定です。

次期予想および新中期経営計画の公表延期について

26ページ目が次期予想や中経の話ですが、新型コロナウイルスの影響が出てきていまして、一部回復のめどが立ちつつある部分もありますが、なんといっても相手が新型コロナウイルスですので、油断ができず、現時点では未確定要素があまりにも多くなっています。今回業績見通しと、それからもともと計画にもあった、新中期計画の公表をいったんここで延期させていただきたいと思っています。

今後、合理的な算出ができる状況になりましたら、まだ時期等は未定ですが、いろいろな情報を収集してやるべきことをしっかり整理し直して新しい計画をつくっていきたいと思いますので、少しお時間のご猶予をいただければと思います。私からの説明は以上です。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

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